一度の資金調達で安心することなく、5年10年と安定して事業を続けていく、
足元のしっかりした企業経営を行いたいのお考えの方へ
 
 「おととい副社長よりお話があった売上金と営業保証金の件ですが、もう一度ご検討いただけないでしょうか。」
 

 「当社の監査法人から指摘されている事項なので、どうしようもありません。」

 
「今になって急に約束していた追加の営業保証金を入れないなんて・・・。しかも来月の売掛金は既存の保証金と相殺するってどういうことですか。それじゃあ困るんです。こちらにとっては資金繰り上、差引き3千万円のマイナスですよ。来月の材料費だって払えないじゃないですか。」

 

「いずれにせよ、当社としては既に決定したことなので、いくらお願いされても無理なものは無理です!」

 

 「今日、社長はいらっしゃいますか。」

 

 「朝から一日外出していて不在です。」

 

 「そんな・・・ 。」

 

   これは、私がIT関連のベンチャー企業に勤めていた際、販売代理店である某上場企業の取締役財務部長と交わした会話です。私にとっては大変苦々しい経験の一つですが、皆様も取引先とこのようなやりとりをしたことがありませんか。

 
「資金残高の推移」:3つのターニングポイントで資金繰りが大きく変化
 
 上の表は前職の資金残高がどのように推移したかを図式化したものです。
 

 会社のビジネスモデルそのものは慶應義塾大学の関係するベンチャー企業のコンクール(SFC Entrepreneur Award)で第3位に入賞するなど、外部の方からも高い評価を得ていたものでした。

 しかし、受賞後1年も経たない内に資金繰りの状況は一変してしまいました。

 

 今冷静になって振り返ってみると、資金繰りに関していくつかのターニングポイントがあったことが分かります。
 
  では、順を追って見てみましょう。
 
    ①投資家から資金調達をした時期
     ②大型の受注獲得に成功した時期
    ③売上金の回収を見込んでいた時期
 
  ①:資金調達は私がその会社に勤めて最初にやった仕事です。事業計画書を作って投資家を回り、半年ほど時間はかかりましたが、約2億円の資金を調達することができました。
 
 ②:その後、上場企業や海外企業との業務提携の話が進み、ある大型案件の受注に成功しました。採算的にはギリギリで、先行投資の必要な案件でしたが、認知度を上げるためにも会社にとってやるべきだと判断し、全社あげてそのプロジェクトに取組みました。
 

 ③:ようやく売上高の入金が見込めるようになった頃、いくつかの想定外の要因が重なって資金繰りが急速に悪化し、お取引先への支払へはおろか、私たち社員への給与の支給も滞るような状況に陥ってしまったのです。

  

 ここでいう想定外の要因による資金繰りが悪化したとは、当初予定していた売掛金と営業保証金の入金が突然なくなってしまったこと、そして、販売代理店と技術提携先がタッグを組み、私の勤務先を外す形で同じような事業を別途始めたことによるものでした。しかし、たとえどういう事態に陥ろうとも会社は事業を続けていかなければなりません。
 
 では、会社に足りなかったものは何か。
 
  最大の問題は、「資金管理を行う仕組み」がきちんと定着していなかったことです。
 
 また、少人数で目の前の仕事に夢中になって取組んでいると、なかなか現実を冷静かつ客観的に見ることができません。ましてや一所懸命やっているがゆえに、事態をより楽観的に考え、見たくない現実から目を逸らせてしまう傾向があり、危機を克服するたくましさに欠けていたのです。
 
 はじめまして。ご挨拶が遅れましたが、私はヒーズ株式会社の岩井徹朗と申します。
 

 私は前職で味わったような思いは二度としたくない、また、他の人にも同じような経験をしてほしくない、という思いで当社を設立しました。

 

  素晴らしい経営理念を掲げようとも、また、いかに画期的な技術を持っていたとしても、それだけでは事業を続けていくことはできません。そして、一度資金調達に成功したとしても、会社の中に「お金をきちんと回していく仕組み」がないとあっけないほど簡単に会社は潰れてしまいます。

