ミセルチカラの磨き方

2026/02/27

評価とは経営者の欲望である|中小企業の人事評価制度に現れる「本音」が組織の未来を決める

カテゴリー :マネジメント

ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。

なぜ評価制度を変えると優秀な社員が辞めるのか?

先週、「評価制度を整えても組織は動かない」旨の記事を書きました。

経営者がまず明確にすべきなのは、評価制度の仕組みではなく、「この会社は何のために存在し、どこへ向かうのか」という意思であるという主旨です。

 

これを評価という観点から、言い換えると、

評価とは経営者の意思表示である

です。

 

経営者がどういう社員を高く評価するかは経営者の自由です。

  • 自分の指示した通りに動く
  • 自分の手足となって働く
  • 自分の苦手分野を補ってくれる
  • 自分のことをいつも持ち上げてくれる(笑)

ただし、これらは、あくまで自分基準の評価です。

 

少人数で経営しているオーナー企業の場合には、このような自分基準の評価でも上手くいく場合があります。

しかしながら、社員が増え、部長や課長など管理職となる社員もいるようになると、経営者個人の基準による評価から、会社基準の評価に切り替えていくことが求められます。

 

会社基準の評価となる際、やはり経営者の意思が反映されます。

事業承継で社長が交代し、二代目社長になった途端、社内で混乱が起こり、退職者が増えるのも、先代社長と後継社長では、意思が異なることが原因の一つです。
 

残念ながら、「こういう評価なら会社は必ず上手くいく」というものはありません。また、同じ会社であっても、時代の推移と共に、「どういう社員を高く評価するか」は変わってきます。

昭和の時代は、会社の言われた通りの仕事を黙々とこなすことで、社員は一定の評価を得ることができました。けれども、昨今は「考えて仕事をしない」「創造力を働かせて仕事をしない」社員は評価されづらくなっています。

あるクライアントさんでも、評価基準が変わったこともあり、今までは優秀な社員として認められていた人が、もっと頑張って欲しい人として社内で認識されています。
 

評価は絶対的なものではないことを踏まえつつ、経営者は評価を通して、会社をより良い方向に導いていかなければなりません。

その際、どのような評価であっても、必ず確認したいのが

  1. 評価基準は共有されているか
  2. 評価基準は共感されているか
  3. 評価基準は共鳴されているか

です。

 

評価基準は共有されているか


大手企業では評価制度が変わると「新しい人事評価制度について」といった文書を人事部が作って、社内で共有されます。しかし、中小企業では、そもそも人事部がなかったり、社長が人事評価を決めていたりします。

したがって、経営者の頭の中には評価基準があっても、社内で共有されていないことも多いです。

 

また、「目標を達成したら賞与をプラス10万円」という基準はあっても、

  • なぜ、その目標を達成したいのか?
  • その目標を達成することで、会社はどうなるのか?
  • プラス100万円でなくて、プラス10万円になる理由は?

といったことまで共有されているとは限りません。

すると、経営者としてインセンティブを与えることで、社員にも頑張って欲しいと思って基準を設定したのに、社員の中には「10万円ぐらいなら、そこまで頑張らなくてもいいや」と考えて、経営者の思いが伝わらないこともあるのです。


評価基準は共感されているか

 

次に、評価基準を共有できたとしても、それに社員が共感できるどうかは別問題です。

私が銀行に勤めている時も、在職中に人事評価制度が大きく変わったことがありました。もっともらしい理由はいろいろと言われていましたが、評価制度を変える本当の狙いは人件費の削減であることを多くの行員は見抜いていました。

つまり、表面上どんなに制度を取り繕っても、経営者の意思は見抜かれます。そして、昨今はどの会社も人材が不足しているので、「きれいごとを言っているけど、本当は人件費を抑えたいだけでしょ」という評価制度だと、共感を得られず、優秀な社員ほど会社を去っていきます。

そこで、この問題を解決するために、社員が自ら「こうやって評価してほしい」と評価制度を導入している会社もあります。これも、詳細を別にして、「自分が決めたことなら、自分でも納得がいくでしょう」という経営者の意思が表れています。


評価基準は共鳴されているか

 

最後に評価基準の共鳴。

高級ホテルなどの接客で、「やはり社員の質が高いなぁ」と感じたご経験のある方もいらっしゃるかと思います。

会社の評価基準に共感する社員が増え、それに沿って働く社員が育っていくと、その良さは社内から社外へと広がっていきます。すると、お客様の心にも響くので、口コミ等で評判が評判を呼ぶという好循環が生まれます。

なかなか難しいのは事実。しかしながら、社員数が少ない中小企業こそ、やろうと思えばできることです。


結果を変えたいなら

 

「会社の意思に沿って動く人の集まり」をつくりたいなら、手抜きは禁物。そして、丹精込めて育てた植物が春になると綺麗な花を咲かせるように、手を掛けた分だけ人は育ちます。

本当に社員の成長を願っている評価なのか。会社の業績を伸ばして、優秀な経営者として褒められたい評価制度なのか。

考え方が変わると行動が変わり、行動が変わると結果が変わるのは、人も会社も同じ。経営者の意思はご本人が思っている以上に社員に伝わっています。


評価を整える前に、まずは経営者としての「評価の意思」を整えることから始まります。その覚悟と向き合う準備がある方とだけ、私はご一緒したいと思っています。
    ↓   ↓   ↓
社長専任の社外チーム

 

★関連する記事は
 ↓  ↓  ↓
評価制度を整えても組織が動かない理由

評価制度を整えても組織が動かない理由

会社の組織を上手く機能させたいなら、きちんと段階を踏んだ方が上手くいきます。組織は1日にしてならず。「会社の意思に沿って動く人の集まり」をつくりたいなら、手抜きは禁物です。

メールマガジンのご登録

ヒーズでは、弊社の日頃の活動内容や基本的な考え方をご理解いただくために、専門コラム「知恵の和ノート」を毎週1回更新しており、その内容等を無料メールマガジンとして、お届けしています。

上記のフォームにご登録いただければ、最新発行分より弊社のメールマガジンをお送りさせていただきます。お気軽にご登録いただければ幸いです。

最新の記事