知恵の和ノート
嫌いな仕事、苦手な仕事の対処方法(第25話)
嫌いな仕事の後回しは会社の倒産につながり、嫌いな仕事の人回しは会社の資産につながる。
弊社を含めコンサルタントにご相談に来られる方は、どなたも何らかのお悩みを持っておられます。
「売上が思ったように上がらないので何とかしたい」
「集客に力を入れたいが、マーケティングはどうするの?」
「営業は大好きだけれど、経理のことはさっぱり分からん」
「社員に仕事を任せたが、出来が悪くて結局自分でやった方が早い」
「書類が溜まって机の上がごちゃごちゃしており、仕事の効率が悪い」
など、お悩みの大きさや深刻さは様々です。
そして、よくよく事情をお伺いすると
- 営業が苦手→お客さんへの訪問件数が少ない→売上が上がらない
- 資料作成のような細かい作業は嫌い→数字を把握できていない→資金繰りの悪化に気づくのが遅れる
- 人に教えるのが苦手→人材が育たない→社長が仕事を抱え込む
というように、嫌いなことや苦手なことを後回しにしていたために、業績不振や業務の非効率化を招いているケースが少なくありません。
もちろん、創業して間もない頃やまだ売上が立たない時期は、お金をできるだけ節約するという観点から、経営者自ら嫌いなことや苦手なことにも積極的に取り組むことも必要です。
けれども、経営者が嫌いなことや苦手なことにいつも取り組まなければならないかと言えば、それはNoです。
そして、伸びている会社の経営者ほど、嫌いなことや苦手なことは自分でやらないことを徹底されています。
中小企業が一番力を発揮できるのは、やはり経営者が自分の得意なことに全力で取り組める時です。
技術者出身の経営者が交際費と会議費の違いを理解することに時間と労力をかけるなら、そのエネルギーを新商品の開発に集中した方が会社にとってはよっぽど有益です。世界のホンダもあの本田宗一郎さんが自分の一番得意な技術開発に専念できたことが成長の原点でした。
問題はそのバランスをどう取るか。
大手企業の経営者の場合は自ら作業を行うことはありません。部下が作成した資料を基に決断したり、社員の行動に問題がないかを管理することが仕事の中心です。
一方で、中小企業の経営者は経営判断や経営管理に加えて、自らプレイヤーとして日々活動することが求められます。このため、最低でも一人三役をこなさないと務まらないのが普通です。
そこで、嫌いなことは苦手なことはプレイヤーとして関与するのではなく、最終的な決定者やリスク管理者として携わるよう仕組み化することが必要です。
会社としてやらなければならない業務の中で、たとえ嫌いなものや苦手なものがあっても経営者はそれから逃げることはできません。
けれども、経営者が常に前線に立つ必要はありません。後方にどっしり構えていざという時に出陣する備えがあればOKです。
何でもできる経営者はカッコイイですが、できないことをできないと自覚して人に頼むことはけっして格好悪いものではありません。
嫌いなことや苦手なことを後回しにせず、先に人に回して噛み砕いてから飲み込む。
会社の仕組み化におけるポイントの一つです。
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