知恵の和ノート

2026/01/20

売上が減っても利益が増える会社の共通点:粗利額・粗利率・LTVの3指標(第620話)

カテゴリー :予算管理

売上が減る恐怖に縛られると、利益を削る判断を正当化してしまう。経営者が本当に見るべきは売上高ではなく、粗利額・粗利率・LTV(ライフ・タイム・バリュー)という「会社を守る数字」だ。

売上が減るのが怖くて、利益を捨てていませんか?

「売上が減る」ことと「利益が減る」ことを比べたら、後者の方が怖いです。特に資金繰りをしっかりと回していくためには、増収減益よりも、減収増益の方がベターです。

しかしながら、経営者とお話していると、売上が減ることに対する抵抗感がより強いことがあります。

要因別に分類すると、3つに分かれます。

  1. 粗利額を見ていない
  2. 粗利率を見ていない
  3. LTV(ライフ・タイム・バリュー)を見ていない

 

粗利額を見ていない

数としては少ないけれど、商品やサービスの粗利額をきちんと把握していない会社もあります。

昨今は原材料費や人件費が高騰しています。商品を仕入たり、外注先を使ってサービスを提供する場合など、

・販売価格を見直していない

・その都度毎に見積りを取っていない

・請求された金額を精査せずに払っている etc.

ことがあると、粗利段階で赤字になっているケースもあります。

 

この場合、売れば売るほど赤字になる訳ですが、粗利額を見ていないので、「その商品を売るのを止めましょう」「値段を上げましょう」とアドバイスしても、「目先の売上が減るのが嫌だ」となります。


粗利率を見ていない

会社が事業を続けていくためには、粗利で社員の給料とか事務所の家賃など、毎月かかる固定費をカバーしなければなりません。

このため、いわゆる販管費から逆算して、「粗利率は最低でも売上高の40%以上を確保する必要がある」といった一つのメドがあります。

しかしながら、粗利で赤字にならないことは気をつけているけれど、粗利率を見ていないために、

・安易に値引きをする

・粗利は一応取れているから安心している

ケースも少なくありません。

 

もちろん、状況によっては、目標とする粗利率を達成できない案件もあるかもしれません。しかしながら、会社として

  • 粗利率を常に意識しながら仕事をする
  • 粗利率を意識しないで仕事をする

では、大きな差が出ます。

あるクライアントさんも、二期連続で赤字が続いたのが、一年で黒字化できたのは、会社で目標とする粗利率を定めて行動したことが一番の原因です。

 

LTV(ライフ・タイム・バリュー)を見ていない

LTVとは、一人のお客様が一生涯で会社にもたらす利益の総額のこと。

通販でよくあるのは

・初回限定で無料でお試しできます

・初めての方は10,000円引きでご提供します

といったように、入口商品を割安にして定期購入につなげるケースです。

この場合、入口商品は赤字だったり、粗利が小さかったりしても、一定の割合で定期購入してもらうことで、総合的には採算が取れる仕組みになっています。

 

定期購入ではないケースでも、「割安な入口商品→会社として採算の取れる本命商品」という流れができていれば、問題ありません。

けれども、中には、このような流れができていないにも関わらず、割安な入口商品だけが売れていることもあるのです。

このような場合、「この入口商品を売るのは止めましょう」と提案しても、抵抗される経営者もおられます。

 

事実を把握して早めに手を打つ

売上高は請求書や入金という形で目に見えます。このため、売上が減るのが怖いというのは感情的にはよく分かります。

一方、利益は直接的には目に見えないので、ざっくりとした経営だと、赤字が大きく顕在化するまで、その問題を把握できません。

また、「入口商品→本命商品」という流れについては、顧客管理をちゃんとやっていないと、本当に一顧客当たりの採算が取れているのかが分かりません。

 

物価高騰が続く中、事業を続けていくためにも

売上高-売上原価=粗利(売上高総利益)

をしっかり事実を把握した上で、先手先手で手を打ちましょう。

 

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