ミセルチカラの磨き方

2025/06/20

社員が動かないのは「厳しい言葉」を避けているから─経営者が学ぶべき伝え方の技術

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

社員が動かないのは「嫌われるのが怖い」から?

ある日、私のもとに「有効期限切れ確認のお知らせ」というメールが届きました。

タイトルを見た瞬間、「えっ、期限が切れたのか?」と軽くパニック。慌てて内容を確認すると、「もうすぐ有効期限が切れるので、早めの手続きをお願いします」というものでした。まだ期限切れではない。でも、その言葉のインパクトに、私はすぐさま更新手続きを済ませたのです。

 

実は、その前に別の会社から「サービス継続のお知らせ」というメールも届いていました。けれど、その時は「まだ期限も先だし、そのうちやろう」と放置していたんです。

同じ「注意喚起」という目的のメールでも、伝え方が違うだけで、受け手の行動はまったく変わる

これ、実は経営にも通じる深い示唆があると思いませんか?

 

社員に何かを伝えるとき、あなたはどんな口調で話していますか?

穏やかに、やさしく、丁寧に。

 

それはもちろん大切なことです。けれど、伝えたいことが相手に伝わらず、行動が変わらないのであれば、それは「やさしさ」ではなく「自己満足」かもしれません。

一方で、「これ、今すぐやらないとまずいよ」「このままだと会社が傾く」そんな厳しい言葉で伝えることは、どうしても避けられがちです。

 

「嫌われたくないから」

「空気が悪くなるから」

「パワハラと思われたらどうしよう」

その気持ち、よくわかります。私も何度となくそう感じてきました。でも今、ハッキリ言えることがあります。

経営者が「嫌われる勇気」を持てない会社は、いつか社員からも会社からも見放される。

 

「有効期限切れ確認のお知らせ」は、厳しい言い方でした。でも、そのおかげで私は行動を起こしました。つまり、「目的=相手を動かす」ことが達成されたのです。

同じように、経営者のあなたが社員に何かを伝えるとき、ゴールは好かれることではありません。

社員が、自ら動くこと。会社のためになる行動をとってくれること。そのためには、「どう伝えるか」は極めて重要です。

 

よく「怒らなくても会社は回るのが理想」と言われます。それはその通りです。

でも、「怒る必要があるときに怒れない」「厳しいことを言うべき場面で逃げる」、これは経営者として最も避けるべき姿勢です。

 

社員は見ています。本気で言っているのか。自分の評判を気にしてごまかしているのか。

すぐには伝わらなくても、本気の言葉は、必ず誰かの心を動かします

やさしさとは、聞こえのいい言葉を選ぶことではありません。本当に相手の成長と未来を願うからこそ、時に厳しい言葉を選べること。

 

伝え方ひとつで、社員の行動は変わる。厳しさは、時に最高の思いやりになります

今、社員が思うように動かないと感じているのなら、それはあなたが言うべきことを遠慮しているからかもしれません。

経営者であるあなたが、言葉の力を正しく使えば、会社はきっともっと前に進めます。

 

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