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2026/10/09

経営者が新しい挑戦を始める方法|経験不足を乗り越える「立ち位置」の変え方

カテゴリー :ステージを上げる

経営者が新しい挑戦を先延ばしにしないための考え方
経営者として新しい挑戦をしたいと思っていても、「経験がない」「失敗したくない」という不安から、なかなか一歩を踏み出せないことがあります。特に、年齢や経験を重ねるほど、これまで培ってきた知識や得意分野の範囲内で仕事をしようとする傾向が強くなります。

しかし、新しい挑戦を始めるために、必ずしも新たな知識や経験を身につけてから行動する必要はありません。大切なのは、自分の能力を高めることだけでなく、仕事における「立ち位置」を変えるという発想です。

今回は、経営者が経験不足への不安を乗り越え、お客様からの信頼を活かしながら、新しい仕事や課題に挑戦するための考え方についてお伝えします。

 

経営者にとって新しい挑戦が難しくなる理由

 

半年後に新しい挑戦を報告できるか

「次回は、新しい挑戦を報告できるようにしましょう」

半年に1回のペースで開催している、ある経営者の方との打ち合わせ。

「半年って、あっという間ですね」という挨拶から始まった話は、来年4月の日程を決めた後、冒頭の言葉で終わりました。

 

早いもので今年も残り3ヵ月を切りました。

ぼーっとしていると、またすぐに次の打ち合わせの日が来そうなので、私自身も気を引き締めたいと思います。

 

さて、「挑戦する」というのは、口で言うのは簡単ですが、実際に行動へ移すことは、それほど簡単ではありません。

特に経営者の場合、新しい挑戦には、自分自身の問題だけでなく、お客様や会社への影響も伴います。だからこそ、挑戦したい気持ちがあっても、なかなか最初の一歩を踏み出せないことがあります。

 

経験を重ねるほど失敗への不安が強くなる

今までやったことのない仕事に取り組む際には、「本当に上手くいくのだろうか」という不安がつきものです。

若い頃であれば、失敗も経験のうちと割り切って、新しいことに挑戦できるかもしれません。

 

しかし、私自身もそうですが、年齢や経験を重ねるほど、「できることなら失敗したくない」という思いが強くなります。その結果、どうしても「自分の経験値の範囲内でできること」に集中しがちです。

 

もちろん、これまで培ってきた経験や専門性を活かすことは大切です。ただし、過去の経験だけを判断基準にしていると、新しい仕事や事業に挑戦する機会を、自ら狭めてしまう恐れがあります。

 

「勉強してから」が新しい挑戦を先延ばしにする

 

真面目な経営者ほど挑戦をためらう理由

特に真面目で責任感の強い人ほど、経験のない仕事をお客様から依頼されたときに、

「自分が引き受けて、かえって迷惑をかけるのではないか」

と考える傾向があります。

 

そして、

  • もっと勉強してから引き受けよう
  • 必要な経験を積んでから挑戦しよう
  • 十分な準備が整ってから始めよう

と考え、新しい挑戦を先延ばしにしてしまうことがあります。

 

もちろん、事前の勉強や準備は重要です。また、法律で資格や条件が定められている仕事を、必要な資格や条件を満たさずに引き受けることはできません。

しかし、すべての知識や経験を身につけてからでなければ、新しい仕事に挑戦できないのでしょうか。

 

お客様の課題解決には時間的な制約がある

ここで忘れてはならないのが、お客様の立場です。

お客様が何らかの問題を抱えて相談してくるとき、その問題の解決に使える時間は無限ではありません。

 

こちらが「勉強してから」「経験を積んでから」と考えている間にも、お客様の状況は変化します。場合によっては、準備が整うのを待っていては、問題解決の機会そのものを失う可能性もあります。

 

つまり、新しい仕事を引き受けるかどうかを判断する際には、

「自分にできるかどうか」

という視点だけでなく、

「お客様が必要としているタイミングで、どのような貢献ができるか」

という視点も必要なのです。

 

経験不足を乗り越えるには「立ち位置」を変える

 

経験のない仕事を依頼されたときの2つの選択肢

では、自分の経験値の範囲を超える仕事を依頼された場合、どうすれば良いのでしょうか。

 

私は、選択肢は大きく分けて2つあると考えています。

1つ目は、「自分にはできません」と断ること。

2つ目は、「立ち位置」を変えて挑戦することです。

 

お客様が直面している問題が、自分の能力を遥かに超えており、他の人に依頼した方が良いと判断できるなら、無理に引き受けるべきではありません。自分の限界を正しく認識して、お断りすることも、お客様に対する誠実な対応です。

 

一方で、

「経験したことがないので不安だけれど、できれば挑戦してみたい」

「お客様に迷惑をかけたくないが、何とかお役に立ちたい」

という思いがあるなら、仕事における自分の「立ち位置」を変えることを検討してみてはいかがでしょうか。

 

自分が実行する立場から、全体をまとめる立場へ

例えば、これまで自分が前面に立って仕事を進めていた場合でも、経験のない仕事については、必ずしも自分がすべてを実行する必要はありません。

具体的には、

仕事全体の進行を調整する「まとめ役」になる

必要な知識や経験を持つ「専門家との繋ぎ役」になる

といった方法があります。

 

自分に不足している知識や専門性を、他の人の力で補う。その上で、自分はお客様の要望を正しく把握し、関係者との調整や課題解決に向けた進行を担う。

このように立ち位置を変えれば、自分一人では対応できない仕事であっても、お客様の期待に応えられる可能性が広がります。

 

