ミセルチカラの磨き方

2026/02/20

評価制度を整えても組織が動かない理由|経営者が最初に問うべき「会社の意思」

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

「社員が動かない」のは評価制度のせいか?

組織が機能しない本当の原因は、「会社の意思」が曖昧なまま制度だけを設計してしまうことにあります。

経営者が明確にすべきなのは、評価制度の仕組みではなく、「この会社は何のために存在し、どこへ向かうのか」という意思です。

本記事では、評価制度より先に整えるべき組織設計の順番を構造的に整理します。

 

会社の組織を「会社の意思に沿って動く人の集まり」と定義すると、組織に関する問題は

  1. 会社の意思はあるか
  2. 会社の意思を伝えているか
  3. 会社の意思が伝わっているか
  4. 会社の意思が実行されているのか

のいずれかに該当します。

 

中小企業の場合、オーナー経営者の影響力が大きいので、「会社の意思=社長の意思」であることは多いです。しかしながら、たとえオーナー経営者であっても、

  • 会社としてこうありたい
  • 会社はこうなって欲しい

という想いはあるかと思います。

 

では、その意思を経営者がちゃんと伝えているかという点について言えば、どうでしょうか。

「ウチは売上100億円を目指す」と社員には伝えていても、

  • なぜ、100億円なのか?
  • 100億円になったら会社はどうなるのか?

について、必ずしも伝えているとは限りません。

 

このような場合、会社の意思が伝わっているとは言えません。

その結果、経営者が「ウチは売上100億円を目指す」という意思を持っていても、会社の意思として伝わらず、「笛吹けども踊らず」の状況になっているケースもあります。

 

理想は

  1. 目的:何のためにこの会社はあるのか→会社の意思がある
  2. 目標:目的を実現するために会社は何を目指すのか→会社の意思を伝えている
  3. 戦略・戦術:目標を実現するために、どういう方向性で、どんな手順でやるのか→会社の意識が伝わっている
  4. 仕事:今日は誰が、何を、どうするのか→会社の意思が実行されている

状況です。

このように各項目が明確になった際に、初めて社員の仕事を正しく評価することができます。

 

会社の組織を何とかしたいというご相談があった際、よく質問されるのは

「どのような評価制度を導入すれば、組織は良くなるのか?」

です。

その際、逆に経営者に質問するのは

「どういう会社にしたいですか?」

です。

 

評価制度を整えれば、組織は良くなると考えている経営者が少なくありません。

もちろん、人は評価されなければ、動きませんし、評価制度を見直すことで、会社の業績が良くなることもあります。

しかし、どのような評価制度を作るにせよ、

  • 会社の意思は曖昧
  • 会社の意思は伝えていない
  • 会社の意思は伝わっていない

状況であれば、

会社の意思に沿って動く人がいない→会社の意思が実行されないまま、評価制度だけが一人歩きする

結果となります。

 

保険会社で巨額の不正が発覚しましたが、その要因の一つは営業重視の人事評価制度にあったと言われています。

「営業成績の良い人ほど多額の給料をもらう」という人事評価制度自体は悪いとは言えません。自ら創意工夫を重ねることで、給料アップを実現できるという仕組みは、ある意味フェアなやり方です。

一方、負の側面としては、営業成績が悪いと、給料が下がるので、生活が苦しくなる社員が出てくること。これは不正を産む温床になります。

 

評価制度を導入すると、必ず評価される人と評価されない人が生まれます。この場合、評価されない人が自然に退職する流れが出来ていれば、まだ良いのですが、実際には評価されない社員が会社に在籍し続けることで、会社の業績の足を引っ張るケースが出てきます。

今回の保険会社のケースも、結果的には会社が多額の損失を被ることになりました。

 

つまり、評価制度は基準を決めて人を選別することになるので

  • 評価されない人が必ず出てくる
  • 評価されない人が会社に在籍する場合、会社に悪影響を及ぼすこともある

という点まで、頭に入れた上で設計する必要があります。

 

会社の組織を上手く機能させたいなら、きちんと段階を踏んだ方が上手くいきます。

「評価制度の中に会社の意思を織り込んでいる」とおっしゃる経営者もおられます。ただ、それだと、社員は自分の仕事はどのように評価されるのかにしか興味がないので、本来会社として「こうありたい」という意思が上手く伝わらない恐れもあります。

組織は1日にしてならず。「会社の意思に沿って動く人の集まり」をつくりたいなら、手抜きは禁物です。


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