知恵の和ノート

2025/11/25

「できない理由」を潰せ!「収縮型社員」への処方箋と行動を引き出す技術(第612話)

カテゴリー :社員教育

社員の「できない理由」は「やりたくない」の意思表示。やる気に関係なく、会社として進めるべき仕事は前に進める仕掛けを持ち続けよう。

できない理由を潰そう

打ち合わせの際、クライアントさんと話をしていると

  1. 「あれもやりたい」「これもやりたい」と言い出す人
  2. 「こういう問題がある」「あれがないからできない」と言い出す人

に分かれます。

前者を「拡散型」、後者を「収縮型」と定義すれば、社長、特に創業者である社長は拡散型のタイプが多く、社員はどちらかと言えば、収縮型のタイプが多いです。

 

拡散型と収縮型のどちらが良くて、どちらが悪いということはありません。

ただ、「あれも」「これも」とアイデアがいろいろ出てきても、いざ、それを実現しようとすれば、人の問題、お金の問題など、クリアしなければならないことがあります。

一方、問題点や壁ばかり指摘するだけでは、何も実現しません。問題点を指摘できても、「なら、どうする?」まで踏み込まないと、意味がありません。

つまり、両者のバランスが求められる訳ですが、よくあるご相談は

経営者が方針を示しても、社員からいろいろと注文がついて、方針通りには進まない

というケースです。

 

私がサラリーマンだった時は、社長が「これやれ!」と指示したら、多少理不尽と思われる内容であっても、なんとかやろうとしたものです。

しかしながら、時代が変わって、今や社長の指示であっても

「どうして、やるのですか?」

「こんな面倒くさいことはやりたくありません」

「それだったら、会社を辞めます!」

と素直に進まないことも多いです。

特に昨今はすぐに「それって、パワハラですよ!」となるので、経営者側もあまり強く言わない傾向があります。


もちろん、社長の指示内容がコンプライアンスに抵触したり、お客様に迷惑をかけたりするようなものであれば、その問題点を指摘するのはありです。

しかしながら、実際には単に「自分がやりたくない」という理由から、「こういう問題がある」「あれがないからできない」と、できない要因ばかりをあげることも少なくありません。

 

社長からすれば、「この仕事をやることで、もっと会社が良くなり、社員の給料も上げられる」という思いがあっても、社員からすれば

・この仕事をやる意義を見出せない

・この仕事と業績アップとの関連性が分からない

・本当に給料が上がるのかを想像できない

ために、「余計な仕事をこれ以上やりたくない」という思いの方が勝ることがあります。

 

この問題を根本的に解決するには

  1. 社員も共感できるような経営理念を定める
  2. その経営理念と会社の戦略や戦術に一貫性を持たせる
  3. 日々の仕事も常に経営理念と結びつけて、社内に浸透させる

といったプロセスが必要になってきます。

 

けれども、これはすぐにはできません。その際、短期的な対策として有効なのが

できない理由を代替案を使って潰していく

というやり方です。

例えば、「時間がないからできない」と言ってきたら、「1日30分だったらできる?」と聞いてみる。

もし、「30分も時間が取れない」と反論してきたら、「だったら、何分ならできる?」と聞いて、もし、「10分ぐらいなら・・・」という回答だったら、「じゃぁ、1日10分だけやって」と依頼します。

 

相手は「余計な仕事をやりたくない」とは直接言いたくないので、「時間がない」とか「あれがないからできない」と言っているだけです。

この点、「やる気を出してくれ」と言っても、やる気は出さないので、やれない理由を一緒に潰していって、「まずは、その範囲でいいから、やってください」と行動を促すことが大切です。

あぁ言えば、こう言う社員と対峙するのは、正直疲れます。その際、こちらが根負けして、「じゃあ、やらなくていいよ」となってしまうと、次に別の仕事を指示する際にも、また、いろいろと難癖をつけてくる恐れがあるので、注意しましょう。

 

人は自分が「やりたい」と心底思ったら、何か問題にぶつかった際も、「どうやったらこの問題を解決できるか」と自然と考えるようになります。

一方、そこまで思い入れのないことに対しては、問題が見つかると、収縮型の面が強く出てきて、どんどんやらない方向に思考が働きます。

 

もし、ウチの社員は収縮型が多いと感じておられるなら、

  • 短期的には「できない理由」を潰して、まずはできる範囲でも仕事をやらせる
  • 長期的には共感を生むような仕事を増やしていく

ことに取り組みましょう。

 

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