ミセルチカラの磨き方

2022/02/18

事業計画がすぐに陳腐化する時代に、経営者が知っておくべき思考様式とは?

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

事業計画がすぐに陳腐化する時代に、経営者が知っておくべき思考様式とは?
銀行などに提出する事業計画を作る際

参入する市場を特定する
 ↓
市場の規模や競合を分析する
 ↓
売上見込みなどの予測を立てる

といったステップで進めていきます。

そして、

5,000万円借入する
 ↓
原材料を仕入れる
 ↓
商品を販売する
 ↓
半年後から毎月100万円ずつ返済する

というシナリオを作って、銀行から融資のOKをもらう必要があります。

しかし、残念ながら

・融資が出たら原材料を仕入れる

・半年後から毎月100万円ずつ返済する

という部分は確定しても、肝心の

・商品を販売する

に関しては、

・自信のある商品なのに売れない

・競合他社が似たような商品を売り出した

・計画を立てる前より市場規模が小さくなった

といったことが起こります。

特に昨今はVUCAの時代と言われているように「変動性、不確実性、複雑性、曖昧」が溢れているので、予測を立てて、因果性を上手く説明できても
その通りにはいかないことがすごく増えています。

このように従来のような思考様式では思っていたような結果が得にくい場合、有効な考え方と言われているのが「エフェクチュエーション(Effectuation)」と呼ばれている思考様式です。

これは、エキスパートの起業家から発見された、極めて高い不確実性にコントロールによって対処する思考様式で、所与の手段から意味のある結果を生み出すことを目指しています。

5つの原理があると言われており、最初の2つが

  • 手中の鳥の原則
  • 許容可能な損失の原則

です。

手中の鳥の原則とは、言ってみれば、「手元にある手段で勝負する」ということ。

資金繰りに関連づけて言えば

本当はあと5,000万円あれば1億円の売上が見込めるのに、手元には1,000万円しかない
 ↓
手元にある1,000万円を有効に使って何ができるのかを考える

といった感じです。

そして、許容可能な損失の原則とは文字通り、「いくらまでの損失なら許容可能かを見定めた上で行動する」というもの。

資金繰りとの関連では

5,000万円を融資を受ける際に自宅を担保に入れる必要がある
 ↓
借入して、売上がゼロだった場合、返済できないので、最悪の場合、自宅をなくしてしまう恐れがある
 ↓
家族もいる中、それでは許容可能な損失の範囲を超えている
 ↓
自宅を担保に入れることが条件なら、5,000万円の融資は断念し、無担保で借入可能な1,000万円だけ借入する

といった考え方です。

不確実性が増している中では業績が上振れする可能性もありますが、大きく下振れするリスクもあります。

予測はたいてい外れるという前提の下

  • まずは手元にあるリソースでやれることを確実に実行する
  • 想定される損失が自分が許容な範囲内にあるかを確認しながら行動する

というのは、かなり納得性があります。

銀行融資や補助金の申請では、いまだに確実性の高い予測に基づいた事業計画を作ることが求められています。もちろん、ケースバイケースでこのような計画を作ることは必要です。

しかしながら、経営者として、現実の問題に柔軟に対応していくためには

  • 手元にある手段で勝負する
  • いくらまでの損失なら許容可能かを見定めた上で行動する

ことは欠かせません。

もしかすると、このようなことを申し上げると、「なんだか少し消極的なのでは?」と感じた方もおられるかもしれません。

けれども、エフェクチュエーションの本質は言葉の中にeffect(効果)が入っていることからも分かるように実効性の重視です。つまり、「5,000万円の融資のOKが出ないから何もできない」と捉えて行動を止めるのではなく、「手元の1,000万円の範囲内で、できることは何でもやる」と考えて、行動を止めないことがポイント。

このため、一見すると消極的であるように見えて、かなり積極的、主体的な思考様式です。そして、中小企業やベンチャー企業など、より積極的、主体的な行動が求められる組織においてはこれからますます大切になってくる考え方です。

なお、PR(広報)は、商品やサービスの本質的な価値を伝わる言葉にのせられたら、広告費などのお金をかけずに、自社の商品やサービスの売上アップにつながる方法になります。そして、自社では当たり前に思っていることの中に第三者から見ると、「それ、伝えていないのはすごくもったいない」と感じることが必ず見つかります。

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