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2025/12/19

「任せる経営」が上手くいく社長に共通する3つの条件|丸投げは悪ではない

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

丸投げで成功する経営者の共通点

今週「士業に丸投げは危険?」というタイトルでブログを書いたのですが、経営者の中には、社員や専門家に丸投げしているけれど、上手くいっている方もおられます。

その要因としては、もちろん、「丸投げした相手先が優秀だから」ということがあります。経営者の指示が多少曖昧でも、丸投げした相手が経営者の意を汲んで、経営者が想定していた以上の結果を残すということはあります。

もちろん、当たり外れはあるものの、高額のお金を払えるなら、社員であれ、社外の専門家であれ、優秀な人に丸投げすることで、上手くいくケースはあります。

 

一方、要因を丸投げされる相手ではなく、丸投げする相手に求めた場合、共通する特徴は3つあります。

  1. 自分の実力を自覚している
  2. 人を信頼する
  3. 人としての魅力がある

 

自分の実力を自覚している

 

優秀な経営者はどうしても、自分で何でもかんでもやってしまいがちです。けれども、例えば、「自分はどうも経理は苦手だ」という自覚があれば、苦手な経理を勉強して時間を費やすよりは、経理の得意な人に丸投げした方が会社全体としては効率的です。

もちろん、丸投げと言っても、経理担当者にお金の管理まで全て任せていると、不正が起こって、損失が出ることもあります。このため、リスクコントロールの観点から、必ず経営者がチェックする仕組みは不可欠です。

つまり、「最終的には任せた方が悪い」ということを忘れなければ、経理であれ何であれ、自分が本来の実力を発揮できない仕事に労力を使う方がベターです。

 

人を信頼する

 

前述のように信頼して任せていた人に裏切られた経験があると、人はどうしても疑心暗鬼になります。けれども、人に丸投げして上手くいっている経営者の場合、たとえ過去に信頼を裏切られた経験があっても、基本的には人を信頼する方が多いです。

残念ながら、こちらが信頼しないと、相手からも信頼されません。

昔流行った海援隊の歌に「信じられぬと嘆くよりも、人を信じて泣く方がいい」というフレーズがありましたが、会社をさらに成長させたいなら、「任せられぬと嘆くよりも、人に任せて痛い経験を積んだ方がいい」です。

 

人としての魅力がある

 

丸投げして上手くいっている経営者の場合、普段は怖い顔をしていても、お茶目な一面があったりするなど、人としての魅力がある経営者が多いです。

任せる相手が真のプロフェッショナルであれば、経営者の人柄が良かろうが、悪かろうが、一定の成果を出そうとします。しかし、多くの人は「どうしてこの人のために頑張らなければならないのか」と感じる経営者よりも、「この人に恥を欠かせたくない」と感じる経営者のために頑張ります。

三国志で言えば、大将としての実力や実績なら魏の曹操よりも劣るという言われる蜀の劉備のように、人間性で人を巻き込むパターンも実際にはあります。

 

経営者ならできることは

 

3つの特徴のうち、最後の「人としての魅力がある」については、本人の性格もあり、また、相手がどこに魅力を感じるかは分からないので、再現性は低いかもしれません。けれども、最初の2つである、「自分の実力を自覚している」と「人を信頼する」であれば、自分だけで完結できる事項です。

経営者とお話ししていると、時々「ウチの社員には心配で任せられない」として、簡単な仕事しか社員にやらせていない会社もあります。

最初から丸投げは難しいかもしれません。しかしながら、経営者自身が自分の実力を過信せずに、最初は少しずつでも相手を信頼して仕事を任せることで、やがて、丸投げしても大丈夫な社員も育ってきます。

 

まず隗より始めよう

 

仕事を任せて何かしら問題が起きた際に

  • 任せられた相手に原因を求めるのか
  • 任せた自分に原因を求めるのか

によって、次の一手が違ってきます。

 

経営者がどんなにお金を投資しても、またどれだけ愛情を持って接しても、全ての人を自分に都合の良いように変えることはできません。

しかしながら、自分の実力を踏まえ、自分の考え方を変えることで、結果的に相手が変わり、自分の望むような結果を手に入れることは、余計なお金をかけなくてもできます。

 

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