ミセルチカラの磨き方
必要なのは「言葉にすること」ではなく「芯のある言葉」
心意気を形にするコトノハ職人、岩井洋美です。

今シーズンの冬は、ものすごく寒いですね。少なくとも去年より寒いと思いませんか?
暑いより寒い方がいいと言う人は、「寒ければいっぱい着ればいいじゃない」って言いますけれど、私はやっぱり寒いのは苦手です。
苦手ということで言うなら、「言語化が苦手」という方も多いですね。
私は「言語化」できなかったら仕事になりませんけれど、最近よく「言語化」という言葉を耳にします。
先日は、美術館で開催されている人気のワークショップを知りました。
美術館ですから、何かアートに関するものだとイメージしがちですが、これは「言語化」のワークショップでした。
美術館にある抽象画を見て回った後、それぞれの絵について「自分がどう感じたか」を言葉にして参加者同士で伝え合うというもの。
抽象画ですから、何が描いてあるかは見た人の感性によるところが大きいわけです。作者にとっての正解があったとしても、「それを見てどう感じたか」は人それぞれ。
ワークショップの参加者は、「難しかった」と同時に「いかに言語化をしていないか」ということを実感されていました。
これは、なかなかに難しいだろうと想像できます。
そのとても曖昧な感覚を言葉にして他人に伝えるためには、想像力も必要ですし、分かりやすい言葉で伝えることも必要です。理論的に話すことを整理することも出来た方がいいと思います。
言語化の上手い下手は関係なく、言葉にして伝えることでそこに生まれる空気感や新しい気づきというものもありますから、「言語化」することの魅力を再発見できそうです。
一方で、言語化によって「人の自律性を損なう」ということもあるようです。
ビジネスを続けていく上で、ビジョンやミッション、パーパス、スローガン等、言い方はいろいろありますが、目的や目標を「言語化する」会社も多いはずです。本来は言葉として掲げて共有することで、気持ちを同じにするとか、何ごとかを達成するとか、そういうことに威力を発揮するはずです。
せっかく言語化したとしても、それがあまりにも「綺麗な言葉」ではその力を発揮できないということが起こります。
なぜなら、あまりに美化された正しい言葉が前面に出るほど、同じ方向に向かって行く人たちの心は逆に冷めていくことが少なくありません。
「世界を驚かせる〇〇を」 「誰も見たことのない〇〇な社会に」
こういうきれいで立派なメッセージは、耳心地はとても良いものです。でも、「なんか良さそうだけれど曖昧なもの」で語られるのは、「世界を驚かせる〇〇でなければならない」という「べき論」のメッセージにもなりかねません。
同じ目的を持っている人の「こうしたい」「こうなりたい」というモチベーションの元になるものと紐付けできていないまま、言語化されたものだけが独り歩きするかんじでしょうか。
だから、言語化したとしてもいつの間にか忘れてしまったり、誰も口にもしなくなるということが起こるわけです。お飾りの言語化された言葉では、当然のことながら「人の自律性」を促進するものにはならないということです。
「言語化」と言ってしまうのは簡単ですけれど、その人自身の感情や思考や、その会社に息づいているものが言葉の芯になって初めて「言語化」できるんです。
「言語化ブーム」は良いことだと思います。でも、ただ言葉にすればいいってもんじゃない!
芯の無い言葉をいくら重ねても、人の心は動かないし、行動が変わるなんてこともありませんから。
しっかり取り組まなければいけないのは、「言葉にする」ではなく、「芯のある言葉する」ということです。
それでは、今日も1日お元気で。
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