知恵の和ノート

2025/10/14

「考えない社員」は存在しない|原因を特定できたら、考える人材は必ず生まれる(第606話)

カテゴリー :社員教育

「もっと考えろ」だけでは育たない。教えるべきは方法と基準。恐れを解き、視点を促せば、自走する人材は育つ。

「もっと考えろ」だけでは育たない

考えて仕事をしてほしい

経営者が社員に対してよくおっしゃるセリフです。

しかしながら、この「考える」という行為は意外と難しいです。

 

「インプット→考える→アウトプット」という流れでみた場合、経営者が「もっと自分の頭で考えろ」と社員に不満に抱いているなら

  • インプットが足りない
  • インプットは足りているが、アウトプットできない

の2つの側面から検証することが有効です。

 

インプットが足りない

  • やり方を知らない→やり方を教える
  • 判断基準を知らない→判断基準を周知徹底する

 

例えば、新入社員にいきなり「考えて仕事をしろ」と言っても、どうやったら良いのかがよく分からないので、戸惑うことが普通です。

また、仮に業務マニュアルがあっても、マニュアルで細かい対応方法まですべてを網羅するのは難しいです。このような時には、会社の方針なり、優先すべき事項などを社内に浸透させておかないと、迷う社員が出てきます。

 

インプットは足りているが、アウトプットできない

中小企業の場合は、そもそも考える際の土台となるインプットが足りていないため、「考えて仕事をしろ」と言っても、上手く機能しないことが多いです。

けれども、ある程度、インプットは足りているのに、アウトプットできないケースもあります。

 

1.怒られたくない

過去に自分が考えて行動した結果、親や上司にひどく怒られたりした経験があると、それがトラウマになることがあります。

このような場合、その人の中で「考えて行動すると、ろくなことがない」という価値観があるので、「考えること=良くないこと」という思い込みがあります。

 

2.ミスしたくない

仮に過去に怒られた経験がなくても、「ミスしたくない」「間違えてバカだと思われたくない」という思いから、考えることを拒否する人もいます。

自分が安心してできる範囲を設定して、そこからはみ出すことを嫌がる訳です。

 

3.応用力がない

Aという事例とBという事例。経営者から見れば、「こういう共通点があるじゃん」と思っても、応用力がないために、まったく個別の事例として捉える人もいます。

この場合、仮に判断基準を伝えていても、個々の事例をゼロベースでやろうとするので、必要以上に時間がかかったり、トンチンカンな対応をしたりすることが少なくありません。

 

原因が分かれば解決策はある

このように、インプットは足りているのに、アウトプットできないケースは社員個人の個性や特徴によって要因が異なるので、少しやっかいです。

このため、面倒でも、やや強制的にアウトプットさせることが求められます。つまり、自分の考えたことを言葉で表現させることです。

その際、仮にその考え方が間違っていても、すぐに否定しないことがポイント。その社員がどういう要因でアウトプットできないのかが分かれば、対処方法はあります。

 

その社員の考え方の癖によって、次に打つ手は変わります。

「怒られたくない」「ミスしたくない」が考えることを拒む要因になっているなら、当社では

・会社の決めた方針に則っている限り、怒られることはない

・自分の考えたことを言っても、誰もバカにすることはない

ことを実感できたら、自ら考える芽が出てきます。

 

また、「応用力がない」場合は、

・判断基準と必ず紐づけさせる

・「この間やってもらったAのケースではどうだった?」といったように、個別の事例を俯瞰的に見られるような質問を続ける

ことで、徐々に自ら考える習慣がついてきます。

 

問題は原因を特定できたら、必ず解決できます。残念ながら「考えて仕事をしろ」と指示するだけでは何も進みません。

まずは「社員が考えて仕事をしない」原因を特定しましょう。


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