ミセルチカラの磨き方
社員への不満は飛躍のチャンス|経営者が変われば社員も変わる
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
「社員が思ったように働いてくれない」
そのような時、相手である社員を変えようとしても、なかなか変わるものではありません。特に、今まではあまりうるさく言ってこなかったのに、会社の状況が変わって、
「この資料は毎月5日までに出して」
「事務作業だけでなく、売上につながる仕事もやって」
といったように行動変容を促しても、「ハイ、喜んで!」とはならないのが普通です。
経営者からすれば、「きちんと給料分は働いてほしい」と考えますが、社員からすれば、「そんなことは無理です」とか、「そんなに高いお給料はもらっていません」となりがちです。
もちろん、給料を上げることで解決できることもあります。しかしながら、たとえ給料を上げたとしても、仕事振りがあまり変わらないことも多いです。
このため、私の方では日頃からクライアントさんには、たとえ社員が変わっても仕事が回る仕組みを作りましょうと申し上げています。
とは言え、そのような仕組みを作るには一定の時間がかかります。そこで、即効性のある方法としてアドバイスしているのは
相手を変えるのではなく、自分を変える
です。
つまり、経営者が社員を変えようとするのではなく、自らを変えることで、結果的に社員の行動変容を促すというやり方です。
- 自分の感情を変える
- 自分の思考を変える
- 自分の行動を変える
自分の感情を変える
例えば、「社員が新しいことに挑戦しない」という不満があったとします。
このような場合、経営者は「なぜ、社員は挑戦しようとしないのだ」とイラつきます。つまり、感情が動く訳ですが、感情が動いて怒りたくなるのを我慢する必要はありません。
アンガーマネジメントではありませんが、一旦イラついたとしても、それを表面に出すかどうかは別問題です。
そもそも人は本能的に安定を求めます。新しいことに挑戦することは不安が伴いますし、挑戦することで新たな負荷もかかります。このため、「挑戦しない」「変わろうとしない」ことは、人としてはある意味当然のことです。
怒りや憤りを感じても、「(社員は)人間だもの」と捉えることで、その感情をいつまでも引きずらないようにすることはできます。
自分の思考を変える
ある会社で「Aさんにこれをやってもらったら、どうですか」と提案したら、経営者からは「彼には無理だ」という回答が返ってきました。
「これ」に該当する仕事はそれほど複雑な仕事ではなかったので、私がサポートする形でAさんにやってもらったところ、少し時間と手間はかかりましたが、最終的にはAさんに「これ」を任せることができました。
社員であっても、経営者はその一面しか見ていません。そして、自分の依頼した仕事が期待したレベルに達していないと、「彼(彼女)に頼むのは難しい」と考えてしまいます。つまり、相手を「できない」と決めつけるのです。
しかしながら、会社における仕事は、努力すれば一定のレベルはクリアできるものが大半。「できない」と思って対応するか、「できる」と思って対応するかで、結果は大きく違ってきます。
自分の行動を変える
「社員は新しいことに挑戦しない」とか「彼(彼女)には無理」と日頃から口にする人に限って、ご自身も
・新しいことになかなか挑戦しようとしない
・アドバイスしても「自分は無理です」と答える
ことが少なくありません。
つまり、その経営者と社員は実は似た者同士という訳です。
この点、難しいのが、ご本人にその自覚がないこと。本人が自覚していないのに、「あなたも新しいことに挑戦していませんよね」と指摘しても、「そんなことはない」と反発されるだけです。
したがって、どのように伝えるかはたいへん難しいのですが、一番効果があるのは、社員に不満を抱く経営者自身が気づいて行動を変えることです。
社員に対する不満は飛躍のチャンス
実は感情との関係で言えば、
社員が新しいことに挑戦しない
→挑戦しない自分の姿を投影している
→自分の嫌な側面を見せられている
→イラつきを感じる
という側面があります。
このため、もし、社員にイラついたり、不満を感じたりすることがあったら、
「自分にもそういう側面はないだろうか?」
と自分で自分に問うてみましょう。
社員は自分の姿を映す鏡であると分かれば、感情に振り回されることも減り、考え方も自然と変わります。
もちろん、経営者が自ら行動等を変えたからといって、社員がすぐに変わることは限りません。しかしながら、経営者の影響は本人が考えているよりも大きいです。
社員に不満を感じたら、それは経営者が自らを変え、会社をさらに飛躍させるためのきっかけとなります。
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