人材育成の設計図

2026年09月16日

女性管理職を増やす取り組みを徹底解説!企業が今すぐ実践できる成功の秘訣

カテゴリー :評価制度・人事制度

女性管理職を増やす取り組み
近年、ダイバーシティ経営への注目が高まる中、女性管理職の登用は企業にとって重要な経営課題となっています。しかし、日本の女性管理職比率は世界的に見ても低水準にとどまっているのが実情です。「女性管理職を増やしたいが、何から始めればよいかわからない」「制度を整えても登用が進まない」と悩む人事担当者や経営者は少なくありません。本記事では、日本の女性管理職を取り巻く現状から、増えない根本原因、企業が実践すべき具体的な施策、成功事例までを体系的に解説します。読み終える頃には、自社で取り組むべき方向性が明確になるはずです。

 

目次

●日本における女性管理職の現状と国際比較

 - 日本の女性管理職比率の推移

 - 諸外国との比較で見える課題

●女性管理職を増やすべき理由とメリット

 - 企業経営にもたらす具体的効果

 - ロールモデル創出による好循環

●女性管理職が増えない根本的な原因

 - 家庭と仕事の両立を阻む環境要因

 - 無意識バイアスと社内文化の壁

●女性管理職を増やす具体的な取り組み

 - 制度と評価の見直しで土台を作る

 - 研修と育成プログラムで力を引き出す

●女性管理職の育成に成功している企業事例

 - 先進企業に共通する3つの特徴

●女性管理職を増やす取り組みを成功させるためのまとめ

 

日本における女性管理職の現状と国際比較

日本の女性管理職の比率は?

女性管理職を増やす取り組みを始める前に、まず日本が置かれている現状を正確に把握することが重要です。数字を知ることで、自社の立ち位置と課題の深刻さが見えてきます。

 

厚生労働省の「令和5年度雇用均等基本調査」によると、日本の課長相当職以上の女性管理職比率は12.7%にとどまっています。政府は2003年に「2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%程度にする」という目標を掲げましたが、達成には至っていません。現在は「2030年までに30%」へと目標が修正されています。

 

日本の女性管理職比率の推移

日本の女性管理職比率は、過去10年で緩やかに上昇しています。2013年時点で7.5%だった課長相当職の女性比率は、2023年には12.7%まで伸びました。しかし、上昇ペースは年平均0.5ポイント程度と非常に緩やかです。このペースでは、30%の目標達成には30年以上かかる計算になります。

 

諸外国との比較で見える課題

世界経済フォーラムの「Global Gender Gap Report 2024」によると、日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中118位でした。管理職に占める女性比率で見ると、アメリカは41.4%、フランスは37.8%、シンガポールは38.1%と、主要先進国は軒並み30%を超えています。日本は先進国の中でも際立って低い水準にあり、国際的な人材競争において不利な状況といえます。

 

この現状を踏まえると、女性管理職を増やす取り組みは「やった方がよい」レベルではなく、企業の競争力維持のために不可欠な経営戦略といえるでしょう。まずは自社の女性管理職比率を正確に測定し、業界平均や目標値と比較することから始めましょう。

 

女性管理職を増やすべき理由とメリット

なぜ女性管理職を増やすのか?

女性管理職を増やす取り組みは、単なる社会的要請への対応ではなく、企業経営に具体的な利益をもたらします。多様な視点が組織に加わることで、意思決定の質が向上し、変化への対応力も強化されるからです。

 

McKinsey & Companyの調査によると、経営層の男女多様性が上位25%の企業は、下位25%の企業に比べて、平均を上回る収益性を達成する可能性が25%高いという結果が出ています。この数字は、女性登用が業績向上に直結することを示しています。

 

企業経営にもたらす具体的効果

女性管理職の増加は、少なくとも4つの経営効果を生み出します。1つ目は労働人口減少への対応です。日本の生産年齢人口は2050年に約5,275万人まで減少すると予測されており、女性の活躍なしに企業成長は望めません。2つ目は市場ニーズへの適応力向上です。消費決定の約7割は女性が関与するといわれ、女性視点の意思決定は商品開発に直結します。3つ目は組織の多様性向上による革新的なアイデア創出、4つ目は企業ブランド価値の向上です。

 

