ミセルチカラの磨き方

2019/10/18

予想を超える世の中を生き抜くために欠かせない力とは?

カテゴリー :ステージを上げる

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

予想を超える世の中を生き抜くために欠かせない力とは?
正しい事実を知ることとその事実を正しく使えることは違う。

台風による一連の被害を見ていると、つくづくそう感じます。


「コンパクトな台風」

台風15号についてニュースでよく耳にした言葉です。

「コンパクト」の意味するところは、暴風域の範囲が狭いということ。けっして、台風の勢力が弱いということではありません。一方で、「コンパクト→小さい→たいしたことはない」という印象を持った人も多いかと思います。

けれども、千葉県を中心に大きな被害をもたらした強烈な台風だったことは記憶に新しいところです。


「東海地方から関東地方に上陸」

今回の台風19号では関東など首都圏を直撃することが盛んに報道されていました。そして、台風の進路予想では、その後北上しながら日本列島から離れていくというものでした。

実際の台風の進路もほぼ予想通りでしたが、台風が来る前の報道に接している限り、長野県や福島県、宮城県等であれほど大きな被害が出るとは、私自身は想像できませんでした。

正しい情報に接した際に、「東京でも場合によっては大きな被害が出るかもしれない」ということまではイメージできましたが、「その後、だんだん日本からは外れていくので、長野や東北など他の地方への影響はたいしたことないだろう」と勝手に考えてしまったのです。


また、今回の台風では千曲川はじめ多くの河川で氾濫が起きました。

そして、被災された方の中には「自分の住んでいる所では小雨だったので大丈夫だ」と思っていたら、上流で降った大雨の影響で、突然洪水の被害に遭ったという人もおられました。


間違った情報に基づいて判断したり、情報不足の中で方向性を出すことで正しく行動できないということはよくあります。一方で、正しい情報をある程度持っていたとしても、そこから導き出される結論が正しいとは限りません。

今回の被害を踏まえて、台風に関する情報は質量ともにさらに向上していく可能性があります。けれども、いくら情報が充実したとしても、それを実際に使うのは我々人間です。


そして、人間の想像力にもいろいろな足かせがあります。

「今まで大丈夫だったから何とかなるだろう」という過去の経験則に基づく足かせ

「理論的に考えれば、そんなことは起こらない」という論理に基づく足かせ

「国や自治体が言っているんだから大丈夫だ」という依存に基づく足かせ

 

想像力というのは一見すると、無限のように感じますが、実際には様々な足かせがあって、「想像力を広げよう」としても、自ずと限界があります。

それゆえ、その限界を超えていくには、自分の想像力について、自分自身で疑問を投げかけることが必要です。

 

  • 「コンパクト」の意味するところは何なのか?→台風の中心気圧の数字でその強さを想定する
  • なぜ、関東地方への上陸ばかり強調されるのか?→首都東京への影響が一番関心が高いことを考慮に入れ、周辺の状況をより積極的に把握するよう努める
  • 近所に流れる川の源流はどこで、その水嵩は現在どうなっているのか?→離れた地域の雨量もチェックして行動を決める

 

100%正しい情報を100%知るのは現実には不可能。このため、我々は一定の情報を基に想像力を目一杯膨らませて行動することが今後さらに求められます。

自らの想像力の限界を知ることでさらに想像力を鍛えていく。

何が起こるか分からない世の中で生き抜いていくために、日頃から意識しましょう。

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