ミセルチカラの磨き方
資金繰り改善につなげるために、損益分岐点とは違う売上高を設定する
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
いくらの売上を目指せば良いかを考える際よく使われるのが
損益分岐点=利益が±0になる売上高
です。
しかしながら、「利益=目に見えない」ために、「計算上は理解できるけれど、今一つピンと来ない」という経営者もおられます。
そのような時に、私がよく使っているのが
当月のキャッシュフローが±0になる売上高
です。
資金繰り表では
月末残高=前月末の残高+当月の入金ー当月の出金
となります。
当月の出金には
・社員の給料や事務所の家賃といった固定費
・商品の原材料などの変動費
・銀行借入の返済額
・法人税や消費税のような税金
などがあります。
税金の金額など、一部正確に読みきれない数字もあります。ただ、納税の時期等を除けば、当月の出金の数字はおおよそ把握できます。
これに対して、当月の入金については
・新たに銀行融資などで資金調達する
・不動産や株式などのを資産を売却する
といったケースを除けば、通常は「売上高」が大半を占めます。
したがって、当月末の残高を増やすには「売上高をいかに増やすか」にかかっています。
仮に毎月1,000万円の出金があるとすれば、
毎月の売上高>1,000万円
なら、資金繰りはプラスになりますが
毎月の売上高<1,000万円
であれば、資金繰りはマイナスになります。
より正確に言えば、
毎月の売掛金の回収>1,000万円
なら、資金繰りはプラスで
毎月の売掛金の回収<1,000万円
であれば、資金繰りはマイナスです。
そして、この時にポイントとなるのが
- 価格
- 数量
- 時間
つまり、
- 価格:いくらの商品を
- 数量:いくつ売って
- 時間:いつ払ってもらうか
がポイントという訳です。
「決算書の見方が分からない」「資金繰り表の作り方を知らない」という社員はおられるかもしれません。
けれども、経理や財務の知識のない営業の社員であっても
- 価格:いくらの商品を
- 数量:いくつ売って
- 時間:いつ払ってもらうか
に関しては、常に仕事で意識しているはずです。
そして、資金繰りに着目していれば、毎日預金残高という数字で結果が分かるので、「当月のキャッシュフローを+にするにはあといくら売上が足りないのか」がすぐに分かります。
そして、この場合、安易に値引きして目標とする売上高を達成しようとすると、短期的には資金繰りに寄与しても、中長期的には資金繰りを悪化させます。
したがって、
- 今月の目標とする売上高を決める
と同時に、その売上高を達成するための
- 販売する商品の価格・数量・時間を決める
ことが必要です。
利益は見えないだけにごまかしが利きますが、お金は一切ごまかしが利きません。そして、価格・数量・時間を組み合わせれば、例えば「1ヵ月後の支払いを今月中に支払ってもらえれば、10%引きで販売できます」といった交渉も可能になります。
ぜひ
当月のキャッシュフローが±0になる売上高
は、いくらになるかを把握した上で、必要な資金繰りを確保するために
- 価格:いくらの商品を
- 数量:いくつ売って
- 時間:いつ払ってもらうか
をハッキリさせて戦略や戦術を立てましょう。
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