ミセルチカラの磨き方
「最初の5分」が勝負を決める理由 ベルリンフィルとビジネスに共通する「構造」
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。

よく「芸術の秋」と言いますね。
気候も良くて過ごしやすいからだと思いますけれど、今年は短かったと言うか…夏も秋も冬もごちゃ混ぜだったかんじです。
「最初の5分が勝負」
これは今年6月にベルリンフィルの指揮台に立たれた山田和樹さんの言葉です。
ベルリンフィルと言えば、カラヤンが率いた超名門オーケストラ。これまでに小澤征爾さん、佐渡裕さんが指揮をされていますが、日本人指揮者としては14年ぶりだそうです。
「最初の5分」とは、初めてのリハーサルでの「冒頭5分」のこと。
公演のオファーは1年半前にあっても、実際の公演リハーサルは2回。最初のリハーサル冒頭5分で、その公演の成否が決まるとも。
その「5分」に何があるのか?
指揮者が目指したい音楽の方向性を音で示せるかどうかということです。
世界屈指のオーケストラの楽団員は、全員がソリストとして演奏できるレベルの集団。その人たちに、音を出した最初の5分で「???」と感じさせてしまっては、取り返しがつかない事態になるということです。
この指揮者が目指す音楽を共に奏でたいと一瞬で感じ取ってもらうためには、何よりも指揮者自身がその方向性を「音」ではっきり見せられなければいけません。
指揮者がつくりあげたい音楽の方向性を共有して、そこで生まれる世界に共感して、奏でられた音がひとつの音楽として共鳴する。だからこそ「最初の5分が勝負」と言い切れるわけです。
お気づきでしょうか?これってビジネスも同じです。もっと言うなら、「構造」として同じということです。
自分の中にしっかりとした方向性を持っていなければ、他人に伝えることなんてできません。社員にも伝わらないし、お客様にも伝わらない。
例えば、商談の場ではどうでしょうか?
自分のできること、やりたいことだけを並べ立てたり、自分の目指す理想だけを熱く言うことが「方向性を示す」と思っていないでしょうか?
指揮者が楽団員と共に目指したい「音」を奏でるように、お客様にとって目指したい「未来」を見せることができるか。最初に感じてもらえなければ、次にはつながらないということです。
「共有→共感→共鳴」の話は、幾度となくお伝えしていますが、それはやっぱり大事なことだから。
情報にしろ、想いにしろ、共有するだけではそれで終わり。共有したことに共感して初めて、次の行動につながっていきます。そして、社員に対してもお客様に対しても、ずっと伝え続ける、やり続けることで、ビジネスが広がっていく。これが共鳴です。
ビジネスは「最初の5分」で、「共有→共感→共鳴」のプロセス全部を満たすわけではありません。
でも、商品であってもサービスであっても、それを扱う人や会社の姿勢は伝わります。
「???」は感じられるという意味です。「最初の5分」だけ上手く乗り切れたらいいというものではありませんから。
指揮者の山田和樹さんはこんな言葉も。
「まず楽員に知っていてもらわないといけない」
一般的にオーケストラの客演指揮者を選ぶのは、事務局だそうです。でも、ベルリンフィルに限っては、楽員みずからが選ぶというシステム。これはとっても珍しいことだそうです。だからまず、知られていなければ選ばれないということ。
そして「選ばれる理由」が見えていないと、選ばれないということです。
これもまた、ビジネスと同じだと思います。方向性を示すにしても、選ばれる理由にしても、自分自身の内側にある構造を整えることでしか伝えられない。これは確信です。
あなたは「最初の5分」に、何を見せられますか?
あなたの「最初の5分」には、どんな構造が映っていますか?
「勝負の行方」はあなただけの構造が握っています。
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それでは、今日も1日お元気で。
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