ミセルチカラの磨き方
「本質を見る目」を旅で問われた—ウサギたちが語るもの
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。
連日の暑さはもう真夏ですね。
だからと言うわけでもないのですが、早めの夏休みのつもりで、先週末「乗り鉄の旅」を楽しみました。
広島方面の観光列車に乗ることが旅の目的。
「乗り鉄の旅」ですから、まさにほとんどの時間を電車に乗っています。「観光」にもそれほど時間を割かないのが常です。
でも今回は珍しく、「せとうち島たびクルーズ」という高速クルーザーで、瀬戸内の島々を巡る船旅がありました。
海から見る海上自衛隊の護衛艦や潜水艦の迫力を満喫しながら「大久野(おくの)島」という島に上陸。
この島、今ではウサギが700羽以上生息していることで人気の島です。
でも、ウサギの島の歴史を知ると…。
かつてこの島では、毒ガス製造がおこなわれていました。その製造工場は資料館として、今も島に残っています。
美しい瀬戸内の島のひとつで終戦までの約15年間に渡って秘密裏に製造されていたそう。
これだけでも驚きですが、「秘密裏」のために、この島は地図からも消されていたということには衝撃を受けました。
「瀬戸内にはたくさんの島があるから、ひとつぐらい地図になくても大丈夫」
船のガイドさんのこの言葉を聞いて、何て身勝手な都合の良い解釈なんだろうと何とも言えない気持ちになりました。
「そういう問題じゃないよねぇ」
「本質からズレてるよねぇ」
と言っているうちにだんだん腹が立ってきました。
私は日頃から
- 「解釈」によって考え方や捉え方が変わること
- 事実を元に、本質を見極めること
をお伝えしています。それが大事だと思っているからです。
だから、余計に心が駆り立てられるのか…。
こんなにもいびつな「解釈」で美しい瀬戸内のひとつの島を消し去ってしまった「事実」、戦争という「歴史の現実」を改めて突き付けられた気がします。
15年間で製造された毒ガスは、何千万人もの致死量にあたるそうですから、想像しただけで恐ろしいですし、その製造作業を担っていた人達への影響も考えたら、もっともっと恐ろしいことです。
戦後無人島になったこの島に近くの島の小学校で飼育していたウサギを生徒たちが島に放ったことがウサギの島のはじまりと船のガイドさんが教えてくれました。
ウサギにえさをやって触れ合えるとSNSで話題になったことで、「ウサギの島」として認知され人気に火がついたとのこと。
動物全般が苦手な私は、ウサギに会えるということに、まったくテンションも上がらなかったんですけれど、ここは「ウサギに会える島」で終わらせちゃいけない場所でした。
戦後80年の今年、この島を訪ねることができて良かったと思います。
そして改めて感じました。
見たいものだけを見て、勝手な解釈をしていないか?
物事の本質、自分の本質を見極められるということが生きていく上での大いなる力、「正解」なんだということを。
暑さを避けて木陰にいるウサギが人の気配を感じるや否や、突進してくるのには参りました。
「人はえさをくれる」ということを学習しているんですね。人慣れし過ぎているのもちょっと…。
では、今日も1日お元気で。
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