ミセルチカラの磨き方
心で響き合う言葉を選びたい—内言と外言のあいだにあるもの
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。

ちょっと寒さを感じるようになると、温かいものを食べたくなりますね。シチューとかおでんとかお鍋とか…。
真夏はなるべくガス台の前で調理しないメニューを考えていましたけれど、そういう意味ではいい季節です。
今週火曜日の「知恵の和ノート」で「音声を伴う外言と音声を伴わない内言を比べてみると、人間の脳は外言よりも内言の方により反応する」ということをお伝えしていました。
これはとってもおもしろい現象だと思います。
声には出していないけれど、自分の心の中で語る声というのは誰にでもあります。自分の感情と向き合うときや、思考を整理して考え抜くときには自然に使っているはずです。
声に出さなくても、書くことで言葉を使っている場合もあるでしょうから、「内言」というのは、自分の感情や思考に密接に結びついているのものだと思います。
実際に声に出して語る言葉は、自分一人で完結するというよりは、他者との関わりの中で使っているもの。一番の違いは「相手の反応がある」ということです。
そうなると、いつでも「内言=外言」とは限らない。つまり、「口ではそう言っているけれど、心では別のことを思っている」という場合もあるわけです。
そして、人間の脳が内言に反応しやすいとするなら、心の中の思いや意図が相手に伝わるとも考えられるわけです。「それは相手に伝わるのか?」ということが気になります。
ただ、相手の声に出されていない言葉が、急に自分の脳に飛んでくるわけではないですよね。それは、何か別の不思議な力が使えるみたいなことになりそうですから。
でも、私は「声に出していない心の声」は伝わると思います。
声に出す言葉だけではなくて、そのときの声のトーンや表情、目線や身体の動き、それに伴う行動。言葉以外の多くの要素をプラスして、感じることができるからです。
さらに、どういうシチュエーションで発する言葉なのか、相手が普段どういう人なのかという情報も加味すると、「口に出した言葉」と「心の中の思い」が一致していないことは直感的に感じることができます。
実は先週、まさに「心の中の思いが透けて見える」ことがありました。
「この人は、この問題に何も感じていないんだな」
「この人は、この問題に対して興味がないんだな」
「この人は、この問題を何とか大ごとにしないようにしているな」
「この人は、この問題から自分の身を守ることしか考えてないな」
どんな問題が起こったかの詳細は別にして、声に出す「言葉そのもの」は、見えない心の声によって「言い方」に現れます。「言葉選び」も間違いますし、「伝え方」も間違います。そして、「行動」もちぐはぐなものになります。
「この人」の心の中を正確に見抜けるわけではありませんが、結果として、「誠意の無さ」だけが残ることになったわけです。
「口ではそう言っているけれど、心では別のことを思っている」ということはゼロではありません。「本音と建て前」というものです。
相手への配慮や場の空気を考えて使い分けることで、人間関係を円滑に進めるという目的があります。
これが「良いか悪いか」ということではなく、相手に違和感を抱かせたり、信頼を損なわせたりしないことが大事。
「何を言うか」より、「どんな心で言うか」。
その一言が、良くも悪くも人を動かす力になります。
だからこそ、心で響き合う言葉を選びたいです…コトノハ職人としては。
それでは今日も1日お元気で。
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社員の言葉の奥にある心の声が顧客の信頼を左右します。小さな問題が起きた時も原因を深掘りして、誠意ある対応のベースを築きましょう。
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