ミセルチカラの磨き方

2021/11/19

DXを成功に導くために必要な、お金で買えない3要素とは?

カテゴリー :ステージを上げる

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

DXを成功に導くために必要な、お金で買えない3要素とは?

いま流行りのDX

DXに取り組む際、ITやシステムに関する知見が必要になります。

しかしながら、仮にこれらの知見がなくても、その知識やノウハウを持った人を新たに採用したり、専門の会社に委託したりすることで補うことは可能です。言い換えれば、これらはお金があれば買える要素です。


DXのうち

D:デジタル

の部分はお金で解決するという方法があります。

しかしながら

X:トランスフォーメーション(変革)

の部分は、お金では買えない要素が多分に含まれています。


会社がDXを成功に導くためにお金で買えない要素として、次の3つがあると私は考えています。

  1. 経営者の危機感
  2. 経営者の覚悟
  3. 社員の共感


まずは経営者の危機感

コロナ禍をなんとか乗り切って、業績も回復傾向にあると、「今すぐにやらなくても、なんとかなるかも」とお考えであれば、わざわざ改革には着手しません。ここ2、3年は何とかなっても、10年後、20年後を見据えた時に、「今のやり方をこのまま続けていて本当に大丈夫なのか」という危機感が、変革の出発点です。


次に、経営者の覚悟

変革を行う際にはいろいろな抵抗があります。先日お話をお伺いした会社の場合、DXに向けた取り組みを始めたところ、社員の猛反発にあい、約半数が退職してしまったそうです。このように、経営者としては精神的にもつらい状況に直面する可能性もあるので、「何がなんでも最後までやり切る」という覚悟は絶対に欠かせません。


そして、社員の共感

改革を始めた当初はなかなか共感を得られないかもしれません。

けれども、改革を進めていく中で

・今までよりも仕事が楽になった

・休みがしっかり取れるようになった

・給料も以前より上がった

といった状況が生まれてくると、やがて一人、二人と共感する社員が必ず出てきます。

最初は少数派かもしれませんが、だんだんと共感の輪が広がってくると、改革は加速します。


順番からすると、「経営者の危機感→経営者の覚悟→社員の共感」。

特に覚悟の部分は始める前はあったとしても

・なかなか社員の共感が得られない

・業績が一時的に下がる

・当初の計画通りに進まない

といった事態に直面すると、途中で覚悟が揺らぐ恐れがあります。このため、「最初は小さく始める→小さな成功事例を横展開する」ことがお薦めです。


新しい商品が出ても、最初に購入するのはイノベーターと呼ばれる新しもの好きの少数派であるように、新しい取り組みを行っても、最初から賛同してくれる人はあくまで少数派。

そこは

小さくても実績を作る
 ↓
実績を体感してもらう
 ↓
変化に共感してもらう

という地味な流れを構築していく必要があります。


以前あるクライアント先で、今までにない企画を始めた時、役員会でも積極的な賛同は得られませんでした。けれども、経営者が中心となって頑張り、なんとか推進したところ、当日はお客様からも好評な企画となりました。

私もその企画を見学に行ったのですが、それまで、その企画に何かと文句を言っていたある役員の方が、当日は一番張り切っておられました(笑)。


人は誰しも変化することを本能的に嫌います。このため、「この変化は勝ち馬なのかどうか」を見極めようとする習性があります。そして、「この流れに乗った方が得だ!」と感じたら、一気に人が集まってきます。

そこまで、覚悟を持って変革を推進できるかどうか。

危機的状況に追い込まれてから腹をくくる人はたくさんおられます。けれども、その場合は通常の倍以上の負荷がかかり、精神的にも、肉体的にもかなりしんどいです。

変革するなら、少しでも余裕のあるうちが絶対にお薦めです。

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