知恵の和ノート

2025/12/16

士業に丸投げは危険?税理士・弁護士と「うまく付き合う経営者」の共通点(第615話)

カテゴリー :経営者

税理士や弁護士は判断の材料を示す存在であり、結論を決めるのは経営者。士業の立場を理解し、リスクを引き受ける覚悟が、信頼関係と会社を守る。

専門家対応で問われる経営者の覚悟とは

会社経営で必ず出てくる課題の一つが、「士業の先生とどう付き合うか」です。

税理士、弁護士、社労士・・・

顧問税理士のように毎月会社の数字をチェックしてもらっているケースもあれば、何か法律的な問題が起こった時にスポット的に弁護士の先生に相談するケースもあります。

 

税理士の先生からすると、「顧問先の会社に税務調査が入った際、指摘を受けて追徴課税されない」ことが最優先事項になります。

このため、「この支払を経費として落としたい」と経営者が思っても、「これは経費にはなりません」と指摘されることがあります。

ただし、そのような指摘も、人によって、かなり幅があります。ガチガチの先生もおられれば、「まぁ、これくらいはいいでしょ」と緩めに見てくれる人もおられます。

 

そこで、大事になってくるのが、「経営者の意思をハッキリさせる」こと。言い換えれば、「会社として、どこまでリスクを取るのかを決めるのは経営者である」ということです。

 

脱税に関するニュースが時々新聞等に掲載されていますが、脱税には

  • 意図した脱税
  • 意図しない脱税

があります。

 

意図した脱税は、いわゆる所得隠しなど悪質なもので、これは論外です。

一方、意図しない脱税には

  1. 法律的にもOKと解釈したもの
  2. 法律を知らなかったことに起因するもの
  3. うっかりミスによるもの

があります。

 

法律を知らなかったり、うっかりミスによるものは、税理士など専門家の協力を得ながら、なくすよう努めなければなりません。

難しいのは、会社は法律的にもOKと解釈したもので、ニュース等では、よく「見解の相違」として表現されるもの。

世の中の動きが早くなる中、法律が現実に追いついてないないという事情があります。また、法律の解釈や運用を巡っては、まだ見解が定まっていないことも、たくさんあります。

その際、経営者は法律的なリスクと経済的リスクを総合的に考えて、「ウチはこうする」というのを決める必要があります。

 

私も以前クライアントさんが初めて税務調査を受ける際、ご依頼を受けて立ち会ったことがあります。

その際、ある交際費が経費として認められるかどうかが、焦点の一つになっていました。

顧問税理士の先生の見解は「半々かも?」でしたが、経営者は「この交際費はこれから始める新規事業のために必要なものである」という明確な意思を示され、そのための説明資料もきちんと準備されました。

その結果、焦点となっていた交際費に関しては、何の指摘もされませんでした。

 

税理士には税理士の立場があり、責任を負える範囲も限られています。経営者はそれを理解した上で、「ここで何かあっても、責任を負うのは自分であって、先生には一切迷惑を掛けない」と言い切れるかどうか。

経営者が相手の立場を分かった上で、最終的な責任を負う姿勢を見せることで、安心するのは、対象が社員であっても、士業の先生であっても同じです。


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