ミセルチカラの磨き方
未経験のリスクを避けて、正論を会社の成長に活かすには?
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
会社の資金繰りをチェックして、早め早めに手を打つ。
まさに、正論であり、会社経営の基本です。
けれども、この正論がなかなか通らないのが世の中における現実です。
毎月減っていく預金残高を見るのは気持ちのいいものではありません。
売上を上げるべく、いろいろな手を打っても、結果につながらないと、焦りが生まれます。
また、お金を借りようと銀行に相談しても、あれやこれやと資料を出せと言われて、「面倒くさいなぁ」という思いが生まれます。
このため、正論は「まさにその通り」と頭では理解できても、実際にその正論に沿った行動ができないという状況が生まれます。
一方、正論がすんなり受け入れられるのは、正論と違うことをやってしまい、かなり痛い目にあったことがあるという場合です。
資金繰りに関して言えば、あと300万円ないと、会社が不渡りを起こすというような経験をしている経営者は、よほど鈍感な人でない限り、会社の資金繰りをチェックしながら、早め早めに手を打ちます。
人の本能は快楽を求め、不快を避けるので、
資金繰りですごく不快な経験をした
↓
二度とあんな思いは絶対にしたくない
↓
その状況を避けるために、正論に沿って行動する
ということができます。
けれども、そこまでの経験がないと、
- 預金残高を確認することで生まれる不快を避ける
- 売上がすぐに上がらないことによる不快を避ける
- 銀行交渉に伴う不快を避ける
という段階に留まり、結果的に、会社が倒産するという経営者にとって、最も大きな不快と向き合わないという状況が生じる恐れがあります。
楽をしたい、苦労を避けたいというのは人間の本能であり、そのこと自体、正しい、正しくないで判断すべきものではありません。
- 毎月残高が減っていく預金通帳を見たくない
- 売上が思ったように上がらなくて落ち込む
- 銀行との借入交渉が面倒で嫌になる
のは、人間として当たり前のことで、その感情自体を無理やり否定する必要はありません。
けれども、経営者であれば、その感情をいったん受けとめた上で、次に何をしたらよいかを冷静に見極める思考力が求められます。
正確な預金残高を把握しなければ、来月末までにいくら必要なのかが分かりません。
落ち込んで営業活動が止まってしまうと、売上を上げるのはますます難しくなります。
面倒でも、必要な資料を提出しない限り銀行はお金を貸してくれません。
つまり、感情を受けとめた上で、痛い思いを絶対に避けたいなら、考えに考え抜いて想像力を膨らませる必要があるのです。
言い回しや表現は多少変わってきたにせよ、正論や原理原則と言われるものは昔からあまり変わっていません。その正論について、思考レベルでは理解できても、実際に行動に移せない時には、感情レベルで何かひっかかっていることがあります。
そして、その感情レベルで感じていることが経営者としてのあるべき論からすると、ダメ出しされるように解釈して、結果としてやるべき行動を抑えていることがあるのです。
大きな不快を避けるには、小さな不快を受けとめる。
そのために、もやもやする感情はむやみに否定せず、冷静に思考を働かせる。
これが動物の中で人間だけが感情を持っていることに伴う、面白さでもあり、難しさでもあります。
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