ミセルチカラの磨き方
残業キャンセル界隈に見る共感の落とし穴
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。
猛暑日続きの今年の夏、一番口にしたのは「暑い」という言葉だったんじゃないでしょうか。
話す言葉にしても、書く言葉にしても、言葉にはニュアンスや温度感というものがあると思っています。
伝えるときにはとても大事なことですし、特に「美しい日本語」好きのコトノハ職人としては、その言葉の使い方も気になるところです。
最近、「何でそういう使い方?」と思っていたのが「〇〇界隈」という言葉。
「その地域辺り」という意味で使っていた言葉ですから、界隈の前には地名を付けて使っていたものです。「浅草界隈」とか「銀座界隈」とか。
主にZ世代で使われる最近の「界隈」は、似たような価値観を持っているとか、同じことに共感できるとか、ゆるいつながりの集まりを言うそう。
言葉の使い方は、時代の変化と共に変わるものではあるし、SNSを利用している今の世の中、そういう表現が生まれるのも分かるけど、さすがに驚くものもあります…。
仕事が残っていても定時になったら帰る人を「残業キャンセル界隈」と言うらしい。
そもそも「キャンセル界隈」は「◯◯をやりたくない」「◯◯を回避したい」ということだとしても、働き方改革で残業を減らすのとはわけが違います。
仕事を考えるなら、その「残業キャンセル界隈」で終わっていない仕事を誰かがやらなければいけない事態が発生するはず。もしかしたら、お客様に迷惑がかかることだってあるかもしれない。
「そういうことは考えないんだろうか?」と思うと同時に「界隈」の中で共感してもらうことの危うさも感じてしまいます。それを自分の価値観で生きているなんて思っていたら、大きな勘違いです。
かつて日本人は「自己主張」が苦手と言われたものです。
だから、「残業したくない」と自分の意見を言うことは悪くないとしても「自己主張」と「我を通す」ことは違います。「相手に自分の意思や思考を理解してもらうために伝える」という大事な要素を無くしたら、それはただの「わがまま」というもの。
- わがままとの違いも分からない。
- 「極端」になり過ぎていることにも気づかない。
- 分からないまま、気づかないまま「自分の価値観」にしてしまう。
それって、自分で自分をしんどい状態にしちゃっています。
自分の価値観は、唯一無二の特別なもの。「界隈」で片付けられるようなものではないんです。
これはZ世代に限ったことではないようにも思いますけれど、声を大にして言いたいです。
「自分の価値観、そんな雑な扱いしないでよ!」って。
自分の価値観をもっと丁寧に扱いましょう。
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そうそう、いくらなんでもこの「界隈」はないと思ったものがありました。
「風呂キャンセル界隈」
疲労や面倒くささで入浴をやめる人のことだそうです。さすがにこれは…いただけない。
それでは、今日も1日お元気で。
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