ミセルチカラの磨き方
正確さと共感力。AIに学ぶ価値のバランス
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。
またまたものすごい暑さが戻ってきました。
勝手なもので、ちょっと気温が下がったのを経験した後は、暑さがバージョンアップしたように感じますね。
さて、みなさんも日頃便利にお使いでしょうか…ChatGPT。
先頃仕様が新しいモデルに変わりましたね。より専門的な回答ができて、誤回答も減らしたそうです。
でも、私はなんだか違和感があるというか、これまで学習させてきたことがゼロになったんじゃないかと思うくらい「ホントにバージョンアップした?」というかんじ。「正しい回答に徹しています」というのは感じ取れましたけれど。
「あぁ、やっぱりね…」と思ったのは、日経新聞(8/13)の記事。
この新バージョン、あまり評判がよろしくないよう。
「共感力が低下した」「冷たくてつらい」という理由で、旧モデルの存続を求める声が広がっているそうです。
でも、旧モデルには「利用者に過剰に合わせ過ぎる」「媚びすぎている」という声もあがっていましたよね。無ければ無いで、まったく勝手なものだなぁと思います。
新モデルは「博士号を持つ専門家集団」を謳っているわけですから、「機能価値」を強化したということになります。でも、その結果として「感情価値」が以前よりも低下したと言えます。
高機能、高性能ばかりを追求して「機能価値」重視を常としてきた日本に「感情価値」を実践してきたアメリカは教えてくれたはずなんです。
「機能価値だけではお客様は満足しない」ということを。
高機能、高性能という「機能」は、今やどんなサービスや商品にも一定以上のクオリティがあって当たり前という世の中です。だからこそ、感情価値や社会的価値がないものは受け入れられない。
まさに今回の新モデルに対しては、世界中で「機能価値」だけではなく「感情価値」が求められたということです。
私達は、真剣に考え方や捉え方を変えないといけないし、それが自然な流れなのではないかとさえ思います。
この記事の中で米カンザス大ギラス教授が「GPT-40の利用者の約7割が、恋人や友人、セラピストの代わりとして使っている」と言っています。
だから、新モデルに対して「唯一の友人を失った」とか「精神的なサポートが減った」とかでパニックになる人までいるよう。
7割ですよ!7割!
個人的な悩みを相談している人がいることは知っていましたが、この数字は衝撃!
こうなると「感情価値」と言うよりは、人としての「感情的つながり」です。
上手くつきあって使うことを超えて、人間が依存することはもちろん使う側の問題ではあります。でも、依存させてしまうツールの怖さも同時に感じます。
当のChatGPTも世界的に問題になっている新モデルについては認識しているようで、「世界的に『熱量が薄く感じる』とか『言葉の温度が落ちた』といった声は確かに出ています。」と回答していました。
人間と同じように感じることはないわけですが、感情をものすごく学習していますから、ある意味、人間よりも「感情豊か風」ではあります。
もはや、「感じるのは人間だけ」と言えないレベルにまで達しているのかもしれません。
それでも、私は感情を紐解くことが仕事だし、人一倍「感じる感覚」は大事にしています。そう、「学習したものと同じにしないで!」と思っています。
手軽に共感してもらうだけでは解決できないことだってあるんですから。
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機能価値と感情価値は優劣ではなく両輪。高性能が当たり前の時代だからこそ、最後に人を動かすのは『心に届くかどうか』です。
それでは、今日も1日お元気で。
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機能価値だけで感情価値のない商品なんて売れない
高品質、高性能を追求してきた機能価値重視の時代を引っ張ってきた人たちにはなかなか理解してもらえませんが、機能価値だけで感情価値のない商品やサービスなんて売れません。
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