知恵の和ノート
売上アップでは会社は育たない―中小企業の成長を分ける社長の決断4選(第628話)
売上が伸びても、それだけでは会社は強くならない。経営者が考え方を変え、判断を変え、組織の未来を変えたとき、本当の成長が始まる。

会社の成長とは、経営者の成長が外に現れたものです。
たとえば、売上が3億円から5億円に上がったら、一般的に「会社は成長した」と言われます。
しかし、たまたま自社の扱っている商品が一時的な需要の高まりによって、売上が伸びたという場合もあります。このような場合、ブームが過ぎると、また売上が減ります。
また、今後の需要拡大を見込んで大量生産したりしたら、急激な需要の落ち込みで不良在庫を抱えることにもなります。
そこで、「会社が持続的な利益を上げられる状況になっている」ことを会社の成長と定義したら、そこには必ず経営者の成長がその背景にあります。
- 自分がやっていた仕事を社員に任せる
- 売上高だけではなく、利益にも着目する
- 思い切って止める仕事を決める
- 社員が育つ仕組みを取り入れる
自分がやっていた仕事を社員に任せる
中小企業では、
・経営者がトップセールスマンである
・この技術を分かっているのは社長だけ
といったケースが少なくありません。
そして、真面目で、完璧主義な経営者ほど、部下に仕事を任せると、自分とのギャップが目につくので、ついつい自分で仕事を抱え込みがちです。
思い切って、社員に自分の仕事を任せるには、ちょっとした勇気と忍耐力が求められます。そして、この段階をクリアすれば、会社は大きく成長します。
売上高だけではなく、利益にも着目する
中小企業の経営者とお話していると、皆さん「売上はいくらだった」についてはよく理解されています。
そこで、私から「では、粗利はどのくらいでしたか?」「部門別の利益はどうですか?」と質問すると、すぐに回答できないことも多いです。
あるクライアントさんでは、それまで、売上高を追っていましたが、案件毎の粗利を見るようになりました。その結果、2年連続の赤字から1年で黒字化されました。
思い切って止める仕事を決める
会社がやっている仕事の中には
・従来から長年やっている仕事
・採算は悪いけれど、取引先との関係で続けている仕事
・事務負担が重く、効率の悪い仕事
があります。
もちろん、技術開発など、お金にするためには、長い時間がかかるものがあります。けれども、経営資源が限られている中、どの仕事を止めて、どの仕事を続けていくかを最終的に決めるのは経営者です。
あるクライアントさんは、金額が小さい割には事務負担の大きい仕事を昨年思い切って止めるという決断をされました。その結果、取扱い件数は減ったものの、より金額の大きな案件が増えたので、売上はかえって伸びました。
社員が育つ仕組みを取り入れる
大手企業と違って、中小企業では、研修制度などを上手く活用できないこともあります。このため、どうしても、個々の社員の力量に頼らざるをえません。
その結果、仕事が属人的になり、仕事のできる社員が退職してしまうと、一時的に仕事が回らなくなったり、業績が落ち込んだりします。
また、仮に人材育成制度を取り入れたり、評価制度を変えたりしても、社員が期待通りに育ってくれるとは限りません。そこで、どうしても、目先の利益に追われて、社員が育つ仕組みを取り入れることは後回しになります。
それでも、長期的や視野に立って、その挑戦を続けられるかどうか。
ある経営者は腹をくくって、「今後は若手社員を育てる」方針に切り替えられました。それまでは、経験のある人を人材紹介会社経由でスカウトすることで、仕事を回してきましたが、人手不足の中、理想的な社員を確保することが年々難しくなっていたのです。
その後、最近ではホームページ経由で、新たに入社を希望する人が出てくるなど、徐々に成果は出つつあります。
成長は日々の積み重ねの上に実現できるもの。
まずは経営者が考え方を変えることで、指示する内容が変わります。そして、すぐに成果が出なくても愚直にやり続けることで、将来その芽は必ず花を開きます。
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