ミセルチカラの磨き方
「あの社員は使えない」はOJTを見直すシグナル
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
社員教育の手法としてよく使われるOJT(On the Job Training)。
職場内訓練として、仕事をしながら仕事を覚えてもらう訳ですが、実際にはトレーニングになっていないケースも少なくありません。
トレーニングであれば
・教える人(トレーナー)
・訓練する目的
・訓練する内容
が要るはずですが、「会社の先輩がその仕事をやる目的も言わずに、自分が過去に教わったやり方を口頭で伝えて終わり」ということもあります。
この場合、教える人の力量や教える内容によっては「入社後しばらく経っても使えない社員が生まれる」恐れがあります。
また、簡単なマニュアルを渡して、「読んで分からないことがあったら質問してね」と言っても、人によっては
・何を質問してよいかが分からない
・質問することが苦手
という人もいます。
そして、OJTが上手く機能していない会社でよく出てくる言葉が「今度入った彼(彼女)は使えない」です。
先日も同じようなご相談があったので、以下のような観点から質問させていただきました。
- やったか、やっていないかが分かるか
- やらない理由は分かるか
- やるための対策は分かるか
1.やったか、やっていないかが分かるか
例えば、「お辞儀をする時には丁寧にしよう」と教えている場合。
「丁寧に」の基準が違うので、本人は丁寧にやっているつもりでも、他者からは「それでは丁寧ではない」と指摘されることがあります。
その際、「お辞儀をする際は角度30度で頭を下げる」という教えていれば、やったか、やっていないかはすぐに判明します。
2.やらない理由は分かるか
丁寧に教えてもなかなかその通りできない人はいます。
やらない理由として、よくあるのは次の3つです。
・やり方が分からない
・やる時間がない
・やる気が起きない
3.やるための対策は分かるか
原因が特定できれば、対策は立てられます。
・やり方が分からない→やり方を教える
・やる時間がない→優先順位を決める
なお、やる気が起きないというケースでは
・やる目的を伝えているか
・やる目的を(相手が)理解できているか
・やる目的を(相手が)納得しているか
というようにさらに掘り下げます。
「今度入った彼(彼女)は使えない」という社員が出てきたら、OJTを見直しするチャンス。今度入った社員が使えないとしたら、次に入ってくる社員も使えない可能性があります。
人に原因を求めても、人手不足が続く中ではまた同じことが起こります。
使えない社員が出てきたら、採用のプロセスも含めて会社としてやれることがたくさんある証拠です。
なお、「利益の見える化」「仕事の見える化」「人の見える化」から構成される座組みの中で、OJTは「「人の見える化」ではなく、「仕事の見える化」に含まれます。
新年度が始まって約3ヵ月。
もし、「4月に入った社員はどうもいま一つだ」と感じておられたら、その人そのものより「OJTのやり方で何か改善できることはないか」に着目した方がより早く問題解決につながります。
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