ミセルチカラの磨き方
性格ではなく構造の問題。ブレ続ける上司の共通点とは?
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。

さて今日はいきなり質問です。
もしもあなたの上司がこんな人だったらどうしますか?
- 自分の出世や保身を一番に考えている
- 大事なのはお客様や部下ではなく自分より役職が上の人
- 現場のミスや問題はもみ消そうとする
- 同じようなミスが何度も繰り返し起こることを解決できない
- 終わってしまったことはすぐに忘れて次に活かせない
- 口ではもっともらしいことを言う
- 部下に対して偉そうな物言いをする
- 時と場所をわきまえず感情的になって部下を怒る
- 部下がやったことを自分の手柄のように自慢する
- 部下から聞きかじった良い言葉を自分が言ったことにする
いかがでしょうか?一つや二つ当てはまりそうな人は、身近にいるかもしれません。
全部が当てはまる人が「リーダー」という役割を担うとしたらどうでしょう?どういう組織になるのかは、想像ができます。
職場のエネルギーが失われて、部下が疲弊していきます。そんな職場に見切りをつけて、辞める人もでてきます。お客様からも信頼を失い見放されます。もしも自分がその上司の元で働くと考えたら…正直ゾッとします。
こういう上司がいる職場、私の作り話ではありません。
残念ながら実際にあるんです。クライアント先の話ではないので、私がどうすることもできませんけれど。
よくあるのはこういう人がいたときに、「性格が悪い」とか「心がけがなっていない」とか、人格的なことで片付けること。
ただ、人格的なことはそれぞれ理由があるので正しい理解は難しいです。でも、「構造が整っていない人」として見るとよく分かります。
自分の評価や保身を含め、自分の立場だけを守る人は、まわりの状態や感情を一切見ていません。なぜなら、物事に対する捉え方が全て「点」だからです。
「自分の評価」「自分の立場」「自分の都合」というそれぞれ、つまり、その時々の一点だけを見て意思決定をするという構造です。
一点から離れられないでいると、部下が置かれている状況も見えません。仮に現場が疲弊していても、気づかないわけです。
もっとはっきり言うなら、「点」の構造の中では「気づく能力」というものは発揮されないと言えます。それは社内の部署内に限らず、お客様に対しても同じこと。真に求めていることは分かりませんし、想像すらできません。
「点」という構造、それも自分の外側の構造の中にいるわけですから、部下に対する指示も行動も「点」でしかない。だから、ずっとブレ続けます。だから、最初に並べたような事態が起こるわけです。
そして、こういう構造の中でしか生きられない人の特徴を見れば、さらに説明がつきます。
自分にとって嫌なこと、例えば、役職が上の人に 「怒られた」というようなことがあると、その「怒られた事実」だけは点として残ります。でも、内容は残りませんから、意味の理解にもつながりません。当然のことながら、次の判断に活かせないのです。
一番困るのは、「自分がそういうことをしている」という自覚がないこと。
こんな風に言ってしまうと「絶望的」なかんじもしますけれど、構造は整え直すことができます。
性格や資質は変えられなくても、構造を整えることで考え方のズレに気づくことはできます。まずは気づくところから始めないといけません。
そして、気づくかどうかは本人次第ということです。構造が見えるようになると、自分の人生も仕事も「点」 から「流れ」 へと開いていきますから。
それでは、今日も1日お元気で。
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