知恵の和ノート
正解のない時代に問われる経営者の意思決定─結果責任から逃げない覚悟(第624話)
経営者の仕事とは、正しい決断をすることではない。どんな結果からも逃げず、自ら下した決断を正解に変えるまで行動し続けることである。

経営者は日々多くの決断をしています。
・この仕事をやるのか、やらないのか
・社員を採用するのか、辞めてもらうのか
・銀行からお金を借りるのか、借りないのか
そして、どのような決断をするにせよ、経営者は自分の下した決断の結果から逃げることはできません。
正しいと考えて下した決断が間違っていると分かった時、人は自分を守るために、どうしても他人のせいにしたがります。
退職代行会社の社長が先日逮捕されましたが、テレビでは、社長が「弁護士からは問題ないと言われた」と供述している旨、報道されていました。
この事件の場合は、単なる言い訳なのか、本当に弁護士の言葉を鵜呑みにしていたのかは不明です。しかしながら、いずれにせよ、見ていて見苦しいです。
なぜなら、「税理士からアドバイスされた」「銀行から勧められた」「社員にすべて任せていた」ことが事実でも、その結果責任は
・アドバイスを信じて決断した
・お勧めを信じて決断した
・社員を信じて決断した
経営者が負うことになるからです。
私も来月が終わると、社会人になってちょうど40年になります。そして、起業してから今年で20年になるので、社会人生活の半分を経営者として過ごしてきた計算になります。
私と取締役の2名だけの小さな会社なので、あまり大きなことは言えませんが、経営者に求められる資質を一つだけ挙げるとしたら
自分の決断から逃げないと決めること
です。
サラリーマンであれば、自分が一生懸命考えて行動して上手くいかなかったら、「会社が悪かった」「社長がアホやった」として、「自分は悪くない」という結論を導くことは可能です。
そして、その会社や社長が嫌で嫌でしょうがないなら、転職することで、新たに自分の能力や知見を活かすこともできます。
一方、経営者の場合。仮に「自分は悪くない」という結論を導くことができても、出てきた結果から逃げることはできず、その場に踏みとどまって、自らの能力や知見を活かして活路を見出さなければなりません。
その分、責任もかなり重い訳ですが、余計な言い訳ができない分、上手くいった時の面白さもすごく大きいです。
経営者には、営業力、マーケティング力、マネジメント力、数字等の管理能力など様々な能力が必要と言われています。
けれども、そのような能力をすべて兼ね備えたスーパー経営者はまれ。このため、自分には足りない能力をどう補うかも考えなければなりません。
例えば、自分にマネジメントの力が足りないなら、自ら学んで身につけるのか、誰かその分野が得意な人にサポートしてもらうのかを決めるのも経営者ご自身です。
どちらの決断が正しいかはやってみないと分かりません。そして、中にはいったん人に任せたけれど、最終的には自分が学んで能力を磨いた人もいれば、長い時間を掛けて右腕となる社員を育てた人もおられます。
つまり、正解は経営者の数だけあり、単純に他の経営者が上手くいったケースを真似するだけでは、上手くいくとは限りません。
言い換えれば、経営者は自分の決断を「最終的には正しかった」と言えるよう常に考え、行動し続ける尊い存在です。
仕事をしていると、「本当はこうした方が良いのに」と考える対策とは違う決断を経営者が下す場合があります。
その際、その決断から想定されるリスクをご理解いただいた上で、「その決断に伴う結果から逃げない覚悟があるかどうか」は必ず確認するようにしています。
その覚悟がある経営者は、たとえ想定外のことが起こっても、なんとか活路を見出そうと力を発揮されます。
あなたは自分の決断から逃げないと決めておられるでしょうか。
「逃げない」と言葉にするのは簡単ですが、実際に実践するのは、それほど簡単なことではありません。だからこそ、そのような覚悟を持った経営者を私はリスペクトしており、その方のお力になれる仕事に、やり甲斐を感じています。
経営者の価値は、どれだけ正しい決断をしたかではない。どんな結果からも逃げず、自らの決断を正解に変え続けたかで決まる。
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