知恵の和ノート

2014/09/09

社長の右腕が育つ環境を意識的に整える(第27話)

カテゴリー :社員教育

雑用を短気で無茶ぶりするのは半人前の経営者
雑用を根気よく教育に使うのは一人前の経営者

社長の右腕が育つ環境

「社長の右腕」と聞くとどのようなイメージを思い浮かべるでしょうか。

大企業であれば、社長秘書がいたり、社長室があったりして、社長のスケジュール管理から接待の手配や名刺の整理まで、そつなくこなしている印象があります。

一方、中小企業の場合は人員も限られているので、社員は自らの仕事もこなしながら、社長から指示された仕事にも随時対応するというケースが多いのではないでしょうか。

実際先週お会いしたある社員の方は

  • 社長のスケジュール管理

はもちろんのこと、

  • 請求書の発行やお客様への連絡
  • ウェブサイトの制作

など多くの仕事を一人でこなされていました。

社長とその社員とのやり取りを横で見ていると、社長は部下のレベルにはまだまだ満足していないものの、着実に成長している手ごたえを感じている様子が私にも伝わってきました。

毎日忙しく動き回っている社長にとって、雑用を一手に引き受けてくれる存在はたいへんありがたいものです。でも、社長から指示されたことをそつなくこなしているだけでは、「右腕」と呼ぶにはまだ力不足です。

やはり「社長の右腕」となるためには、社長が考えていることを理解して実行することに加えて、社長の考えを客観視して、自分としての見解を持つことが求められます。

社長も時には考えが上手くまとまらなかったり、ちょっと他人の意見を聞いてみたい時があります。

そんな時、「これどう思う?」と言って、「これ」を一から全部説明するのはかなり面倒くさいもの。「これ」については一定の理解があって、「私は売れないと思います。なぜなら・・・」というように自分の意見をすぐに言える人が傍にいれば本当に助かります。

また、社長が自分でやろうと思っていても忙しくて、ついつい忘れてしまうことがあります。そんな時、「あれどうしたっけ?」と気づいた時に、すかざず「あれは先ほど先方に郵送しておきました!」という返事があると、社長はほっと一息つけます。

つまり、「社長の右腕」には、社長の行動を観察して、抜けている部分を補って動くことも求められるのです。

このように考えると、​​​​​​​「社長の右腕」は決裁権限のない社長の分身と言えるかもしれません。そして、行間を読んで社長の半歩先を行く役割が求められます。

このため、「社長の右腕」を育てるには時間と根気がいります

でも、伸びている会社の経営者は多かれ少なかれ、右腕となるべき存在を育てようと努力されています。

単に雑用を押しつけて、「四の五の言わずに俺の言う通りにやれ!」と怒鳴っているだけでは、けっして人は育ちません。相手の特徴や性格を見極めながら時には厳しく、そして時にはやさしく、自分の指示の奥底にある基本的な考えを伝えていくプロセスが必要です。

筋肉を鍛える際も、ただ何となく筋トレするのと、「この筋肉を鍛えよう」と意識を持って筋トレするのでは全然効果が違います。

あなたは日頃意識して「右腕」を鍛える努力をされているでしょうか。

ところで、先の社員さん。

帰りの電車に乗る前に、社長が「お土産ってどうしたっけ・・・」とつぶやいた時に、ささっと「これ奥様にどうぞ!」と、社長の奥様と同じ名前がついたお菓子を社長に渡していました!

その社長も「いつの間に買ったの、ありがとう。」と満更でもないご様子。地道な教育の効果は必ずあります

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