知恵の和ノート

2014/08/05

(第22話)マニュアルはすぐに英訳可能な日本語で書く

カテゴリー :文書化

独りよがりのマニュアルでは手が止まり、第三者を意識したマニュアルでは頭が回転する。

マニュアルはすぐに英訳可能な日本語で書く

以前クライアントさんから、「退職する社員の業務を引継いで業務改善してほしい」というご依頼を受けました。

引継ぎ期間は約1週間。社員の方が作成したマニュアルを基に引継ぎを行い、実際に自分でその業務をやってみるという感じであっという間に引継ぎ期間は終了しました。

おおよその業務の流れは理解できましたが、実際にやってみて業務に慣れるまでには、さらに1週間ほどかかった感じです。

一方、銀行の時は平均して3年に1回のペースで転勤がありました。そして、支店から別の支店へ転勤する時は実質2日間ほどが引継ぎ期間です。

その2日間も、日中は取引先への挨拶回りに追われ、夕方からペンディング事項等の引継ぎを終えたらほぼそれで終了。具体的にどうやってその後の業務を行うかは後任者任せです。

けれども、それで特に支障なく業務が回るのは、支店が違っても業務のやり方は同じであり、分からなければ、​​​​​​​必要なことはマニュアルに書いてあるからです。

もちろん、支店によって、貸出申請書を支店長に提出する時に、「申請書類を一式バインダーに挟んで書類を回す」のか、「貸出申請書ファイルの中に挟んだまま書類を回す」のか、といった細かい違いはあります。けれども、それらは枝葉末節な違い。

本筋である「貸出申請書には何を書いて、どういった資料を添付するのか」ということは全社的に統一されていました。

引継ぎを受ける立場からすると、​​​​​​​業務のポイントは何かが分かっていれば、後はその応用になります。銀行の担当者の引継ぎで言えば、「貸出申請書はどうやって書くのか」までいちいち後任者に教えていてはとても2日間での引継ぎは無理です。

貸出申請書の書き方に関する理解は暗黙の了解として、「A社は今この点が問題となっている」という特殊事項だけに絞って説明することで比較的短期間で引継ぎが終わります。

しかも、過去の交渉記録やどんな取引を行ってきたかは書類として記録に残っています。そして、たいてい一つの取引先に対して、「支店長-副支店長-課長-担当者」という4人がいるのでこのうち1人が代わっても、継続性という点では問題が生じにくいのです。

つまり、銀行の引継ぎの場合は

  • 基本となるマニュアルがある
  • 過去のデータが書類として残っている
  • 関係者が複数いる

ため、短い引継ぎ期間でも業務を回していくことが可能になっているのです。

一方で、多くの中小企業では

  • マニュアルが整備されていない
  • 過去のデータが記憶の中にしか残っていない
  • 関係者が一人しかいない

ために、​​​​​​​唯一の担当者がいなくなると業務が止まってしまう恐れがあります。

また、その担当者から別の人に業務を引継ぐにせよ、​​​​​​​担当者が書くマニュアルのレベルに左右されてしまうので、よほど仕事ができる人が引継ぎしないと、​​​​​​​以前よりも仕事の質がレベルダウンしてしまう懸念があります。

もちろん、きちんとマニュアルを整備するのがベストですが、慣れていないと​​​​​​​マニュアルを作ること自体にかなりの時間を取られるので、上手くいかない場合があります。

その時には、まずは形式に囚われずに、​​​​​​​少しづつでも記録をつける習慣を身につけさせることがスタートです。

そして、その記録は、​​​​​​​第三者が読んでもすぐに分かるように書くを意識させることがポイントです。

書いている当人はその業務のことが頭に入っているので、主語、述語、目的語がはっきりしていなくてもなんとなく分かってしまいます。

マニュアルは高校生のアルバイトが、すぐに英訳できるレベルの日本語になっているか。

時々経営者ご自身でチェックすることをお薦めします。

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