知恵の和ノート

2025/08/19

なぜ「決めたのに変わらない」? 経営を止める5つの抵抗と、今日からの一手(第598話)

カテゴリー :意識改革

「怖い・もったいない・格好悪い・嫌われたくない・面倒くさい」。その壁を壊す最初の一手は、時間配分を変えること。

経営者が越えるべき5つの壁

定例の打合せで決まったことを次回までにやっていない場合、根底には「変えることへの抵抗感」があります。

そして、そのような抵抗感は主に5つのパターンがあります。

  1. 怖い
  2. もったいない
  3. 格好悪い
  4. 嫌われたくない
  5. 面倒くさい

 

怖い

 

赤字の商品がある場合、単価を上げるか、思い切って販売するのを止めるかしないと、赤字は解消しません。

けれども

・単価を上げる→販売数量が減る→売上が減る

・販売を止める→売上が減る

のが怖いと感じる経営者も少なくありません。

 

誰しも、売上が減るのは怖いです。なぜなら、入ってくるお金が減るから。一方、赤字商品の場合、売れば売るほど、最終的にお金はどんどん減っていきます。

しかしながら、

・売上が減る→すぐ目に見える→分かりやすい

・利益が減る→すぐには見えない→分かりにくい

ために、頭では理解できても、実感が湧きにくいために、目先の売上が減る対策には抵抗感を感じることがあります。

 

もったいない

 

・商品開発に1,000万円以上投資してきた

・過去3年以上、社員も頑張って売上を伸ばしてきた

といった商品が環境の変化等によって売れなくなった場合。

方向転換を図るのは、過去に投資したお金や時間が無駄になるので、もったいないと感じるのは仕方のないところです。

 

もちろん、売り方や対象先を変えることで、また売上を伸ばせることがあります。けれども、「これだけやってきたのだから、ここで大きく変えるのはもったいない」という思いから、過去の延長線上で考えていると、せっかく過去に行った投資も活かせない恐れがあります。

特に経営者肝煎りで始めた事業などは、社員が「さらにお金や人を投資するのはもったいない」と考えていても、経営者が過去の決断に囚われていると、焦点が未来の投資ではなく、過去の投資に対して「もったいない」と考えているので、注意が必要です。

 

格好悪い

 

・銀行にリスケを依頼する

・売掛金をいつもより早めに払ってもらう

・仕入先に支払条件の変更をお願いする

業績が悪くなってくると、本当は下げたくないけれど、第三者に頭を下げて、協力をお願いするケースが出てきます。

 

この時、どうしても「格好悪いなぁ」と感じることはよくあります。けれども、「格好悪いなぁ」という思いが行動を一歩遅らせることで、かえって状況を悪化させることも多いのが事実。

 

もちろん、取引先に条件変更を依頼する際には、変な噂が流布される恐れもあるので、慎重に行う必要があります。一方、銀行にリスケを依頼して、借入金の返済を一定期間減らすことは、恥ずかしいことではありません。

リスケのメリットとデメリットを勘案して、「メリット>デメリット」であれば、格好良いか悪いかではなく、リスケを依頼しないと、かえって頭を下げる場面が増えます。

 

嫌われたくない

 

・指示通りに動かない

・同じようなミスが続いている

・期限を設けても守れない

社員に対して、日頃このような不満を抱いていても、なかなか改善しない場合。

いろいろと深掘りしていくと、経営者が社員に対して「嫌われたくない」と感じていることがあります。

 

まったく注意してない訳ではないのですが、「これ以上言っても無理」というように諦めている場合も、その根底には「これ以上言うと(社員から)嫌われる」という思いが、行動を止めています。

 

たとえ嫌われようが、会社として決めた方針やルールを守らない場合は、守るまでしつこく言い続けないと、相手は足元を見ます。そして、このような状況が常態化すると、何か新しいことに取り組もうとしても、「どうせ、そのうち言わなくなるから」と考える社員が増えてきます。

一方、経営者が本気で向き合っている場合、中には嫌がる社員もいますが、その本気に共感する社員も出てきます。

「嫌われたくない」は社員ではなく、経営者自身が作っている壁です。

 

面倒くさい

 

今までのやり方を変えることは手間がかかります。このため、やり方を変えることと、「面倒くさい」と感じることは、ある意味ワンセットです。

人は好きなことであれば、第三者から見れば、「そんな面倒くさいことをよくできますね」と思えることも、淡々と取り組みます。一方、それほど好きでもないことなら、第三者から見ると、「これってそんなに難しくないですよね」と思えることを、なかなか取り組みません。

 

そして、この「面倒くさい」ので、変えようとしないケースは、他の要素がその人の感情や思考に沿ったものであるため、対応の仕方がそれなりにあるのに対し、人の本能と直接つながっているので、なかなかやっかいです。

人の本能は「楽」を求め、「苦」を避けます。何かを変えることは、直接的には「苦」とつながるので、「面倒くさいから、変えたくない」ことが多いのです。

 

このため、まだ比較的状況が良い時に、将来起こるかもしれない「苦」を避けるために、何かを変えようとしても、目先の面倒くささに引っ張られて、変えないまま放置することが起こります。

 

現状に満足していないなら、変えるしかない

 

さて、変えることへの抵抗感に関する5つのパターンを見てきましたが、あなたの場合は、どのパターンで変化を止めることが多いでしょうか。

実際には1つのパターンだけに当てはまるというよりは、複数のパターンが組み合わさって、「頭では変えた方が良いとは分かっているが、実際にはなかなか変わってない」ことが大半です。

しかしながら、もし、現状に必ずしも満足していないなら、考え方ややり方を変えない限り、満足する状況はけっして生まれません。

 

経営コンサルタントとして有名な大前研一さんによると、「人間が変わる方法は3つしかない」。

1番目は時間配分を変える。

2番目は住む場所を変える。

3番目はつきあう人を変える。 

 

また、最も無意味なのは「決意を新たにする」ことだとも。

この点、いったん決意を新たにしても、前述のようなパターンに陥りやすいためだと私は考えています。

 

一方、前述の3つの変えるは、すべて、何かしら行動することにつながっています。中でも、1番目の「時間配分を変える」は誰でもすぐに実践できることです。

お盆休みの終わったこの時期、時間の使い方を変えることから始めましょう。

 

自分の思考の癖を知って、時間の使い方を変えたい経営者の方は「こちら」をご覧ください。

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