ミセルチカラの磨き方
90歳の母が教えてくれた想いを届ける力
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。
10月に入りました。
日中は半袖でも過ごせますから、10月の「衣替え」なんてとんでもないかんじですね。
9月の末日、私の母が元気に「卒寿」を迎えました。
思い返せば84歳の誕生日は病院のICUでした。
鼻からの栄養だけでは長く生きられないと言われた母が90歳。どら焼きをおいしそ~にモグモグしている姿には感慨もひとしおです。
母が暮らす部屋は90歳を祝って贈られたたくさんの花でいっぱいで、まるで芸能人の楽屋のようになっています。
母の誕生日をこんなにも祝ってくださる人がいることに感謝の気持ちでいっぱいになります。
お花を贈ってくださった人達に、母がお礼を言いたいと言います。
私は花と一緒に写真を撮ってお礼のメッセージをお送りしようと思っていましたが、母はあくまでも「言う」にこだわりました。つまり、写真ではなく動画にすると言うのです。
発語が不自由な母が自らそう言ったことに、まず驚かされました。
90歳を祝ってくれる人たちに、「ありがとう」を伝えたい一心です。
その時点で私はすでに感動していたのですが、いよいよ撮影となってその姿にまた感動させられました。
それぞれの人が贈ってくれた花を動く方の左手で抱え、「〇〇ちゃん、ありがとう」「〇〇さん、ありがとう」と、失敗しながら、言葉に詰まりながら、泣きながら、一生懸命に伝えていました。
こういう母の姿を見るたびに、「伝えること」の本質を思い知らされます。
ビジネスにおいて「お客様の心を動かす」ということは常に問われますし考えます。
そのために、「何をどうするか」を頭であれこれ考えるためのテクニックやノウハウに頼りがちです。雛形を求め、モデルを探し、新しいやり方を学ぶ…この繰り返し。今なら、AIにその答えを求めることにもなるでしょう。
もちろん「誰に何をどのように伝えるか」はマーケティングのセオリーです。
言葉選びも見せ方も、心に届くように工夫を重ねます。でも、それはあくまでも手段でしかありません。
まずは「これを伝えたい」という想いが自分に無ければ意味がない。
「想い」がベースにあるからこそ、「手段」を活かすことができます。
しかし、「手段」で何とかしようとすればするほど、上手くできないことを恥ずかしいと思ったり、成果や結果が出ないことにこだわったりすることになります。
この「想い」は自分自身の心意気に直結するものだと繰り返しお伝えしていますが、「想い」なんて甘ったるいと軽視する人もいます。「想い」はあるのに伝えることを忘れる人もいます。
でも、「想い」というものは、ビジネスを支えるベース。提供する価値にも、ミッションやビジョンにも反映されるものです。
それを軽視したり忘れるなんてことがありますか?
「想い」は、どんなテクニックやノウハウにもかなわない。もっと言うなら「無敵」なんです。
母はちゃんと喋れないことをもどかしく思ってはいても、それでも「ありがとう」を伝えたかったわけです。それも、「この人に伝えたい」という「想い」です。
母の「ありがとう」動画を受け取った人たちが、どれだけ幸せな気持ちになったかを想像してみてください。母の「想い」がしっかり伝わっていたのは言うまでもありません。
頭で考えた感謝ではなく、心が吸収したものをそのまま伝えたからこそ相手にも伝わる。
「伝える」ことの本質を、またまた思い知らされた母の誕生日でした。
人が90年生きるってすごいことだと思います。
今日も1日お元気で。
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お客様に精一杯の気持ちを込めて伝えたいことって何ですか?
素直に喜びを伝えてもらうと、受け取る側は誰だってうれしいもの。それと同じように、伝える側になった時、どれだけ精いっぱい伝えているでしょうか?
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