知恵の和ノート
売上が減っても利益が増える会社の共通点:粗利額・粗利率・LTVの3指標(第620話)
売上が減る恐怖に縛られると、利益を削る判断を正当化してしまう。経営者が本当に見るべきは売上高ではなく、粗利額・粗利率・LTV(ライフ・タイム・バリュー)という「会社を守る数字」だ。

「売上が減る」ことと「利益が減る」ことを比べたら、後者の方が怖いです。特に資金繰りをしっかりと回していくためには、増収減益よりも、減収増益の方がベターです。
しかしながら、経営者とお話していると、売上が減ることに対する抵抗感がより強いことがあります。
要因別に分類すると、3つに分かれます。
- 粗利額を見ていない
- 粗利率を見ていない
- LTV(ライフ・タイム・バリュー)を見ていない
粗利額を見ていない
数としては少ないけれど、商品やサービスの粗利額をきちんと把握していない会社もあります。
昨今は原材料費や人件費が高騰しています。商品を仕入たり、外注先を使ってサービスを提供する場合など、
・販売価格を見直していない
・その都度毎に見積りを取っていない
・請求された金額を精査せずに払っている etc.
ことがあると、粗利段階で赤字になっているケースもあります。
この場合、売れば売るほど赤字になる訳ですが、粗利額を見ていないので、「その商品を売るのを止めましょう」「値段を上げましょう」とアドバイスしても、「目先の売上が減るのが嫌だ」となります。
粗利率を見ていない
会社が事業を続けていくためには、粗利で社員の給料とか事務所の家賃など、毎月かかる固定費をカバーしなければなりません。
このため、いわゆる販管費から逆算して、「粗利率は最低でも売上高の40%以上を確保する必要がある」といった一つのメドがあります。
しかしながら、粗利で赤字にならないことは気をつけているけれど、粗利率を見ていないために、
・安易に値引きをする
・粗利は一応取れているから安心している
ケースも少なくありません。
もちろん、状況によっては、目標とする粗利率を達成できない案件もあるかもしれません。しかしながら、会社として
- 粗利率を常に意識しながら仕事をする
- 粗利率を意識しないで仕事をする
では、大きな差が出ます。
あるクライアントさんも、二期連続で赤字が続いたのが、一年で黒字化できたのは、会社で目標とする粗利率を定めて行動したことが一番の原因です。
LTV(ライフ・タイム・バリュー)を見ていない
LTVとは、一人のお客様が一生涯で会社にもたらす利益の総額のこと。
通販でよくあるのは
・初回限定で無料でお試しできます
・初めての方は10,000円引きでご提供します
といったように、入口商品を割安にして定期購入につなげるケースです。
この場合、入口商品は赤字だったり、粗利が小さかったりしても、一定の割合で定期購入してもらうことで、総合的には採算が取れる仕組みになっています。
定期購入ではないケースでも、「割安な入口商品→会社として採算の取れる本命商品」という流れができていれば、問題ありません。
けれども、中には、このような流れができていないにも関わらず、割安な入口商品だけが売れていることもあるのです。
このような場合、「この入口商品を売るのは止めましょう」と提案しても、抵抗される経営者もおられます。
事実を把握して早めに手を打つ
売上高は請求書や入金という形で目に見えます。このため、売上が減るのが怖いというのは感情的にはよく分かります。
一方、利益は直接的には目に見えないので、ざっくりとした経営だと、赤字が大きく顕在化するまで、その問題を把握できません。
また、「入口商品→本命商品」という流れについては、顧客管理をちゃんとやっていないと、本当に一顧客当たりの採算が取れているのかが分かりません。
物価高騰が続く中、事業を続けていくためにも
売上高-売上原価=粗利(売上高総利益)
をしっかり事実を把握した上で、先手先手で手を打ちましょう。
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