ミセルチカラの磨き方

2026/08/20

新しいものを生み出すために必要な「問いの順番」

カテゴリー :お客様目線

心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。

「誰が買うの?」は、まだ早い

自然現象に振り回された後には、またまた厳しい暑さが戻ってきました。体調を崩しやすいので、お気を付けください。

 

事業を続けていれば、何か新しい商品を考えるとき、新しいサービスを考えるときが必ずあると思います。

「こういうのはどうですか?」

「こういうのはおもしろくないですか?」

「こんなことできそうじゃないですか?」

と誰かが言った瞬間、こんな場面に遭遇したことはありませんか?

「で、誰が買うの?」

「採算取れるの?」

「そんなの実現できる?」

 

新しい商品やサービスを事業にするのであれば、全部、正しい「問い」です。

でも、「これはどう?」と言っている側と「誰が買うの?」と言っている側に大きな違いがあることにお気づきでしょうか?

 

見ている「景色」が違います

誰かが「これ、おもしろくない?」と言っているとき、その人にとっては、まだ可能性の景色を見ている時間です。

そこへ「誰が買うの?」を入れると、いきなり評価・実現性の景色へ移されてしまいます。

 

「ターゲットは?」

「誰がお金払うの?」

「市場規模は?」

「既存商品との差別化は?」

「採算取れるの?」

というのは、全部、事業としては必要なのですが、それは次の景色です。

 

「正しいことを言ってるのに、なにがダメなの?」と思われるかもしれませんが、正しいからこそ厄介なんです。

「誰が買うの?」に答えられないことに対して問いを投げかけるには、それ相応の根拠があると思います。

でも、まだ生まれたばかりの、「なんかこれ、おもしろそう」に対して完成品と同じ問いをぶつけたら、育つ前に消えてしまうと思いませんか?

 

しかも「誰が買うの?」と言った本人は「潰した」なんて思わない。

「現実的な指摘をしただけ」

「事業なんだから当然」

「そこまで考えて提案してよ」

となるのではありませんか?

するとアイディアを出す側は学習します。

「思いつきの段階では言わない方がいい」

 

以前、ある企業でこんな研修をしたことがあります。

「お金がかかるから無理」

「実現できない」

「会社では通らない」

という制約を全部取っ払って、「ただ面白い」商品を考えてもらいました。すると、奇想天外なものが次々と出てきたんです。

 

これは、アイディアを出すための方法でも、「自由な発想を大切にしましょう」ということでもありません。可能性の景色を一緒に見るということです。

そして、「同じ景色を見る」「みんなの景色を揃える」中で、こんな問いが口々に出てきました。

「へえ、どこがおもしろいと思った?」

「それって、こんなこともできる?」

「それが実現したらどうなる?」

「なんでこれ思いついたの?」

 

新しいものを生み出すために必要なのは、正しい問いを持たないことではありません。その問いを出す「順番」を間違えないことです。

なぜ「順番」が大事かというなら、景色には「段階」があるから。

  • 発見する景色
  • 広げる景色
  • 形にする景色
  • 成立するか検証する景色
  • 届ける景色

 

Aさんは「おもしろい」を見ている。

Bさんは「採算」を見ている。

Cさんは「上司が認めるか」を見ている。

Dさんは「実現可能性」を見ている。

 

誰かが正しくて、誰かが間違っているということではありません。あえて言うなら、みんな正しい。

でも、それぞれが違う景色の正論を持ち込むとことで、かみ合わなくなります。

「相手が今見ている景色を一緒に見る」が必要なのは、優しくするためでも、共感してもらうためでもありません。まだ存在していないものを、一緒に生み出すためにも必要だということです。

 

「誰が買うの?」は大切な問いです。でも、「これ、おもしろくない?」のすぐ後じゃなくてもいいんです。

答えを急げば、早く次へ進むことはできます。でも、その早さと引き換えに、まだ見えていないものが見えなくなることもあります。

あなたも、その人が今見つけた景色に、一緒に入ってみてください。そして、そこで一緒に景色を広げてみてください。

 

それでは、今日も1日お元気で。

 

★関連する記事は「発想を自由に飛ばすためには考える道筋を作る」
発想を自由に飛ばすためには考える道筋を作る
発想を飛ばす際は、先に理想とする状態を具体的な言葉にし、そこから逆算して具体的な項目を考える。

メールマガジンのご登録

ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。

上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。

最新の記事