知恵の和ノート
「失敗が怖い」から卒業する経営判断術:許容損失を決めて一歩を踏み出す勇気(第593話)
綿密な事前調査だけでは成果は出ない。損失の許容範囲を決めて、素早く動き、行動量を増やせ。
人気のテレビ番組「孤独のグルメ」では、主人公がたまたま入ったお店で美味しい料理に遭遇するという設定。ただし、それはあくまで番組のストーリーとしてのお話。実際には料理が美味しいお店を予め調べて、そこで撮影する形です。
以前同番組で、実家の近所にあるとんかつ屋さんが出てきましたが、料理人はご本人でしたが、フロアを担当する人は女優さんが演じておられました。
さて、外食する際も、ぐるなびや食べログを予め調べることが今では一般的になっています。ぐるなびなどは実際にお店で食事されたお客様の声も掲載されており、「あの料理を食べてみたいなぁ」と思って、お店を選ぶ方も多いのではないでしょうか。
先日、ランチにぐるなびで評判の高かったお店に行ってきました。
お店の前に行くと、既に5名ほど行列待ちができていました。炎天下の中、15分ほど待って、いざ食事へ。しかしながら、期待したほどの味ではなく、「まぁ、1回食べたら良いか」という感じでした。
このように、比較的評価の高いお店でも、自分の好みに合うとは限りません。もうすぐ、土用の丑の日ですが、以前有名な鰻屋さんに行った際も、「美味しいけれども、わざわざ並んで食べるほどでもないかも」と感じたことがあります。
人は失敗を避けたいので、予め下調べをします。その段階で一定の絞り込みを行う訳ですが、そこをクリアしても、期待通りの結果を得られるかどうかは、実際に行動してみないと分かりません。
飲食店の場合は、安ければ1,000円以下、高くても数万円なので、仮に期待したほどではなくても、「次はないなぁ」で終わります。
しかしながら、会社で事業投資をする場合は、期待した通りの結果が得られないと、資金繰りにも影響して、「後がないぞ」となる恐れがあります。
このため、より慎重に調査することが多いのですが、現実問題として、いくら事前の調査を綿密に行っても、行動しないと分からないことが多いのは、飲食店に行って実際に食べてみないと分からないのと同じです。
そして、競合が多い中、事前の調査にばかり時間を取られていると、その間に他社が先行して行動した結果、早めに着手していれば得られた果実を逃してしまうこともあります。
それゆえ、事前の調査に加えて欠かせないのが、許容できる損失可能な範囲を予め設定しておくことです。
その場合、金額的な損失と、時間的な損失の二つを決めておくことがポイント。
「例」
- 金額:5,000千円までなら損失してもOK
- 時間:半年以内にファーストキャッシュを生み出せなければ撤退
金額的な損失の範囲は、当面の資金繰りに影響が出ないことが大切です。また、時間的な損失の範囲を予め決めておかないと、機会損失につながります。
人は一定のお金や時間を投資すると、その分をなんとか取り返したいと考えます。このため、やり始めてからではなく、やり始める前に「ここまではOKだけれど、ここを超えるとNG」と決めておくことで、最悪の状況を避けることができます。
行動なくして結果なし。そして、結果なくして次の行動なし。行動を止めないために「ここまで来たら今の行動を一旦止める」と決めておくことで、長期的には連続した行動に繋がります。
ちなみに、冒頭で言及したお店で使ったお金は1,000円。行列が長くて30分以上待つようであれば、並ぶのは止めようと決めていました。もう少し高い値段の料理もあったのですが、1,000円の料理で自分との相性が分かり、30分は待たずに入れたので、損失は許容可能な範囲でした(苦笑)。
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資金繰り的にみて許容可能な損失の範囲内なら、先に捨てることで、新たな果実を手にできる可能性が高まります。
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