ミセルチカラの磨き方
情報格差に頼らず稼ぐ!中小企業が今すぐ実践できる「新たな収益源」5つの視点
ヒーズ株式会社の岩井徹朗です。
はじめに
かつて情報は特定の人だけのものであり、それを知っている人がビジネスで優位に立てる時代がありました。銀行や不動産管理会社のように、「情報の仲介役」として機能することで成立していたビジネスモデルです。
しかし今、IT技術の進化によりその前提が崩れつつあります。情報の透明性が高まり、もはや「情報の差」だけでは競争優位になりません。
本記事では、情報格差に依存しない新たな収益源を見つけるために必要な視点と、すぐに実践できる5つのポイントを、クライアントさんの事例を交えてご紹介します。
1. 「仲介」ではなく「価値創出」にフォーカスせよ
銀行は預金者と融資先、不動産管理会社は貸主と借主。このように「仲介による利益モデル」は、かつては情報の非対称性に支えられていました。
しかし今や、クラウドファンディングや賃貸サイトの普及により、個人が情報を得て直接取引する手段を手に入れました。いわゆる「右から左へ流すだけ」のビジネスは、徐々に淘汰される時代に突入しています。
今後のカギは、「情報を橋渡しする」だけでなく、「どんな新しい価値を創り出せるか」です。
2. 見落とされがちな「裏側の顧客」に注目する
多くの企業は、「目立つ顧客=お金を出してくれる側」にばかり意識が向きがちです。銀行でいえば融資先、不動産でいえば物件のオーナー。しかし、もう一方の「借り手・使い手」にこそ、成長のタネが埋もれていることもあります。
あるオーナー系不動産会社では、入居者向けに地域密着型イベントを年1回開催。退去やクレームのときだけでなく、「何かあれば気軽に相談できる」関係性づくりに力を入れた結果、入居者の定着率が向上。空室率の改善にもつながりました。
→ 表に出にくい裏側の顧客にこそ、長期的な価値が眠っています。
3. 情報格差が縮まった今、「感情格差」に目を向ける
「情報」はGoogle検索で誰でも手に入るようになりました。しかし「感情」や「気づき」には、今なお大きな個人差があります。
ある企業では、定期的に商品を購入してくれるお客様にインタビューを実施。「なぜ他社ではなくうちの商品を選んでくれるのか?」という感情のツボを掘り下げ、その内容をもとに、他社がやっていない施策に投資を集中。
→ 「選ばれている理由」を感情ベースで言語化することが、新たな価値づくりの起点になります。
4. 埋もれたニーズを掘り起こす「逆張り視点」を持つ
競合が注目していない領域にこそ、ブルーオーシャンはあります。
あるクライアントさんは「駅近が王道」という飲食業界の常識に逆張り。あえて「不便な立地」で飲食店を成功させるノウハウを構築し、そのノウハウを武器に、脱サラ希望者向けの店舗プロデュース事業を展開。現在は主力事業の一つとなっています。
→ 非効率な市場にも、逆張りの目線があれば金脈が眠っている可能性があります。
5. 「今は小さな収益」でも、未来の芽を育てる視点を持つ
短期的な利益だけで判断すると、将来の大きな機会を逃す恐れも。
装飾品関連を製造・販売するある企業では、定期的に小規模なリフォーム相談会を開催。リフォーム単体の利益は小さいものの、信頼関係を構築した顧客から、高額商品の相談が持ち込まれるようになり、年間の売上アップへとつながっています。
→ 小さな接点も、長期で見れば収益導線に育てられます。
潮目を読む経営が、次の10年を決める
テクノロジーの進化や市場構造の変化は、既存のビジネスモデルを次々と揺るがしています。だからこそ、時代の潮目をいち早く察知し、変化に先手で対応する企業こそが、次のステージの主役となるのです。
おわりに|「どこで稼ぐか」より、「どう価値を生むか」
もはや「情報の差」だけでは、競争優位になれません。これからは、「どこで稼ぐか」ではなく、「誰に、どんな体験・感情・価値を提供するか」が問われます。
自社の今の収益源を見直し、新たな柱を育てる視点を持ちましょう。潮目を読む力こそ、オーナー経営者にとって最大の武器です。
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