ロールモデル創出による好循環

女性管理職が増えることで生まれる最大の効果は、後進の女性社員にとってのロールモデルができることです。「自分もあの先輩のようにキャリアを築ける」と思える存在がいることで、若手女性のキャリア意欲は大きく高まります。実際、女性管理職比率が高い企業ほど女性社員の定着率も高い傾向があります。

 

さらに、多様な人材を評価する企業姿勢は採用市場でも高く評価されます。就活生の企業選びの基準として「ダイバーシティへの取り組み」を重視する割合は年々増加しており、優秀な人材の獲得にもつながります。女性管理職を増やす取り組みは、短期的なコストではなく、長期的な投資として捉えるべきです。

 

女性管理職が増えない根本的な原因

女性管理職はなぜ増えないのか?

女性管理職を増やす取り組みを効果的に進めるためには、なぜ増えないのかという原因を正しく理解する必要があります。表面的な対策では根本的な解決にはつながりません。

 

各種の調査では、女性が管理職になることに消極的な理由として「仕事と家庭の両立が困難」が最も多く挙がり、「自信がない」「ロールモデルがいない」といった声がそれに続きます。原因は複合的で、制度・文化・意識の3つの層に分かれます。

 

家庭と仕事の両立を阻む環境要因

日本の女性は、共働きであっても家事・育児の負担が偏重しがちです。総務省の「社会生活基本調査」では、6歳未満の子を持つ夫婦の家事関連時間は、妻が7時間28分に対し夫は1時間54分と大きな差があります。長時間労働を前提とした管理職の働き方では、育児期の女性がキャリアアップを目指すのは困難です。

 

また、育児休業からの復帰後にマネジメント経験を積む機会が少ないことも問題です。時短勤務中は責任のある業務から外される「マミートラック」に陥り、管理職への道が閉ざされるケースが後を絶ちません。

 

無意識バイアスと社内文化の壁

「女性は補助的な業務が向いている」「管理職は男性の仕事」といった無意識の偏見(アンコンシャスバイアス)が、女性の登用を妨げる大きな要因です。上司が善意で「大変だろうから」と重要案件を任せないことも、結果的に女性のキャリア形成を阻害します。

 

さらに、年功型人事制度と女性のライフプランのミスマッチも見過ごせません。20代後半から30代前半の出産・育児期にキャリアの空白ができると、同期の男性と昇進のタイミングがずれ、管理職候補から外れてしまう構造があります。これらの根本原因に手を打たない限り、施策は形骸化してしまいます。

 

ヒーズ株式会社は、人材育成を研修だけで終わらせず、社員教育・組織改善・経営改善を一体で支援しています。人の感情と経営数字の両面から、社員が成長し、会社の成果につながる仕組みづくりをサポートします。

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女性管理職を増やす具体的な取り組み

女性管理職の増加は経済効果を生む

女性管理職を増やす取り組みは、単発の施策ではなく体系的なアプローチが求められます。ここでは、多くの企業で効果が実証されている6つの具体策を紹介します。

 

厚生労働省の「女性活躍推進法」に基づく行動計画策定は101人以上の企業に義務付けられており、KPI設定と情報公表が求められています。以下の施策を組み合わせることで、実効性のある取り組みが可能になります。

 

制度と評価の見直しで土台を作る

 

施策1:目的の周知と経営コミットメント

なぜ女性管理職を増やすのか、経営トップが自らの言葉で発信することが不可欠です。「業績向上のため」「持続的な成長のため」といった経営戦略として位置づけることで、社員の納得感が高まります。

 

施策2:多様な働き方の制度整備

テレワーク、フレックスタイム、時短勤務など、ライフステージに応じた働き方を選べる制度を整えます。重要なのは、これらの制度を使っても評価が下がらない仕組みにすることです。

 

施策3:公平で客観的な人事評価

評価者研修でアンコンシャスバイアスへの理解を深め、成果を客観的な基準で評価する仕組みを作ります。360度評価の導入も有効です。

 

研修と育成プログラムで力を引き出す

 

施策4:女性社員向け研修プログラムの充実

リーダーシップ研修、キャリアデザイン研修などを段階的に提供します。管理職候補となる前から意識づけを行うことがポイントです。

 

施策5:ロールモデルの育成と可視化

社内の女性管理職の姿を積極的に発信し、キャリアの多様性を見せます。メンター制度を導入し、悩みを相談できる先輩とのマッチングを図ることも効果的です。

 

施策6:外部からの女性管理職採用

社内育成には時間がかかるため、即戦力として外部から採用する方法も並行して検討します。ヘッドハンティングや専門エージェントの活用が有効です。

 

これら6つの施策は、単独ではなく組み合わせて実施することで相乗効果を発揮します。自社の現状に合わせて優先順位をつけ、段階的に導入していきましょう。

 

女性管理職の育成に成功している企業事例

成果を上げている企業の取り組みとは?

