ミセルチカラの磨き方

2023/06/23

足元のストックを気にしつつ、未来に向けてフローを回してこその資金繰り

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

足元のストックを気にしつつ、未来に向けてフローを回す
一般的に

・銀行:ストックの商売

・証券会社:フローの商売

と言われています。


銀行は預金としてお金を預かり、それを元手に貸付金という資産で貸付金利息という利益を上げます。

一方、証券会社は主に株式売買手数料で利益を上げるので、株式を持ったまま寝かしているお客様よりも盛んに株式の売買を行うお客様の方が好まれます。

これはどっちが良いとか悪いとかではありません。銀行も今や手数料収入の増強に力を入れていますし、証券会社も顧客の預り資産残高を重視する傾向にあります。


資産をたくさん持っていると、なんとなく「安定している」イメージがあります。けれども、せっかくの資産もそれを有効活用できなければ、利益を生み出さず、宝の持ち腐れです。

また、フロー型の場合は「常に変動にさらされる」という印象があります。しかしながら、余計なものを持たずに身軽な分、いざという時にすばやく行動できます。


昔金融商品で利回りが10%以上ついた時は「資産が1億円あれば金利で暮らしていけるなぁ」と思ったことがありました。

しかし、今や1年物の大口定期預金の金利は0.1%にほど遠い水準(苦笑)。

みずほ銀行の大口定期預金の金利をホームページで調べると0.002%!

これだと1億円を1年間預けてももらえる利息は2,000円にしかなりません。このため、現在では、資産を預金として預けて金利だけで安定的に食べていける人はほとんどいません。


さて、会社経営を単純にキャッシュベースで考えると、「最初の資本金を元手にどれだけ資産を増やせたか」という運用であるという考え方があります。


1,000万円を仮に今の大口定期預金金利の100倍に相当する年率0.2%で10年間運用できたとすると、単利で計算すれば

1,000万円×0.2%×10年=200,000円

つまり、1,000万円が1,020万円に増えるということになります。

これを資本金1,000万円の会社として考えた場合、「1,000万円で始めた会社が10年経って、総資産1,020万円の会社になりました!」となる訳ですが、倒産するよりはましだけれど、面白くもなんともないという感じでしょうか。


このため、中小企業が成長していくためには「リスクを取って資産の回転率を上げる」ことがどうしても必要になります。

これをストックとフローに基づいて言えば、「フローを意識しながら、定期的にストックで確認する」ということを意味します。


資金繰りに関しては「日々のお金の出入りをきちんと把握しながら、3ヵ月先の月末預金残高を常にチェックする」という感じです。

資金繰りを英訳すると、キャッシュ・フローになりますが、キャッシュ・ストックではなく、フローになっているのはお金は循環させてこそ増えるから。

 

お金を減らさないことにこだわりすぎると、長期的にお金を増やすことにはつながりません。ストックかフローかの二者択一ではなく、ストックもフローもです。

先日も、あるクライアントさんに「許容可能な損失の範囲だったから、ここでお金を使って新しい手を打たないと売上も利益も増えませんよ」とお伝えしたところです。


もし、皆さんの会社が毎日頑張っているのに思ったほど成長できていないと感じているなら、もしかすると、「ストックとフローのバランスが悪い」のかもしれません。

・身軽に動いて回転率を上げる

・取れるリスクは積極的にとる

という点では中小企業は大企業よりも有利な立場にいます。

ストックとフローのバランスを取って会社をより着実に成長させましょう

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