ミセルチカラの磨き方

2021/11/05

資金繰り改善につなげるために、損益分岐点とは違う売上高を設定する

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

資金繰り改善につなげるために、損益分岐点とは違う売上高を設定する

いくらの売上を目指せば良いかを考える際よく使われるのが

損益分岐点=利益が±0になる売上高

です。

しかしながら、「利益=目に見えない」ために、「計算上は理解できるけれど、今一つピンと来ない」という経営者もおられます。


そのような時に、私がよく使っているのが

当月のキャッシュフローが±0になる売上高

です。


資金繰り表では

月末残高=前月末の残高+当月の入金ー当月の出金

となります。


当月の出金には

・社員の給料や事務所の家賃といった固定費

・商品の原材料などの変動費

・銀行借入の返済額

・法人税や消費税のような税金

などがあります。

税金の金額など、一部正確に読みきれない数字もあります。ただ、納税の時期等を除けば、当月の出金の数字はおおよそ把握できます。

 

これに対して、当月の入金については

・新たに銀行融資などで資金調達する

・不動産や株式などのを資産を売却する

といったケースを除けば、通常は「売上高」が大半を占めます。

したがって、当月末の残高を増やすには「売上高をいかに増やすか」にかかっています。


仮に毎月1,000万円の出金があるとすれば、

毎月の売上高>1,000万円

なら、資金繰りはプラスになりますが

毎月の売上高<1,000万円

であれば、資金繰りはマイナスになります。


より正確に言えば、

毎月の売掛金の回収>1,000万円

なら、資金繰りはプラスで

毎月の売掛金の回収<1,000万円

であれば、資金繰りはマイナスです。


そして、この時にポイントとなるのが

  • 価格
  • 数量
  • 時間


つまり、

  • 価格:いくらの商品を
  • 数量:いくつ売って
  • 時間:いつ払ってもらうか

がポイントという訳です。


「決算書の見方が分からない」「資金繰り表の作り方を知らない」という社員はおられるかもしれません。

けれども、経理や財務の知識のない営業の社員であっても

  • 価格:いくらの商品を
  • 数量:いくつ売って
  • 時間:いつ払ってもらうか

に関しては、常に仕事で意識しているはずです。


そして、資金繰りに着目していれば、毎日預金残高という数字で結果が分かるので、「当月のキャッシュフローを+にするにはあといくら売上が足りないのか」がすぐに分かります。

そして、この場合、安易に値引きして目標とする売上高を達成しようとすると、短期的には資金繰りに寄与しても、中長期的には資金繰りを悪化させます。

したがって、

  • 今月の目標とする売上高を決める

と同時に、その売上高を達成するための

  • 販売する商品の価格・数量・時間を決める

ことが必要です。


利益は見えないだけにごまかしが利きますが、お金は一切ごまかしが利きません。そして、価格・数量・時間を組み合わせれば、例えば「1ヵ月後の支払いを今月中に支払ってもらえれば、10%引きで販売できます」といった交渉も可能になります。

ぜひ

当月のキャッシュフローが±0になる売上高

は、いくらになるかを把握した上で、必要な資金繰りを確保するために

  • 価格:いくらの商品を
  • 数量:いくつ売って
  • 時間:いつ払ってもらうか

をハッキリさせて戦略や戦術を立てましょう。

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