理論だけでなく、実際に成果を上げている企業の取り組みを知ることで、自社への応用のヒントが得られます。ここでは、業界を代表する3社の事例を紹介します。

 

スタジオアリスは、写真スタジオ業界で女性管理職比率が非常に高いことで知られています。同社は女性社員が9割以上を占め、店長職の約7割が女性です。子育て中の社員が働きやすい短時間勤務制度や、店舗間異動の配慮など、ライフイベントに寄り添う制度設計が特徴です。

 

セブン&アイ・ホールディングスは、2030年までに女性管理職比率30%以上を目標に掲げています。女性リーダー育成プログラム「セブン&アイ女性活躍推進プロジェクト」を通じて、幹部候補の計画的育成に取り組んでいます。経営トップが定期的に女性社員と対話する場を設け、意識改革を推進しています。

 

資生堂は、日本企業の中でも先進的な取り組みで有名です。女性管理職比率は40%を超え、化粧品業界のリーダーとして多様性経営を体現しています。育児休業取得後のキャリア継続支援や、事業所内保育所の設置など、両立支援制度が充実しています。

 

先進企業に共通する3つの特徴

これらの成功企業には共通点があります。1つ目は経営トップの強いコミットメントです。トップが自ら数値目標を掲げ、進捗を定期的にレビューしています。2つ目は数値目標の明確化とKPI管理です。「女性管理職比率○%」という具体的な目標を設定し、部門ごとに達成状況を可視化しています。3つ目は制度と意識改革の両輪です。制度を整えるだけでなく、管理職向けの意識改革研修を継続的に実施しています。

 

自社の規模や業界が異なっても、これら3つのポイントは応用可能です。まずは経営層の合意形成から始め、段階的に取り組みを広げていきましょう。

 

女性管理職を増やす取り組みを成功させるためのまとめ

女性管理職を増やす取り組みは、日本企業にとって避けて通れない経営課題です。労働人口減少への対応、多様性による競争力強化、ブランド価値向上など、企業にもたらすメリットは計り知れません。

 

しかし、日本の女性管理職比率は12.7%と依然として低く、根本原因である「家庭と仕事の両立の難しさ」「無意識バイアス」「ロールモデル不足」への対応が急務です。これらの課題を解決するには、経営トップのコミットメント、多様な働き方を認める制度整備、公平な人事評価、育成プログラムの充実、ロールモデルの可視化、外部採用の活用という6つの施策を組み合わせることが効果的です。

 

スタジオアリスやセブン&アイ・ホールディングスなど成功企業の事例からは、明確な数値目標と継続的な意識改革が成果につながることがわかります。重要なのは、一度に完璧を目指すのではなく、自社の現状を正確に把握し、優先順位をつけて段階的に取り組むことです。まずは経営層での合意形成、次に現状分析とKPI設定、そして具体的な施策の導入という順序で進めていきましょう。女性が能力を最大限発揮できる組織づくりは、結果として全社員が働きやすい企業を実現し、持続的な成長基盤となるはずです。

 

ヒーズ株式会社は、人材育成を研修だけで終わらせず、社員教育・組織改善・経営改善を一体で支援しています。人の感情と経営数字の両面から、社員が成長し、会社の成果につながる仕組みづくりをサポートします。

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監修者

岩井 徹朗

岩井 徹朗(いわい てつろう)

ヒーズ株式会社 代表取締役

都市銀行、インターネット専業銀行、ベンチャー企業など複数業界での経験を経て、2006年に独立。現在は、中小企業向けに組織づくり・経営改善支援を行う。

社員が自走できる仕組みづくりを重視し、「人の感情」と「経営数字」の両面から会社の成長をサポートしている。

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