ミセルチカラの磨き方
熊本発の問題はけっして他人事ではない
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
熊本の路線バスや鉄道の5事業者が全国交通系ICカード決済を廃止する模様です。
私は普段電車やバスに乗る時に加えて、ちょっとした支払を行う際にも「Suica(スイカ)で」と交通系ICカードをよく使っています。
このため、「便利なのに、なぜ廃止するのかなぁ」と思いながらニュースを聞いていたら、理由はシステムの更新費用にあるとのこと。
全国交通系ICカードのシステムを継続した場合の費用:約12億1000万円。
クレジットカードなどのタッチ決済に対応する機器を新たに導入した場合の費用:約6億7000万円。
経営状況が厳しい中、この費用の差は大きく、全国交通系ICカード決済を廃止し、クレジットカード決済に対応する機器を導入する方向で話が進んでいるそうです。
このニュースは熊本県のことなので、直接的な影響があるのは同県内に住んでいる人です。
しかしながら、構造的な問題として捉えると
システムの更新費用の負担が大きい
↓
システムの更新を断念して別のシステムを導入する
ことは他の都道府県でも今後起こりうる可能性があります。
交通系ICカードからクレジットカードへの切り替えであれば、一時的に不便を感じる人がいても、それほど大きな影響はないかもしれません。
けれども、
厳しい業績が続く中で、システム更新の費用負担が大きい
↓
これまで使っていた便利なシステムが使えなくなる
問題として捉えれば、各企業や各家庭においても、起こりうる可能性があります。
実は現在私の住んでいる地域でも似たような問題が発生しています。
10年に1回ぐらいの頻度で大規模修繕を行うのですが、管理費の値上げの問題が浮上しています。
今回始まっている修繕費用は過去に積み上げてきた予算の範囲内でなんとか収まりそうです。しかしながら、今後原材料費や人件費が上がっていく中、現在の管理費では将来の修繕費用を賄えなくなる恐れがあります。
とはいえ、住んでいる地域でも高齢化が進んでおり、年金が主な収入である世帯も少なくありません。このため、値上げは必要であると頭では理解できても、実際に管理費を上げる際にはいろいろと反発が予想されます。
もし、管理費の値上げで合意が取れないと、修繕費用を抑えるしか方法がありません。
これはシステムの話ではありませんが、仕組みをアップデートするという点ではシステムの更新も住居の維持管理も同じです。
景気には上げもあれば下げもあります。一方、高齢化や人口減少は大きなトレンドとして日本が直面している問題です。
大きなトレンドを踏まえつつ、好景気をできるだけ続けていくには、私たち自身が安易に人任せにしないで問題と真剣に向き合うことがポイント。
地方の交通機関で起こっている問題はけっして他人事ではありません。
- いま使っているシステムはそのまま使えるのか
- 現行の予算の範囲内でシステムの更新や新しいシステムへの切り替えに対応できるのか
- 予算的に厳しい場合、どのような不便さや不都合が発生するのか
を10年、20年単位で考えて早めに手を打ちましょう。
なお、会社の持続的な成長を目指す「座組み」で目指すのは、「仕組みあっての人」ではなく「人あっての仕組み」です。
「座組み」は3つのステップに分かれています。
- 利益の見える化
- 仕事の見える化
- 人の見える化
それぞれのステップについて5つ、合計15の質問をしていきます。
ぜひ、チェックをしながらご覧ください。
ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。
上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。