資金管理は危機管理

必ずしも資金が豊富でない会社の経営者がまず実践すべき資金管理方法とは?

 

はじめまして、私はヒーズ株式会社の岩井徹朗と申します。

 

私は大手都市銀行、インターネット専業銀行、ベンチャー企業での勤務を経て20067月に起業しました。

中小企業の社内体制構築の支援をメイン業務とし、公認内部監査人(CIA)として上場企業の内部統制報告制度に関するコンサルティングなども行っております。

 

私は社会人になって以来、ある時はお金を貸す立場、ある時はお金を集める立場で資金繰りに関わり、延べ数にすれば1,000社を超える会社の資金繰りを見てきました。

 

その中には当面の資金繰りに問題はなく、余ったお金をいかに運用するかに関心の高い上場企業もあれば、今日明日の資金繰りに四苦八苦して、深夜に私の自宅まで電話をかけてくる会社もありました。(まだ携帯電話のなかった時代の話です。)

 

しかし、中には必ずしも資金が豊富な訳ではないのに、資金繰りが上手くいっている会社も多数ありました。

そして今、自分自身が経営者の立場になり、振返ってよく考えてみると、業績のいかんに関わらず資金繰りが上手くいっている経営者の資金管理の方法には3つの共通要素があることに改めて気づいたのです。

 

それは次の3つです。

 

  . 簡潔な把握

   . 的確な指標

   3. 定期的な検証

 

そこで、資金繰りが上手くいっている経営者の手法を参考にして現在当社で作成している資金繰り表をお見せします。(なお、数字は実際のものとは変えていますので、ご了承下さい。)

 

  資金繰り表(実質預金残高)

 
 
 

御覧いただいた印象はいかがでしょうか。

「ずいぶんあっさりしているな。」とか、「こんな表で本当に資金管理ができるのか。」と思われた方も多いのではないでしょうか。

 

では、3つの要素に沿って解説させていただきます。

 

  1.  簡潔な把握

 

どんなに取引件数が多くても、また、取引形態がどんなに複雑であっても、会社の状況は「今月はいくらの入出金があって月末残高はいくらになるのか」の1点に集約できるはずです。この際、勘定科目はあまり関係ありません。

まずは、お金が増えたか、減ったかを一目で把握できることが大事です。

 

資金繰り表は作ればいくらでも複雑にすることができます。しかし、一方でどんな立派で精緻な資金繰り表を作ってもそれで実際にお金が増える訳ではありません。
ざっくりと全体像を掴むことが肝要です。

2.  的確な指標
 
次に経営者は「今月はなぜ入金が少なかったのか。」、「どうして来月は預金残高が減るのか。」について常に頭の中に入れておく必要があります。
 
当社の場合は月間の取引件数もさほど多くないため、普通預金通帳を中心に日々の資金管理を行うことで事足りていますが、大切なことは資金繰りが狂うポイントを外さないということです。そこで、利用しているのが調整項目と実質残高です。
 
この調整項目に入る内容の1つ目は、本来資金として確保しておかなければならない項目で、税金、給与、小切手・約束手形の振出金額、借入金(の返済額)などが該当します。
 
調整項目の2つ目は変動要素があって別管理していた方が良い項目です。例えば、業績の悪化している取引先に対する売掛金とか、季節的に発生する仕入資金などがあげられます。
 
これらの調整項目は会社がそれぞれの状況に応じて独自に決めていく形になります。
 
ちなみに当社では法人税と源泉所得税を調整項目として管理しています。すなわち、毎年1月と7月には源泉所得税の支払があり、法人税の支払が毎年(当社の場合は6月決算なので毎年8月)発生するので、その分をきちんと確保するよう留意しているのです。
 
ポイントを外さず、それを加味した指標を設定することがリスクコントロールにつながります。
 
 
 

   3.  定期的な検証

 

皆様はどのくらいのタイミングで資金繰りを見直されているでしょうか。

 

資金が不足してくると、週次、日次、場合によっては時間単位で資金管理をしていくことが必要になってきますが、最低でも3ヶ月に1回、できれば毎月見直すべきです。

 

これは前述の簡潔さとも関連してくるのですが、作成するのが簡単で、かつ見やすいものであれば、見直すのもそれほど苦にはなりません。

 

昨今は、銀行を始めとする金融機関から資金調達をする場合でも、当月に申込んで当月中に融資が実行されるというのは期待しない方が賢明です。調整項目を勘案した3ヶ月後、6ヶ月後の実質預金残高を把握しながら、早め早めに次の一手をうつ必要があります。

 

ここまでお読みいただいて自社の資金繰り表のイメージがなんとなく浮かんでこられたでしょうか。

 

資金管理は危機管理の第一歩です。まずはあまり複雑に考えずに現状をきちんと認識することから始めましょう。次に、自分の会社としてコントロールすべきポイントを決めます。そして、後は愚直に繰り返しやりぬくだけです。

 

 

当社では具体的にどのように資金繰りを考えて資金管理を進めていけばよいのかを会社毎にご提案しております。自社の場合は実際にどのように資金管理を行った方がよいか、また、資金管理を社内で定着させるにはどのようにすべきか等についてご関心、ご興味のある経営者の方は、まずはお気軽に資料請求いただければ幸いです。

 
    

          ヒーズ株式会社

        代表取締役 岩井 徹朗

 

 
 
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