ミセルチカラの磨き方
現状維持は衰退の始まり|経営者が直視すべき「理想と現実のギャップ」
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
問題を理想と現実のギャップと考えた場合、現実の把握が正確か・不正確か、理想が高いか・低いかで分類すると、問題解決に向けた状況は次の4つに分類されます。
- 現実の把握は正確&理想は高い:行動促進
- 現実の把握は正確&理想は低い:現状維持
- 現実の把握は不正確&理想は高い:現実逃避
- 現実の把握は不正確&理想は低い:暗中無策
現実の把握は正確&理想は高い
あるクライアントさんは最近開発された商品を年内に完売する目標を設定されました。理想としてはかなり高いのですが、現在の状況も正確に掴んでおられ、その目標達成に向けて、アイデアが次から次へと浮かんでくる状態です。
このような状態の場合、こちらが何かしらアドバイスをしても、「それだったら、こうしたら面白いかもしれませんね」といった回答がすぐに返ってきます。
やはり、目指したいのは「現実の把握は正確&理想は高い」。特に何がなんでも実現したい理想がハッキリと定まった時、人は自然と行動が加速します。
現実の把握は正確&理想は低い
一方、現実の把握は正確にできていても、理想が低い場合は、どうしても行動が止まりがちになります。
人は本能的に変化を避けます。いまの現状に満足していなくても、理想とするものがなかったり、仮にあっても、その理想が曖昧だったりすると、「面倒なことをやるぐらいなら、まぁ、今のままでも良いか」となりがちです。
このようなケースでは、「このまま何もしないと、今の状態を維持できない」ことを想像してもらう必要があります。
ビジネスの世界においては、自社が何もしなくても、競合他社がその間にいろいろな施策を実行することで、相対的に自社の売上や利益が減ります。
理想が低くても、もっと悪い現実、見たくない現実がイメージできたら、結果的に、理想と現実とのギャップが大きくなるので、行動を促すきっかけとなります。
現状の把握は不正確&理想は高い
経営者とお話ししていて、よくあるのは「こんな社員が欲しい」というご要望。
「営業ができて、事務処理能力も高く、他の社員とも協調性があって・・・」
確かに、そんな理想的な社員が新たに入ってくれたら、経営者も大助かりです。
しかしながら、そのような社員がすぐに採用できるかと言えば、現実的には難しいと言わざるを得ません。
このため、会社としては、前述のような理想的な社員はすぐに採用できないという前提の上で、「売上を2割増やすために、具体的はどういう手を打つのか?」を真剣に考えなければなりません。
この点、自社だけでなく、自社を取り巻く経営環境も踏まえて現実を把握しておかないと、「こうなったら良いよね」という高い理想ばかりが頭に浮かんで、思考停止になる恐れがあるので気をつけましょう。
現実の把握は不正確&理想は低い
これは暗中模索というよりは、暗中無策という状況。言ってみれば、「何をどうしたら良いのかが分からない」感じです。
このようになってしまうと、忙しく動き回る割には、何も成果が出ない状況になるので、第三者と一緒に、一度冷静になって頭を整理することがお勧め。
一生懸命に頑張っていれば、そのうち何とかなるという発想は危険です。
なぜなら、
- 頑張る方向性が間違っている
- 頑張るやり方が間違っている
- 頑張る量の認識が間違っている
ことがどうしても起こるから。
自社にとって、正しい方向性とやり方を見つけよう
正しい方向性と正しいやり方は、正確な問題の把握から生まれ、その正確な問題の把握は、現状に対する認識と理想の組み合わせによってできます。
- 見たくない現実とどれだけ真正面から向き合えるか。
- また、心の底から実現したいという理想が見つけられるか。
これらは他社の成功事例を単純に真似するだけでは、絶対にできません。けれども、自社にとって解決すべき問題が正しく把握できたら、あとは粛々と行動するだけになります。
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