ミセルチカラの磨き方
電卓をたたくだけなら、やらない戦略をあえて選択する
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「電卓をたたいただけなら 家業なんて継いでいないです」
家業の後継者を支援されている経営者の方からお聞きした言葉です。
その方は農業や町工場など、どちらと言えば地味な仕事をやっておられる会社の後継者を主にサポートされています。
どこでもよく見かける業種のため、M&Aの査定のように、「この事業は儲かるのか?」「将来性はあるのか?」と損得勘定だけで計算してしまうと、その事業を続けることは割に合わないケースも多い模様です。
それでも、ご自身の家業を継いで頑張っておられる後継者が冒頭のような力強いフレーズを発せられた旨、教えていただきました。
ファミリービジネスの場合
A:経済合理的に見て正しい戦略
B:経済合理的に見ると疑問が残る戦略
があった場合、ご本人がAを選択したいと思っても先代社長や創業者が「やっぱりBも捨てがたい」と一言もらすと、経済合理的に正しい戦略を取れないという面倒くささがあります。
一方で、社員側からすると、「どうしてAをやらないのだろう?」と不満が残り、時には優秀な社員が辞めてしまう恐れもあります。
このため、後継者は「合理的な経営戦略と情緒的な経営判断をどのように組み合わせて最適な解を見つけるか」というかなり難しい問題に直面します。
弊社のクライアントさんもオーナー経営の会社が多いのですが、二代目や三代目の経営者は皆さんいろいろとご苦労されています。
これに対して我々から解決方法としてご提案しているのは、三段構えの戦略です。
三段構えとは
- 理念の自立
- 社長の自立
- 社員の自立
です。
- 理念の自立:会社の経営理念(ビジョン、ミッション、バリュー)を再定義し、社長を含めた全社員が守るべき判断基準をハッキリさせる
- 社長の自立:特定の社員に依存せず、人が代わっても仕事で一定の品質を保てる仕掛けを作る
- 社員の自立:社員が経営理念に沿って自主的に行動できるようにする
理想の状態は3ですが、現実問題として一足飛びに社員の自立を達成するのは難しいです。
このようにひと手間、ふた手間かけて改善に取り組むのは「電卓をたたいただけならやらない」ステップかもしれません。
しかしながら、ほとんどの人が
- すぐに効果が出ないからやらない
- 面倒くさいからやらない
- 目先の売上が大事だからやらない
と考えるからこそ、取り組む価値はあるのではないでしょうか。
「革新ビジネスアワード2020」にもエントリーした新しい人材育成プログラム
のオンライン相談会を本格的に始めました。
この「考トレ」はOJTや既存の社員研修では社員の成長を実感できなかった方にお伝えしたいコンテンツで、先の三段構えの戦略から言えば、1の理念の自立を経て「社長の相談相手となる人を社内で本格的に育成したい」と考えておられる会社にマッチする内容です。
人材育成は短期的には経済合理性がないかもしれません。けれども、ここで手を抜いていると、中長期的に見れば、大きなしっぺ返しに遭います。
年内は事前相談を無料で開催していますので、お気軽にお申し込みいただければ幸いです。
★「考トレ」の概要&オンライン相談会へのお申し込みは「こちら」をクリックしてご覧ください。
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