ミセルチカラの磨き方
「やることがない3時間」の奥にあるもの
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。

「この3時間、どうしたらいいと思う?」
いきなりですけれど、これは以前友人が私に言った言葉です。私はこの言葉がすごく印象に残っています。
そのとき久しぶりに会った友人は、長年、大企業で働いてきた人。
それこそ仕事が終わるのは、いつも夜10時、11時。彼はまさに企業戦士でした。
ところが50歳を過ぎた頃から状況が一変します。
本社から関連会社へ。はっきり言ってしまえば、第一線から外れる形です。大企業ではよくあることですね。
時間に余裕ができた彼は、地域のシニア世代と一緒に、お年寄りのサポート活動を始めたそう。
私:「へぇ、すごいね。いいことだよね。」
彼:「だろ?これからはシニアの時代なんだよ。」
私:「そうだね。元気なシニアが活躍する時代だよね。」
彼:「そうそう。こういう活動は注目されるからさ。今からやっとかないと。」
私:「……(注目?)」
こんな会話をしたときに、違和感センサーが作動します。
- 注目されるから?
- 誰のための活動?
- 本当にやりたいこと?
そんなこちらの疑問などお構いなしに、彼の話は続きました。
今まで夜10時、11時だった仕事の終わりが、今は夕方5時。まっすぐ家に帰れば6時半。でも夕飯はない。娘が塾から帰ってくる9時半頃に、ようやく家の夕飯が始まる。その間、3時間。
そこで最初の言葉です。
「この3時間、どうしたらいいと思う?やることがないんだよ。」
時間ができて困る、という話は、定年後の男性の話としてよく聞きます。でも彼の場合は、ただの“空いた時間”の問題ではなさそうです。
仕事でも、家庭でも、地域でも、「どう過ごしたらいいのか」、つまり、「自分は何をして、どんな気持ちで過ごしたらいいのか」が分からなくなっているようでした。
もし少しだけ立ち止まって、こんな問いを自分に向けてみたらどうでしょう。
- 忙しくても充実していると感じるのはどんな時だろう?
- 時間ができた今、本当は何をしてみたいのだろう?
- 家族には、どんな夫、どんな父親でいたいのだろう?
時間があるということは、何もすることがないということではありません。
むしろ、これまで忙しさの中で後回しにしてきた「自分の時間」が戻ってきたのかもしれません。
誰かに認められるためでもなく、誰かに注目されるためでもなく、自分はこれから、何を大切にして生きていきたいのか。その答えは、きっと自分の中にしかありません。
さて…、ここまで読んでいただいたところで「種明かし」をします。
実はこのブログ、「『これからはシニアの時代だよ!』って本音?!」というタイトルで私が生まれて初めて書いたブログなんです。
途中は少しカットしてありますけれど、原文のまま。2014年に書いたものです。
もちろん、最初に書いたものの内容なんて覚えていませんでした。
でも、ひょんなことから見返して読んでみたら、自分でも驚いたことがあります。
「今と同じこと言ってる!」
自分が伝えていることは同じ、何にも変わっていません。干支は一回りしても、伝え方の種類は増えても、根っこのところは同じままでした。
つまり、「ブレない軸」ってこういうことなんだと思います。
自分にとって大切なことは変わらないわけですから、あえて「ブレない軸は何だ?」と悩むこともありません。自分自身も実践してきたと改めて思いました。
この話をしていた当時は、「これからはシニアの時代だよ!」というタイトルをつけていましたが、あの話をしてくれた彼も私もどっぷりシニア世代。
今ならこう言います。
これからじゃない。「今こそ、自分の時間をどう生きる?」
その答えを見つけていく時間は、思っているよりずっと「愉しい」ものです。年齢に関係なく(笑)。
それでは、今日も1日お元気で。
★関連する記事は「ミッドライフ・クライシスは「他人の価値観」で生きてきた証?」

自分自身の価値観に沿ったものではなく、他者や社会の価値観に従ってしまうことに気づけないこと。これが一番の問題で、それはどんな年代であっても同じです。
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