ミセルチカラの磨き方
小学5年生の書いた論文から学んだ本質的に大切なこと
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。
「心意気」って、自分を動かす原動力ですけれど、実は子供の頃から変わっていないんですよね。
「それはほんとですよ」って証明できるもの、自分自身のお宝が見つかりました!
それは、今から47年前、小学校5年生の私が書いた論文です。
作文じゃなくて、「すぐれた詩とは…」っていう論文なんですよ。
たしか、国語の授業で、まどみちおさんの「ふんすい」(※)という詩を勉強した後、「すぐれた詩とはどういうものか」っていうことを自分で考えて論文にして出すっていう課題だったと思います。
私が書いたその論文、担任の先生が絶賛してくれてました。(臨時の家庭訪問まであったことを思い出しました。)
それで父がコピーを取っておいてくれたものが残っていたというわけです。
私は自分がどんなことを書いたのか覚えていませんでしたが、客観的にこれを読むと、素直に大事なことが書かれていることに驚きました!
今、セールスレターにしろ、LPにしろ、メルマガ、ブログにしろ、書き方のテクニックはたくさんあります。
でも、テクニックや方法に流れ過ぎたら、本質的に大切なことを忘れてしまうこともありますね。
私は自分で歌詞も書きますので、小5の私に改めて教えられたような気がします。コトノハ職人の原点がここにあるとも言えるかな…。
そこで、この論文の全文をシェアしたいと思います。
仮名遣いも原文のままなので、読みづらいところもありますが、ぜひお読みください!
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論文「すぐれた詩とは…」 中條 洋美
すぐれた詩とは、まず第一に、人の心を動かす、つまり感動させる物がすばらしく、すぐれた詩であろう。
たとえば、テレビなどの名場面を見て、ないたりするのは、やはり、心を動かされてなく。
だから、詩でも同じ事だ。一つの詩をよんで、じ~んとするのは、心が動かされて感動しているのだ。
だから“この詩はいい詩だな”と思うのは、心にひびくものがあるからだと思う。
詩をよんで、なにも感じない、悲しくもないし、おもしろくもない、というように、詩を読んでなにも感じないというのは、心にひびくものがないという事だ。
なにも感じない、又心にひびくものがない詩は、すぐれた詩ではなといえるだろう。
心に感じる物があるから、”すぐれた詩だ“と言えるのだと思う。
第二に、人に良い印象をあたえ、すなおに自然に書く事も、すぐれた詩には大切だと思う。
作者が考え作り出すことば、たとえば、この間勉強した“ふんすい”ののちるるのように自然に作りだされたような、さっぱりしたこの表現には好感がもてるが、これが、むりやりに考えだされたことばならば、さっぱりしたよさも、自然のよさもあじわえないと思う。
自然に考え、又自然に書かれたものならばよい印象をあたえ、いつまでも忘れないというような、したしみのある詩がいいと思う。
三番目に、人の気持ち、“ふんすい”でいえば、子供の気持ちになって書く事も大事だ。
最後の“空に カエルのせろや 足ぶみするるぞ”の所で、一番それがよくわかる。
ふんすいの上に、カエルをのせてみようなどという事は、大人の人には、できない事だ。
でも、子供は、いつおちるかわからないスリルをあじわってみたいと、詩を読んで思うのは、作者が子供の気持になって書いたから子供の心をひきつけるのであろう。
色々な人の気持をひきつけるのは、その人の気持になって書く事が大事である。
四番目に、拍子やリズムがあるという事も大切だ。
“ふんすい”でいえば、空になどということばをのぞけば、3・4・5・4というぐあいになっている。
ふんすいならふんすいの、リズミカルな動きを、3・4・5・4のリズムにあわせて、ふんすいの感じを出す事も重要であるが、二番目の所にくると、空からのように、調子をはずして、ちがった感じを出すような詩の構成という事も、すぐれた詩には重要ではないだろうか。
五番目に、ひとつのことば又は、表現を強調させ、そこに重点をおき、そこになにか、大切な意味をもたせる事も大事だ。
たとえば、“ふんすい”のカエルをひらがなでかえると書かなかったのか?
それは、作者が特にカエルの所を強調しカエルのじたばたするおもしろさを、特に強くカタカナで表わすようにしているのだ。
だから、ことばを、特に強調してあらわす事も大事だ。
六番目に、人の心を勇気ずけたり、希望をもたせたり、夢を持たせたるする事も大切であろう。
病気なので“もう死んでしまいたい!!”というような人に、楽しいゆかいな詩を書いてあげれば、心がやわらいで、心のささえになったり、心の暗い人には、希望をもたせたりする事もできる。
又、現実にない、空想の事などの詩は、夢をもたせたりする事も、すぐれた詩にはひつようであろう。
最後に、詩全体をとおして、とても大事な意味(主題)をもつ物。
“ふんすい”ならば、ふんすいのリズムのある動きと、ふんすいの美しさ、おもしろさ、形のかわる楽しさ、のぼったりおりたり、又はしゃいだり、生きているようなふんすいに感動し…というぐあいに、1回読んだだけではわからない、つっこんで、つっこんで勉強しなければわからにあ、大事な意味(主題)をもつ詩がすばらしい詩だと思う。
さて、すぐれた詩の最低条件を整理すると、
(1)人の心を動かすつまり感動させる。
(2)人に良い印象をあたえ素直に自然に書く。
(3)人物の気持になって書く。
(4)拍子やリズムがある。
(5)言葉や表現を強調させ重点をおく。
(6)人の心を勇気ずけ希望や夢をもたせる。
(7)詩全体を通して、とても大切な意味(主題)を持つもの
まとめてみると、以上のような事になる。
では、このようなすぐれた詩を書くには、自分はどうすればよいのだろうか?
まず、見たまま、思ったままを、素直に自然に書く。
それをやるには、なにを見るにしても、きれいな気持ちで、心の目で見る事。
次に、人の心を感動させるような詩を書く。
人物の気持を、真剣になって考え、それを拍子やリズムにうまくいかす事。
詩の構成も、うまく考える。
又、一つの意味を強調させて、おもしろさ、悲しさなどよくわかる詩にする事。
“自分がどうすればいいか?”という事は、今述べたが、これを自分自身がよく理解しなければならない。
又、それを実行し、今後の詩に、これをどういかすかが、問題である。
↑ ↑ ↑
(ここまで)
※(ご参照)「ふんすい」 まど みちお
空へ
のぼる のぼると いいながら のぼるる
空から
おちる おちると いいながら おちるる
空で
のぼる おちると いいながら のちるる
空に
カエル のせろや 足ぶみするるぞ
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