ミセルチカラの磨き方
継続課金のサービスで解約手続が複雑なのは愚策
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
契約する時は簡単でも、解約する時は手続が面倒くさい。
継続して利用するサービスで、このようなご経験をされたことはあるでしょうか?
最近はスマホで簡単に申込みができたりします。
一方、解約する際にはインターネットではできずに一度事務局に電話しなければならないことがあります。
先日私が解約したサービスも、解約したい旨をメールで連絡したところ、「解約する際には以下の所に電話してください」と回答が来ました。
翌日
解約したい旨を電話で通知する
↓
オペレーターが出て、折り返し担当者から連絡するとの回答
↓
担当者から電話で連絡が来る
という手続を経て、ようやく解約することができました。
解約手続を複雑にする理由として「解約を思い止まってもらう」ということがあります。
手続が面倒だと「まぁ、金額も少ないし、いいか」と手続を途中で止める人も出てきます。また、解約する理由を確認することで、相手の不満を解消し、解約するのを止める効果があるかもしれません。
ただ、あくまで個人的な意見ですが、「解約手続を複雑にするメリットはデメリットに比べると小さい」です。
理由の一つは新たな不満を生む可能性があるからです。
継続的なサービスを途中で解約する理由はそれぞれ。
期待したほど良くなかったというケースもあれば、内容自体は良いけれど、価格が高いという場合もあります。また、利用者側の状況の変化によって優先順位が変わり、今は一旦サービスの利用を止めるという結論を出した場合もあります。
もし、サービスに不満があって解約する場合は解約手続が面倒くさいと余計に不満が募ります。一方、サービス自体にさほど不満はなく、また機会が来たら利用したいと思っている場合は解約手続が複雑だと最後に悪い印象が残ります。
弊社の場合、自社で必要なために利用しているサービスもあれば、
・自社ではそれほど必要ではない
・内容によってはクライアントさんに役立つかもしれない
というサービスについて、まずは自社で使い勝手を検証するために利用しているサービスもあります。
例えば、昨年末まで検証のために利用した資金繰り表作成ソフトはその一例。
その会社は前述の会社と違ってメールで連絡したら、すぐ解約手続できました。ソフトの内容も検証でき、申込も解約も簡単だったので、好印象だけが残っています。
マーケティングではすぐに売上を上げる方法として、「新規の取引先ではなく、過去に取引のあった先にアプローチする」方法が推奨されます。
これは新規開拓に比べて、取引のあったお客様は一定の信頼があることを前提とした方法です。
ただ、過去に取引があっても、何らかの不満があって取引を解消した場合は、アプローチしても売上には繋がりません。このため、あえて最後に不満を生むようなやり方は将来の取引復活への影響を考えても避けた方が良いです。
昨今はサブスクと呼ばれる継続課金のサービスが流行っています。
提供する側からすると、いかにして解約率を減らすかが安定的な収益の柱になるかの鍵になります。この点、解約手続をあえて複雑にするのは、その方針に則ったものと言えます。
しかしながら、解約率を減らす本質的な対策はサービスの内容をより充実させること。わざわざ専用のオペレーターまで雇って、解約の電話を受付ける意味合いは小さいのではないでしょうか。
ちなみに、前述の解約したサービス。
担当者から折り返しかかってきた電話で解約理由を質問されるかと思っていたら、それもなし。だったらウェブで完結する仕組みを作ったら、という思いをさらに強くしました。
なお、世間では「こうした方が良い」と言われている対策であっても、お客様の視点から見た場合、「そうしない方が良い」というものもあります。
特に提供する側にとっては便利でも、お客様にとって「それってどうなの?」と感じるやり方は自社では変えようという声がなかなか出ません。
新年度が間もなく始まるこの時期、「会社の仕事のやり方をいろいろと見直したい」とお考えであれば、お気軽にお問い合せいただければ、嬉しく思います。
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