知恵の和ノート
問題は社員ではなく「経営者の無意識」にある—組織が変わる気づきの習慣(第621話)
組織の問題は、社員ではなく経営者の「無意識な言動」から生まれる。気づいた瞬間に対応できれば、結果は静かに、しかし確実に変わり始める。

先週久しぶりに腰が張って痛みが出たので、毎月お世話になっている整体の先生に予約日時を変更して、急遽診てもらいました。
先生曰く、「右の足を踏ん張っていませんでしたか?」
腰が痛くなる日の前日は急ぎの案件があったので、かなり集中して仕事をしていたのですが、座っている際にかなり右足に力が入っていたために腰が張ってしまい、痛みにつながった模様です。
先生に「何か気をつけることはありますか?」と質問したところ、「踏ん張っているのを気づいたら、緩めてください」という回答でした。私は長時間座って仕事をしていたという自覚はありました。しかし、その際、右足が踏ん張っているという自覚はなかったのです。
この件を原因と結果で考えると
・原因:座っている際に右足に力が入っていた
・結果:腰痛になった
です。
結果である腰痛は痛みが出たので、気がつきました。しかし、原因である右足の踏ん張りは無意識で出た癖なので、今回は腰痛を防ぐための新たな方法が一つ増えた感じです。
このように、原因について本人に自覚がない場合、
気づいたら対応する
しかありません。
そして、経営者と打ち合わせしていても、ご本人は無意識のうちに、問題の原因を作っているケースがあります。
先日も、「社員はよく調べないで、すぐになんでも自分に聞いてくる」という不満をおっしゃっている方がおられました。けれども、その社長さんは、IT関連が苦手で、会社で使っているシステムの使い方が分からない時は、よく社員に質問していました。
つまり、
- 社長:(社員には)「質問する際は自分で調べてからにしてほしい」と思っている
- 社員:(社長には)「質問する際は自分で調べてからにしてほしい」と思っている
けれど、社長は自分が社員の嫌がることをしている自覚はなかったのです。
この社長に限らず、人は「自分では気づかないうちに、自分が他人にされて嫌なことを他人にしている」ことがあります。そして、そのような時、その人にとっては望ましくない状況が起こることが多いです。
自分がされて嫌なことを自分に対してされたら、すぐに気がつきます。また、自分がされて嫌なことを、他人が他人に対してしている場面に出会うと、モヤモヤするので、なんとなく気がつきます。
しかしながら、自分がされて嫌なことを自分が他人にしていても、案外気づいていません。
このため、前述の社長さんには、「もし、社員がよく調べないで質問してくるのが嫌だったら、ご自身もちょっと気をつけましょう」とお伝えしました。
問題を解決するには原因を特定することが必要です。けれども、その原因を本人が自覚ないままに作っていることも少なくありません。
一方、その無自覚な言動を知ることができたら、完全になくすことは無理でも、「もしかしたら、また◯◯しているかも」と気づくことは可能です。そして、気づくことができたら、痛みを避けるなど、自分が望ましい結果を得るチャンスも広がります。
社員を始めとして他人の言動を変えることは一筋縄ではいきません。一方、自分の言動は、「気づく→気づいたら対応する」プロセスを踏むことで、徐々に変わります。
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