ミセルチカラの磨き方
指示待ち社員が増える理由|「考えて仕事しろ」が逆効果になる本当の原因
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

新年度に入ると、新入社員が入る会社も多いかと思いますが、経営者の何気ない一言が誤って伝わると、人材育成にも影響を及ぼすことがあります。
たとえば、「考えて仕事しろ」。
経営者が社員に対して、時々使っているかもしれません。
けれども、「考えて仕事をしろ」という言葉が、知らず知らずのうちに、「考えない社員」を生んでいることがあります。
「考えて仕事をしろ」と経営者が社員に言う時、経営者の目には、社員が自分の頭で何も考えずに適当に仕事をやっていると映っています。しかしながら、当の社員は何も考えていないとは限りません。
指示した仕事をすぐに終わらせたけれど、間違いがたくさんあったり、内容が薄かったりすると、経営者は、ちゃんとやっていないと判断して、「もっと考えろ」と言ったとします。
でも、その社員は「仕事は早く終わらせたほうが良い」と「考えていた」かもしれません。
つまり、「考えて」といった際の対象や基準が経営者と社員とでは、違っている可能性がある訳です。
経営者は優先順位を考えて仕事をして欲しいと思っています。
けれども、その優先順位は
- 売上高なのか、利益なのか
- 緊急度が高いのか、低いのか
- やりやすいのか、難しいのか
- 会社の強みを活かせるのか、活かせないのか
によって、大きく変わってきます。
そして、経営者が「考えて仕事をしろ」と頻繁に指示する会社に限って、優先順位の認識が社員によって違うことが多いです。
先日もある営業会議で、案件毎の進捗状況を確認する際、
- 経営者:確実に受注につながる案件の優先順位が高い
- 社員:会社の強みを活かせる案件の優先順位が高い
という認識が違っていたことがありました。
社員も自分なりに考えて回答したのに、「お前は考えていない」と指摘されると、自分が非難されたと受け取ります。すると、自己防衛本能が働いて、「それなら、最初からもっと具体的に指示してください」となります。
そして、このようなやり取りが何回か続くと、自分の頭で考えるよりも、「上からの指示を待っていた方が楽だ」と考えるようになり、指示待ち社員が生まれます。
もし、このような状況を避けたいなら、
- 社員は何も考えていないという先入観を捨てる
- どのように考えて、この仕事をしたのかを聞く
- 仮にその考え方がトンチンカンなものであっても、すぐに否定しない
- 考えるべき項目を提示する
- すぐに答えを教えるのではなく、考えさせる
- 会社が求める基準が浸透するまで、粘り強くやり続ける
といった実践が欠かせません。
もし、新入社員に「考えて仕事をしろ」と言いたくなったら、社員が考えて仕事をするための土台が会社にあるかどうかを振り返る。そのことでやるべきことが見えてきます。
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