ミセルチカラの磨き方

2021/04/02

新年度の初めに区切りと連続性の折り合いを見直してみる

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

新年度の初めに区切りと連続性の折り合いを見直してみる

時々散歩で通る場所では、新たにバイパスを通す工事を行っています。先日もその場所を通ったところ、工事をやっていませんでした。

ただ、橋桁を二つ作る予定なのに、まだ一つしか完成していません。けれども、工事車両は見当たらず、以前はあった工事関係者が集まる簡易施設は既に撤去されていたのです。


「あれ、どうしたのかなぁ?」と思って、前を通り過ぎようとした際、一つの看板が目に入ってきました。

「令和3年4月1日から令和4年3月31日までバイパス工事を行う予定です」

これを見てふと思い浮かんだのが、「もしかしたら、予算の関係かも」ということです。


いわゆる公共工事なので、3月末で予算はいったん一区切りになります。引き続き同じ業者が工事を行うのか、別の業者が新たに工事を引き継ぐのかは分かりません。

しかしながら、年度をまたぐ長期工事であるがゆえに

3月末までに施設は一度撤去する
 ↓
4月以降に新たに施設を設置する

という流れになったのかと思います。


中長期的な取り組みの場合、「どこで途中の区切りをつけるか」というのは難しい問題です。

会社の場合は1年毎に決算があります。

3月決算の会社の場合、「この500万円は前期の経費なのか、今期の経費なのか」で、決算書の数字が違ってきます。また、仮に前期の経費であっても、「3月末までに支払うのか、4月になってから支払うのか」によって、資金繰りの数字が変わります。

決算の数字や予算の数字の場合は、「1年毎、半年毎、3ヵ月毎、1ヵ月毎」で区切りがあります。一方、資金繰りや業務の場合は、「連続性」が大事です。このため、この「区切りと連続性との折り合いをどうつけるか」がポイントになります。


先の工事の件で言えば、

  • 予算は今年3月末で区切りとなる
  • 工事は今年4月以降も続く

という中で、「3月末で簡易施設をいったん撤去する」という措置が取られた訳です。


この点、中長期的な観点からすると、資源の無駄使いがあるのが分かります。

簡易的な施設にせよ、設備を作ったり、壊したりするのは一定の手間と時間がかかります。もし、その撤去作業や設置作業も工事予算として計上されているのであれば、省こうと思えば省ける費用が含まれている可能性があります。


会社の決算でも、「期末の売上に計上するために3月末までに無理して売上を上げる」ことがあります。その結果、3月末の決算数字で、なんとか黒字を確保できたとしても、その反動で4月以降の売上が減ってしまうケースもあります。

また、資金繰りで見た場合でも、3月末までに無理して売上を上げるために

  • 大幅に値引きして売上を上げる
  • 本来前払いでもらう売上金を後払いにする

といったようなことをやっていると、目標の売上は達成できても、かえって資金繰りが苦しくなることもあります。


区切りがあるために、中長期的には

  • 資源の無駄使いになっている
  • 資金繰りを悪化させている

ことはないでしょか?

新年度が始まったこの時期、「区切りと連続性との折り合いをどうつけるか」を見直してみましょう。


なお、社員教育も「区切りと連続性との折り合いをどうつけるか」がポイントになります。

人は1日で大きく変わることもあれば、1年かけて徐々に成長していくこともあります。また、ある時まではほとんど変化がなくても、突然覚醒することもあります。

そこで、「蒔かぬ種は生えぬ」ということで、弊社では新しく「自己認識から始める人材育成『STOCKの美学』を始めました。

ご興味ある方はお気軽にお問い合わせいただければ、嬉しく思います。

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