 

 ・     どんなに理不尽なことが起こっても右往左往しない。

 

 ・     甘い見通しに頼らず、常に現実を直視する。

 

 ・     危険な兆候をできるだけ早く察知して、うつべき手はすべて実行する。

 

 これは私が起業するにあたって自ら肝に銘じたことです。

   
 そして、当社では、経営者が事業を安定して継続していくために最低限3つの指標を毎月チェックすることをお薦めしています。
 

(次の表は当社の資金管理ツール「マネー・レスQ」のイメージ図です。)

 

 

 

「マネー・レスQ」:調整項目、実質残高、バーンレートに注目して簡潔、的確、定期的な資金管理を徹底
 
  1つ目と2つ目は「調整項目」「実質残高」です。
 
  実質残高は「実質残高=現預金残高―調整項目」として算出します。
 
  では、この調整項目とはどういうものでしょうか。
 
  まずこの調整項目に入るべき内容は、本来資金として確保しておかなければならない項目です。税金、給与、小切手・約束手形の振出金額、借入金(の返済額)などが該当します。
 

  次に調整項目に入れるべき内容は変動要素があって別管理していた方が良い項目です。例えば、業績の悪化している取引先に対する売掛金とか、季節的に発生する仕入資金などがあげられます。

  これらの調整項目は会社がそれぞれの状況に応じて独自に決めていく形になります。
 
 前述の事例で言えば、大型案件の売掛金を調整項目として管理し、実質残高は低調なままであることをきちんと認識すべきでした。そして、現実にはこの売掛金の相手先が1社だけだったことが、資金繰りが大きく狂う要因になってしまったのです。

 

  3つ目は「バーンレート(Burn rate)」(資金燃焼率)です。
 
  「キャッシュバーンレート(Cash burn rate)」(現金燃焼率)とも言われていますが、企業が毎月いくらお金を失うかを表すもので、「入金―出金」で算出できます。手元の資金算残高をこの数字で割り算すると、あと何ヶ月でお金がなくなってしまうかを示す指標となります。
 
  ベンチャー企業などでは、いつまでに売上を上げなければならないか、また、いつ資金調達する必要があるかという目安としてよく使われています。
 
 先の事例では、大型案件の受注を獲得し、製品の開発費が先行して発生していたため、バーンレートは大きく減少していました。バーンレートはその後の売掛金の回収によって改善する予定でしたが、現実はその通りには行きませんでした。

 

   現実には資金繰りが悪化してから動き始めるのでは遅すぎます。お金的にも時間的にも余裕のある時に、先手、先手でしかるべき手をうっておかなければなりません。病気を治療するよりも病気の発生を未然に防ぐことが肝要であり、より効果が高いのです。
 

  そして、最悪の場合、資金はどうなるのかを常に意識しておくことが危機回避につながるのです

 

   当社では会計や勘定科目に詳しくない方でも、調整項目実質残高バーンレートをチェックして資金管理に役立てるツール「マネー・レスQ」を作成しました。
 
 

 「マネー・レスQ」の資料(標準フォーマット、記入例、解説書)は以下のフォームより、無料でダウンロードできます。

 

 それほど複雑なプログラムを使用していませんので、ご関心のある方は一度資料請求いただき、自社の資金繰りの把握にご利用いただければ幸いです。

 

 なお、自社ではどのように使えば良いかがよく分からない、とか、何を調整項目に設定すれば良いかを相談したいといった理由で「マネー・レスQ」のカスタマイズをご希望される場合は、当社で対応致します。

   

 1社でも多くの会社が「マネー・レスQの趣旨をご理解いただき、ツールとして使い込むことで資金繰りの改善およびそれに伴う事業の発展につなげていただくことを願っております。

   

             ヒーズ株式会社

             代表取締役 岩井 徹朗