知恵の和ノート
売上はあるのに組織が弱い会社は、経営者の決断が軽い(第626話)
決断が軽い会社は、やがて緩む。組織の強さは、経営者の覚悟の重さで決まる。

成功する経営者は決断するのが早いと言われます。しかしながら、その決断の早さだけに着目すると、墓穴を掘ります。
「それ、ちゃんと事前に相談してくださいよ」
クライアントさんとの打ち合わせの際、たまにこう言いたくなる時があります。
最終的に決断するのは経営者。このため、どのような決断を下すのもご本人の自由です。しかし、単に「やりたいからやる」だけでは上手くいきません。
決断する際に心掛けたいのは
- 数字を見る
- 前倒しする
- 率先垂範する
数字を見る
経営者が数字を見ていないケースも、いろいろです。
・決算書や試算表もまったく見ていない
・売上高は見ているが、粗利や営業利益を見ていない
・会社全体の売上や利益は見ているが、部門別の収益は見ていない
・部門別収益は見ているが、毎月の集客数やウェブサイトでの成約率は見ていない
何を、どこまで、チェックした方が良いかは会社によって違います。しかしながら、どのような会社であっても、会社経営のキーポイントになる数字はあります。
そのような数字を一切見ないで、長年の経験に基づく直感で即断即決するのは、かなり危険です。
特に昨今のように物価や人件費が毎月上がっている状況では、「これくらいなら、採算は取れる」と思っていた案件が、「いざ蓋を開けてみると、赤字だった」というケースも多いです。
前倒しする
一方、世の中の変化のスピードが速くなっているので、結論を先延ばしすることで、本来は正しい決断であっても、いざ決断した時には、遅すぎて間違った決断になってしまうこともあります。
前述の数字を見ることを実践した上での話ですが、それでも決断が難しい場合は、期限を区切って決断を先延ばしすることがお勧めです。
言い換えると、意味もなく決断を先延ばしするのは禁止。そして、意味がある場合でも、必ず最終的に決める期限を決めることがポイント。
小さくても始めることで、新たに分かることがたくさんあります。許容可能な範囲内であれば、決断は前倒しするのが原則です。
率先垂範する
せっかく決断したのに、1ヵ月経っても、まったく手付かずだったというご経験はないでしょうか?
決断と行動はワンセット。やりもしないことを「私はやります」と決断しても、それは決断したとは言えません。
経営者自ら取り組む仕事もあれば、部下に任せて進める仕事、社外の人も巻き込んでやる仕事。仕事の種類は様々ですが、社員は経営者の言動をご本人が想像している以上によく観察しています。
決めたことを必ずやる人なのか、思いつきで言っただけで、そのうち忘れてしまう人なのか。
たとえ、社員を巻き込まずに経営者で完結する仕事であっても、決めたことを粛々とやっていれば、社員の協力を得ながら進める仕事も、決断と行動が結びつきます。
逆に、有言無実行の状況が続いている状況では、「まぁ、放っておいても大丈夫」という雰囲気が社内で生まれてしまい、決断の意味が薄れます。
次に繋がる質の高い決断を
会社経営において、経営者の決断は最終的には、すべて経営者に返ってきます。このため、一つひとつの決断はかなり重いです。
それだけに、単に早さを競っても意味がありません。大切なのは、それがたとえ間違った決断だったと後になって分かるケースであっても、次に繋がる決断であったかどうかです。
ある上場企業の経営者は、アイデアが思いついた際、すぐにやろうと決断するのではなく、いろいろな角度から検証して深掘りした上で、「これでやる」「今回はやめておく」という決断を下されています。
自分なりのシートを作って、日々アイデアをブラッシュアップすることで、決断の質を向上させておられるのです。
特に会社の業績に少なからず影響を与える決断については、スピードだけではダメだし、時間をかけ過ぎてもダメ。
前述の
- 数字を見る
- 前倒しする
- 率先垂範する
を意識しながら、次に繋がる質の高い決断を行うことで、会社は必ず良い方向に進みます。
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経営者の仕事とは、正しい決断をすることではない。どんな結果からも逃げず、自ら下した決断を正解に変えるまで行動し続けることである。
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