もちろん、専門家に任せれば、それですべて解決するわけではありません。誰に何を依頼するのか、責任の所在をどうするのか、進捗をどのように確認するのかといった点を明確にする必要があります。

しかし、そうした役割を担うこと自体が、これまでとは違う新しい挑戦になるのです。

 

お客様が経営者を信頼する理由は専門性だけではない

 

お客様から相談されること自体が信頼の証

そもそも、お客様から新しい仕事の相談を持ちかけられたということは、一定の信頼を得ている証拠です。そして、その信頼は、これまでの仕事ぶりが評価された結果でもあります。

 

ただし、お客様が評価しているのは、必ずしも知識や専門性だけとは限りません。

例えば、

  • 日頃の対応が丁寧である
  • 問い合わせに対するレスポンスが速い
  • 約束したことを確実に実行する
  • 困ったときに安心して相談できる
  • 相手の立場に立って物事を考えてくれる

といった点も、信頼関係を築く重要な要素です。

 

つまり、お客様は「何を知っているか」「何ができるか」だけでなく、「この人なら安心して任せられるか」という点も見ているのです。

 

自分の強みを活かせば、新しい仕事の可能性が広がる

仮に、新しく依頼された仕事が、自分の経験値の範囲内では対応できない内容だったとします。しかし、お客様が自分を信頼している理由が、専門性だけではないとしたら、どうでしょうか。

 

自分が直接その仕事を実行できなくても、これまで築いてきた信頼関係や対応力を活かすことは可能です。

例えば、専門知識を持つ人とお客様の間に入り、双方の認識をすり合わせる。

あるいは、お客様の要望を整理して、問題解決に向けた全体の流れを組み立てる。

こうした役割は、専門家とは異なる立場だからこそ、力を発揮できる場合もあります。

 

大切なのは、自分ができないことばかりに目を向けるのではなく、「今まで培ってきた強みを、別の形で活かせないか」と考えることです。

新しい挑戦とは、必ずしも新しい知識や技術を身につけることだけではありません。すでに持っている強みの活かし方を変えることも、立派な挑戦なのです。

 

新しい挑戦を妨げるプライドと目先の利益

 

「知らないと思われたくない」という心理

ただし、立ち位置を変える際には、乗り越えなければならない壁があります。

その1つが、自分自身のプライドです。

 

例えば、経営者として長年仕事をしていると、

「こんなことも知らないのかと思われたくない」

「今さら人に教えてもらうのは格好悪い」

と感じることがあるかもしれません。

 

また、他の人を巻き込むことによって、

「自分の取り分が減ってしまうのではないか」

と考えるケースもあるでしょう。

 

しかし、それらは突き詰めれば、自分自身のエゴではないでしょうか。

お客様が求めているのは、経営者が何でも知っていることでも、すべての仕事を一人で実行することでもありません。自分が抱えている問題を、適切な形で解決してもらうことです。

 

目先の利益より、長期的な信頼関係を重視する

確かに、専門家に仕事の一部を依頼すれば、その分、自分の利益が減ることもあります。

しかし、自分一人では対応できない仕事を、他の人と協力することで実現できれば、お客様との信頼関係をさらに深められる可能性があります。

また、新しい分野の専門家と協力する経験は、自分自身の仕事の幅を広げることにもつながります。

 

目先の利益だけを見れば、他の人を巻き込むことは損に感じるかもしれません。しかし、長期的な視点で考えれば、新たな仕事の機会や人脈の形成など、得られるものも少なくありません。

経営者にとって重要なのは、目先の損得だけでなく、将来の可能性も含めて判断することです。その意味でも、新しい挑戦には、自分のプライドや従来のやり方に固執しない柔軟な姿勢が求められます。

 

経営者の新しい挑戦は、小さな一歩から始められる

 

挑戦に必要なのは無謀な勇気ではない

新しい挑戦には勇気が要ります。しかし、その勇気は必ずしも、清水の舞台から飛び降りるような無謀なものである必要はありません。

経験のない仕事を、何の準備もせずに引き受けることが挑戦ではないのです。

 

自分の経験や能力を客観的に把握した上で、不足している部分を補う方法を考える。

必要であれば、信頼できる専門家の協力を仰ぐ。

そして、自分が最も力を発揮できる立ち位置を見つける。

こうした工夫によって、失敗するリスクを抑えながら、新しい挑戦に踏み出すことは可能です。

 

大切なのは、「自分にはできない」と最初から可能性を閉ざすのではなく、「どういう立ち位置なら、お客様のお役に立てるだろうか」と考えてみることです。

 

半年後に胸を張って報告できる挑戦を

今回、半年後の打ち合わせに向けて、「新しい挑戦を報告しましょう」という話になりました。

 

半年という時間は、長いようで短いものです。何もしなければ、あっという間に過ぎてしまいます。しかし、今までとは違う立ち位置で仕事に取り組んだり、新しい分野の人と協力したりすることなら、今日からでも始められるかもしれません。

経営者が新しい挑戦を始める際に重要なのは、これまでの経験が通用するかどうかだけで判断しないこと。自分の強みを見つめ直し、それを活かせる新しい立ち位置を考えることです。

 

「経験がないからできない」と考えるか。

「経験はないけれど、違う立ち位置ならできるかもしれない」と考えるか。

その発想の違いが、半年後、さらには数年後の仕事の可能性を大きく変えるのではないでしょうか。

 

来年4月には、「この半年の間に、これに挑戦しました」と胸を張って報告できるよう、私自身も新たな一歩を踏み出したいと思います。

 

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