知恵の和ノート
人口減少に負けない会社の共通点:「場所」と「内容」を戦略的に見直す(第582話)
人口減少などの構造変化が加速する今こそ、企業は「変えるもの」と「変えないもの」を明確にして事業継続につなげよう。
首都圏を走る私鉄相模鉄道で新型車両を導入するというニュースがありました。その中で一つ気になったのが、10両ではなく8両編成を基本とするという点。
8両編成とした理由については「沿線の生産年齢人口の推計の推移を踏まえ、8両編成としました」とのこと。
今後の状況によっては、計画を見直す可能性もあるそうですが、新型車両で置き換えるが10両編成の電車であるため、実質的には輸送量の減少になる訳です。
実は最近導入された東武鉄道野田線の新型車両も5両編成であり、従来の6両編成からの減車となっています。
比較的人口の多い首都圏では、通勤通学ラッシュを解消するために、従来は車両の編成を長くするケースが大半でした。しかしながら、昨今の人口減少を受けて車両の編成を短くすることが出てきたことになります。
会社の成長という点から考えると、人口減少は少なからず業績に影響を与えます。特に鉄道など地域に根差した事業を展開する場合、地域の人口減少は売上減少に直結します。
車両の製造など設備投資に関することは、10年先、20年先のことまで頭に入れて投資する金額や内容を決めないと、過剰投資となって将来に対する負の資産になりかねません。
また、鉄道会社では今後鉄道事業での伸びがあまり期待できないために、不動産や小売など、鉄道部門以外での事業を伸ばすことに力を入れています。
つまり、人口減少という構造変化を背景に鉄道会社では、お金や人を投資する分野をいろいろと変えつつあります。
さて、事業継続という観点で言えば、「変えない」ものと「変える」ものを見極めることがポイントになります。
鉄道などインフラビジネスでは「場所」を変えることができません。このため、その「場所」で発生する様々なニーズに答える形で、取り組む事業の「内容」を変えるという選択を取っています。
一方、インターネットの普及によって、「場所」による制約がなくなったビジネスもたくさんあります。例えば、ホームページの作成などは地方にある会社が東京の会社に依頼することもできるし、逆に東京の会社が地方の会社から受注することもできます。
この場合は事業の「内容」は変えなくても、事業の対象となる「場所」を変えるケースと言えます。
変える要素はいろいろありますが、「場所」と「内容」という2つの軸を設定し
- 「場所」を変えない&「内容」を変える
- 「場所」を変える&「内容」は変えない
- 「場所」も「内容」も変える
という切り口から考えると、今は何を優先したら良いのかが見えてくるのではないでしょうか。
会社経営に正解はありません。しかしながら、人口減少や為替相場の変動など、一企業の力ではどうしようもできない流れに対しては、「会社として何を変え、何を変えないか」という軸を明確にすることで、変化への対応力が増します。
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