ミセルチカラの磨き方
「社員が指示待ちで動かない」から脱却するための、たった一つの視点
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「うちの社員、言わないと動かないんだよ」
「もっと自分で考えてくれたらいいのに」
そんなふうに感じたことはありませんか?
中小企業の経営者と話していると、よくこんな悩みが聞こえてきます。けれども、「社員が悪い」「能力が低い」と嘆いているだけでは、何も変わりません。
実は、指示待ち社員に変化を起こすには、経営者自身の関わり方を見直すことが第一歩です。
「人はやればできる」と信じられるか?
「人はやればできる」
この言葉を、ただの精神論や理想論だと感じるかもしれません。でもこれは、単なるスローガンではなく、経営の根幹に関わる人間観です。
もし「どうせ言わなきゃやらない」「何をやらせてもダメ」という前提で社員に接していると、待っているのは管理の強化だけです。
ルールで縛り、細かく指示を出し、ミスをしないように管理する。確かに、それである程度は回ります。でも、会社の成長にはつながりません。なぜなら、社員は「指示がなければ動けない人」になるからです。
信頼は任せた後に生まれる
多くの経営者は、「信頼できるようになったら任せよう」と考えます。でも実は、これは逆なんです。
「任せてみて、はじめて信頼が芽生える」
もちろん、いきなり全部を任せるのは無謀です。大切なのは、「小さく任せて、小さく成功させる」こと。
まずは、社員が自分で考えて動けるサイズの仕事を渡してみる。その上で、うまくできたらフィードバックし、うまくいかなければ一緒に原因を考える。
この繰り返しこそが、社員との信頼関係を築く唯一の方法です。
管理ではなく、「設計」をする
任せるといっても、ただ「好きにやって」と言えばいいわけではありません。それでは、社員は戸惑うばかりです。
必要なのは、「任せるための設計」です。具体的には、次の3つを明確にすることです。
- 目的(なぜそれをやるのか)
- 判断基準(どこまでは自分で決めてよいのか)
- 確認のタイミング(いつ報告・相談するのか)
これだけで、社員は格段に動きやすくなります。考えて動けないのではなく、「考えるための枠組み」が用意されていないだけ、というケースがほとんどなのです。
育たないのは「社員のせい」か?
「うちの社員はやる気がない」「育たない」
そう感じるときこそ、一度立ち止まって考えてみてください。
「この会社は、社員が育つ仕組みになっているだろうか?」
「経営者である自分は、社員を信じるのではなく、疑って管理することが当たり前になっていないだろうか?」
信じることは、丸投げでも思い込みでもありません。「育てる」こととセットで初めて、信じるという姿勢が意味を持ちます。
そして、社員が変わる前に、まず経営者自身の「関わり方」が変わる必要があります。
「考える社員」は、こうして育つ
では、実際にどうやって「考えて動ける社員」を育てるか。ここに正解はありませんが、王道はあります。
それは
- 小さな仕事を任せて
- 成果を一緒に振り返り
- 次のチャレンジに少しだけ背中を押す
この地道なサイクルの中で、「あ、自分で考えてもいいんだ」「任されているんだ」と社員が感じたとき、行動が変わり始めます。
管理と信頼は対立するものではない
誤解されがちですが、信頼するからといって、管理が不要になるわけではありません。むしろ、最低限の管理は必要です。信頼のためにこそ、一定の仕組みがいるのです。
ただしその管理は、「縛るため」ではなく「見守るため」に存在するべきです。
社員を疑うためのチェックではなく、支えるための確認に変わったとき、会社は監視で回す組織から、信頼で育つ組織へと進化します。
最初の一歩は「変化を見ること」
もしあなたが、今の社員に対して「任せられない」と感じているのなら、まずは一人に、一つの業務でいいので、「考えて動けるようになるプロセス」を設計してみてください。そして、その変化を観察してください。
小さな一歩でも、変化が見えれば、会社は変わり始めます。
まとめ:社員は信じた分だけ成長する
社員に変わってほしいなら、まずは経営者自身が「関わり方」を変えること。社員を信じてみること。
もちろん、過信してはいけません。でも、疑い続けていては何も始まりません。
人は、やればできる。でも、「やろうと思える環境」がなければ、誰も動きません。
「社員が考えて動く会社」を目指すなら、その土台は、経営者の「信じて任せてみる勇気」から始まります。
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任せるとは、「社員を信じる」ことではありますが、同時に「自分自身を信じる」ことでもあります。
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