ミセルチカラの磨き方

2026/03/13

社員の質は経営者を超えない。組織のレベルを決める「トップの基準」

カテゴリー :ステージを上げる

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

社員の質は経営者で決まる。組織はトップの基準を超えない。

社員の質は経営者の基準を超えない

来月になると、新入社員が入ってくる会社もあるかと思います。最近は安定志向の若者が約半分を占めるとも言われており、受け入れる会社もいろいろとたいへんです。

 

研修内容や人事制度など工夫を凝らしても、入社した全ての社員が期待する以上の活躍をするとは限りません。

「無敵化する若者たち」の著者である金間大介金沢大学教授は、日経M Jのインタビュー記事の中で、「部下全員を伸ばすのは骨折り損だ」という主旨のお話をされていました(2026年3月11日付日経M J参照)。

 

このように人材育成は絶対的な正解がない訳ですが、一つ確実に言えることがあります。

それは、「経営者がダメなのに、社員の質が高いことはない」です。

 

優秀な社員がいても、経営トップが代わることで、優秀でなくなることがあります。最初のうちは、なんとか頑張って改善しようと努力しても、経営者の考え方が変わらないと、やがて「言っても無駄だ」と考えます。すると、単に言われたことを淡々とこなす社員になり、本来その人が持っていた能力が発揮されなくなります。

もちろん、危機感を抱いた社員は転職して、新天地で活躍するかもしれません。けれども、安定志向が強い傾向の中、リスクを取って転職するよりも、このまま今の会社でいた方が楽だと考える社員も一定数いるので、会社全体として社員の質が下がります。

まさに、「魚と組織は頭から腐る」です。

 

一方、先日テレビで、京都にある行列のできる人気のパン屋さんを取り上げていました。

店主の方はパンにすごいこだわりがあります。焼き上がりが気に入らないと、「こんなパンはお客様に出せない」と社員にも怒鳴りつけたりする、厳しい方です。

けれども、全国各地から「自分も美味しいパンを作りたい」と思う若者たちが集まって、日々切磋琢磨されていました。

 

経営者が「こうありたい」という基準を持っているかどうかで、社員の質は大きく変わります。

  • そもそも基準がない
  • 基準があっても、単に売上や利益を上げることだけ
  • 経営者自身が基準に向き合っていない

会社で、社員の質を高めるのは無理です。意識の高い自己実現タイプだけが集まれば、可能かもしれませんが、それは宝くじを当てるようなものです。

 

前述のパン屋さんで言えば、経営者である店主の方が「ウチのパンはこうありたい」という基準を持って、日々真摯に仕事をされていました。すると、その磁力に吸い寄せられるように、社員も「より美味しいパンを」という思いを込めて研鑽しているので、それがお客様にも伝わり、好循環を生んでいます。

 

安定志向の多い若者の価値観を変えることは一筋縄ではいきません。前述のインタビュー記事の中にも、金間教授は「(安定志向の)50%をどうやったら変えられるか」とよく聞かれるそうですが、「その問い自体が間違っている」と指摘されています。

経営者が変えるのは、自分の基準

もちろん、入社した全員がその基準に共感し、その能力を高め、仕事の質を高める訳ではありません。けれども、すぐに賛同する社員がいなくても、その基準に魅力を感じ、「自分も頑張ろう」と思う社員が一人でも出てくれば、それは社員の質が上がる第一歩。

 

人手不足の折、社員には辞めてほしくないと思う気持ちはよく分かります。しかし、社員の顔色を見て社員に擦り寄っているようでは、絶対に社員の質は上がりません。

しっかりとした基準を定め、社員の質を上げる流れをつくることこそ、人材不足の解消になります。

 

★関連する記事は「社員の不満は「差」ではなく「基準の不在」から生まれる

社員の不満は「差」ではなく「基準の不在」から生まれる

明確な基準を示してえこ贔屓するのは社内の一体感を生み、明確な基準を示さずにえこ贔屓するのは社内の不満を生む。

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